昨年オープンした、つくるまサーキット那須で、初の公認ジムカーナ競技会が開催!

レポート ジムカーナ

2021年6月11日

5月30日、2021JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ第3戦が、栃木県の「つくるまサーキット那須」で開催された。

2021JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ第3戦
ソネットジムカーナin那須

開催日:2021年5月30日
開催場所:つくるまサーキット那須(栃木県那須塩原市)
主催:SONNET

 JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズは、主にジムカーナ初級者から中級者を対象にしたシリーズだ。ただし、JMRC関東ジムカーナシリーズ共通規則が定めるSA、Aシード等の上級者を対象としたクラスや、参加車両においては、ナンバー付きのPN車両やB車両に加え、ナンバー無しのSC/D車両(触媒の装着が必要)のクラスも設定されており、幅広い選手層が参加できる競技会となっている。また、排気量や駆動方式等は関係なく、仲間同士で5台以上集まれば、参加者申請の特設クラスの設定も可能だ。

 会場となった「つくるまサーキット那須」は、関東屈指のダートコース、丸和オートランド那須の敷地面積の約半分をターマックコースに改修し、2020年の3月末にオープンしたサーキット。既に数々の走行会やイベントが行われているが、ジムカーナの公認競技会は今回が初開催となる。

 通常の走行会等では反時計回りの周回となっているが、今回、ジムカーナ競技として設定されたコースは、時計回りでS字からストレートを走行。後半区間はショートカットを経て順走に変わり、ターンセクションで再び逆走となるレイアウトで、ハイスピードからテクニカルまで兼ね備えた走り応えのある設定となった。8月にJAF関東ジムカーナ選手権の第8戦が開催される予定もあり、その下見を兼ねた地区戦ドライバーも多数参戦。また、つくるまサーキットを走行するのは初めてという選手も多く、慣熟歩行ではコース状況を入念にチェックする様子が伺えた。

パイロンジムカーナが主流の関東地区だけに、今後は貴重なコースジムカーナのテクニックを磨ける場として人気を集めそうだ。
8月にはJAF関東ジムカーナ選手権も初開催される予定。関東のトップスラローマー達の走りも要注目だ。
かつては未舗装だったパドックの場所も現在は舗装が施されている。

 上級者を対象としたファーストクラスは3台の出走。ロードスター2台とランサーの争いとなったが、やはりパワーで勝るランサーの高橋成晴選手が優勝。「つくるまは、昨日のフリー走行が初走行です。路面グリップは結構、高いと感じました。こういった速度域の高いコースは、ブレーキングが上手くないとタイムが出ませんね。とても勉強になりました」と高橋選手。

 PN1クラスは第1ヒート、ベテランの舟橋悟選手がトップで折り返す。しかし第2ヒート、クラスファーストゼッケンの金粕雅史選手がトップタイムを更新し、競技は振り出しに。舟橋選手も更にタイムを塗り替えるも、痛恨のパイロンタッチで万事休す。「昨年、九州の大学を卒業し、就職で関東に来ました」という金粕選手は、今シーズンから本格的に栃木茨城シリーズに参戦し、前回の第2戦では2位。3戦目でシリーズ初優勝を遂げた。

ファーストクラスは 高橋成晴選手が第1ヒートのペナルティを挽回して優勝。
ファーストクラス表彰の各選手。
PN1クラスは金粕雅史選手が第1ヒートの3番手から逆転で優勝を飾った。
PN1クラス表彰の各選手。

 斉藤大志選手と内田佳延選手が1分07秒台で接戦となったPN5クラス。第1ヒートでトップに立ったのは0.4秒差で内田選手。しかし第2ヒート、内田選手のタイムを0.2秒更新した斉藤選手がトップに浮上。再逆転を狙う内田選手だが、タイムダウンとなってしまい、斉藤選手が逃げ切り、優勝となった。「昨年から関東地区戦に参戦しているのですが、県シリーズ時代も優勝した事がなかったので、今回の優勝は嬉しいですね」と、ジムカーナ初優勝を飾った。

