2戦目を迎えたJAF中四国ラリー選手権は、四国グラベル3連戦に突入!
2021年6月11日
グラベルラリー主体のシリーズとして知られるJAF中四国ラリー選手権の第2戦が、5月29日、四国徳島の山岳地帯を舞台に開催された。
2021年JAF中四国ラリー選手権第2戦
2021年JMRC中国・四国ラリーシリーズ第2戦
西日本グラベルラリーツアー2021第1戦
つるぎ山アルペンラリー2021
開催日: 2021年5月29日
開催場所: 徳島
主催: TRURUGI
今年のJAF中四国ラリー選手権は全4戦のカレンダーが組まれている。第1戦は3月に広島で開催されたが、今回の第2戦以降の3戦はすべて四国が開催地となり、路面もグラベルが基本となる予定だ。
今回のつるぎ山アルペンラリーは、西日本2番目の高峰である徳島・剣山の北に位置する高地のグラベルロードを走るラリー。昨年はコロナ禍により、秋に開催を延期したが、その週末に台風が来襲したため、中止を決定。2年ぶりの開催となった。
ラリーの拠点となるのはアウトドア・レジャーが楽しめる観光スポットとして知られる中尾山(なこやま)高原で、今年もHQ、スタート&ゴール、サービスが置かれた。ラリーは、この中尾山高原から程近い1本の林道を、サービスを挟んで2回往復する、計4本のSSで競われた。このステージは、往路が下りで、4.60km。ゴール後、一旦プールした後に戻ってくる復路は上りとなり、4.99kmと若干だが距離が延びる。SS総距離は19.18km、リエゾン区間は8.14kmというコンパクトなラリーとなった。
ランサー、インプレッサが集うFG1クラスは今回も11台が参加と最大の激戦区となった。西日本では数少なくなったグラベルラリーとあって、中四国在住者の他、中部、近畿、九州、と広く参加者が集うのが人気の秘密だ。この傾向はむろん、このクラス以外でも顕著になっている。
そのFG1クラスのSS1で2番手をキロ1秒以上も突き離す、圧巻のベストを叩き出したのは近畿から遠征してきたマクリン大地/大橋正典組のGRBインプレッサだった。しかし往路の上りとなるSS2では、優勝候補本命の、1番ゼッケンで走った地元徳島の長江修平/原野雅子組のランサー・エボXが、今度は2番手に7.5秒もの差をつけるスーパーベストで上がる。
一方、マクリン組は、このSSで痛恨のコースオフ。長江組とのマッチレースには持ち込めず、リタイヤとなってしまった。SS1では2番手につけながらも、マクリン組に6.1秒の遅れを取った長江組はこれで断トツの首位に浮上。サービスを挟んで臨んだSS3、SS4も連続ベストで上がり、ペースは最後まで緩めず。終わってみればマクリン組に代わって長江組の追撃に入った同じ近畿の堀江拓/馬瀬耕平組を14秒差で下して、開幕2連勝を決めた。昨年の最終戦でNEWマシンのランサー・エボXとともに復帰を果たした渡部洋三/井関美貴組が、堀江組に7秒遅れの3位に入賞。シリーズ後半の2戦は、中四国ラリーの第一人者として、長くこのクラスを牽引してきた、このベテランの速さにも、注目が集まりそうだ。
FG2クラスには、1週間前の全日本ラリー選手権JN5クラスでヤリスを駆って優勝したばかりの内藤学武/小藤桂一組が、「グラベルの感覚を取り戻したい」と、はるばる東京からエントリーしてきた。マシンは昨年までドライブしていたZC33Sスイフトスポーツ。同じく全日本組の小倉雅俊/岩佐潤一組、山口貴利/山田真記子組といったブーンX4勢が迎え撃つ形となったが、全日本を制したばかりの若手の勢いは止められず、内藤組が全SSベストで快勝。中四国戦の常連でもある小西健太郎/藤島義孝組がブーンX4勢最上位の2位でゴールし、小倉組が2.3秒遅れて3位となった。
FG3クラスでは地元四国在住で全日本ラリー優勝経験もある松原久/和田善明組デミオが、このクラスではほぼ無敵の速さを誇っているが、今回は番狂わせが起きた。SS1のベストを奪ったのは、関東栃木から遠征してきた細谷裕一/大西恵理組のヴィッツ。東日本地区のラリーでは、ヴィッツマイスターとして知られる強豪だが、FG2クラスの内藤組同様、はるばる関東からグラベルでの足慣らしに駆け付けた。
「タイヤ選択を外した」という松原組はSS2でも2.4秒遅れて、サービスに戻ってくるが、SS3は逆に細谷組を2.8秒差で下して反撃を開始。しかし最終のSS4では再び細谷組にリードを許してしまい、逆転はならず。細谷組が四国の地で優勝を果たした。続くFG4クラスも遠征組が健闘し、九州宮崎から参戦の日高重貴/吉田賢吾組のスイフトスポーツが、全SSベストの快走を見せて優勝をさらった。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部