 NTR1クラスは第1ヒート、1分06秒台をマークした津野友佑選手がトップで折り返す。第2ヒートでは岡本和弘選手が100分の1秒上回るものの、津野選手は更に自己タイムを1分05秒台まで詰め、優勝となった。「第2ヒートは、もう少し攻めることができたなと思う所があったので、それが無かったら、もう少し良いタイムが出せたかなと思います」という津野選手は今季2勝目。

2台のBRZによるトップ争いとなったPN5クラスは齋藤大志選手が優勝した。
PN5クラス表彰の各選手。
NTR1クラスは津野友佑選手がAE86勢を抑えて優勝をさらった。
NTR1クラス表彰の各選手。

 NTR2クラスは戸田義則選手が第1ヒート、第2ヒートともにトップタイムで優勝。「第2ヒートは1分06秒台を出したかったのですが、僅かに届きませんでした。サイドターンは昔から苦手なので、上手く出来れば06秒台に入っていたかもしれませんね(笑)」と振り返った。

 8台で争われたチャレンジクラスは第1ヒート、唯一1分11秒台をマークした及川信之選手がトップで折り返す。第2ヒートでは更に1秒近く自己タイムを更新し、1分10秒台へ突入。2位以下を1秒以上引き離した及川選手の優勝となった。「しばらく競技を休んでいて、復帰するにあたりチャレンジクラスに参戦しました。まだ探りながらの状態です。他のクラスで、同じタイヤで良いタイムを出している選手を見て、練習不足を痛感しました」と、及川選手はブランクを埋め合わすヒントを掴んだようだ。

NTR2クラスは戸田義則選手が2本ともベストタイムを奪って快勝した。
NTR2クラス表彰の各選手。
チャレンジクラスはただ一人、1分10秒台にタイムを乗せた及川信之選手が快勝した。
チャレンジクラス表彰の各選手。

 特設クラスとして設定されたチャレンジ280クラスは、JAF関東ジムカーナ選手権のJG13クラスで鎬を削る選手で結成されたクラス。8月につくるまサーキットで予定されている地区戦に向けての戦いとなったが、優勝の橋本恵太選手と2位の大江光輝選手のタイム差は1000分の3秒。早くも熾烈な争いが繰り広げられた。

 つくるま工房クラスは、全日本ジムカーナドライバーの西野洋平選手の呼び掛けで、GRガレージ宇都宮に集う仲間で結成された特設クラス。18歳の初心者ドライバーから超ベテランドライバーまで7台の参加となった。ジムカーナは初参戦という選手が多く、車種もノーマルから走り屋系、ワゴン車までと多種多様。そういった中で優勝したのは近澤一豊選手。「普段は走行会で遊んでます。ジムカーナは初めてですが、とても面白いですね。サイドターンを失敗して納得出来る走りではなかったので、是非また参加したいです」と、すっかりジムカーナの魅力に取り憑かれたようだった。

上位7台が0.4秒の間にひしめくという大接戦となったチャレンジ280クラスは、橋本恵太選手が第1ヒートのタイムで辛くも逃げ切った。
チャレンジ280クラス表彰の各選手。
つくるま工房クラスは断トツのタイムを叩き出した近澤一豊選手が優勝した。
つくるま工房クラス表彰の各選手。
PN6クラスは西尾浩伸選手が優勝。「今回から足回りを一新して、タイヤも1サイズ大きくしました。フィーリングは確実に良くなりましたが、細かいセッティングはこれからですね」。
NT2クラスはヒート1のミスを帳消しにする走りを見せた吉良仁秀選手が優勝。
NTF2クラスでは今大会、FF車ではトップとなるタイムをマークした鈴木大吾選手が優勝。「つくるまはグリップも高く、走り易いコースですね。第2ヒートは2秒もタイムアップできたので、良かったです」。
チャレンジKクラスはヴィヴィオを駆った五味渕昌子選手が優勝。「第2ヒートで1分13秒台に入って、予想よりも良いタイムだったので良かったです」。
当日のコース図。アベレージスピードは高めの設定だが、180度ターンや規制のパイロンが置かれるなど、ジムカーナ競技としてのアレンジが施されている。

フォト&レポート/友田宏之

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