JG6クラスは今季3人目のウィナー 松本敏選手が2018年以来の勝利!

レポート ジムカーナ

2021年6月11日

全日本ジムカーナ選手権第4戦「ALL JAPAN GYMKHANA in 名阪 まほろば決戦」が、6月6~7日に奈良県の名阪スポーツランドCコースで開催された。

2021年JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦「ALL JAPAN GYMKHANA in 名阪 まほろば決戦」
開催日:2021年6月5~6日
開催地:名阪スポーツランドCコース(奈良県山添村)
主催:LAZY W.S

 今回の全日本ジムカーナ選手権の会場となる近隣の大阪府、京都府、兵庫県などで実施されている新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が6月20日まで延長された中、今大会はジムカーナ関係者全員による問診票の提出、走行時以外のマスクの着用、手指消毒のためのアルコール消毒液を随所に設置するほか、ギャラリーも事前受付により50名までに限定するなど、徹底した新型コロナウイルス感染予防策が施された。

 コースレイアウトには、名阪スポーツランドCコースにスラローム区間や島周り区間を含めた35本のパイロンを設置。270度や360度といったパイロンターンはないものの、このコースをホームコースとするベテランドライバーが「イン側やアウト側を規制するパイロンが設置されている場所が絶妙で、基本的に攻めがいのあるコーナーが多いけど、油断するとパイロンの餌食になってしまう。金曜日の練習日から日曜日の決勝第2ヒートまで、いろいろな攻め方を考えさせられた」というほど、ドライバーにとってチャレンジングなコースとなった。

 決勝前日の公開練習はドライコンディションだったが、決勝日の未明から小雨が降り、決勝第1ヒートはJG6クラスまでがウェットコンディション。第2ヒートは太陽が顔を出して路面温度も一気に上昇したため、クラスによっては第2ヒートの一発勝負の様相となった。

前半はテクニカルなパイロンセクション、後半にはコース外周を攻めるハイスピードセクションと、メリハリの利いたチャレンジングなコース設定となった。

 2戦を終えて開幕戦4位、第3戦2位の大坪伸貴選手がシリーズポイントのトップ、2戦連続3位の天満清選手が1点差で2番手、開幕戦ウィナーのユウ選手と第3戦ウィナーの西野洋平選手が4点差でランキング3番手という混沌とした状況のJG6クラスに、三人目のウィナーが誕生した。

 ドライ路面となり、ベストタイム更新ラッシュとなった第2ヒート。第1ヒートは6番手と出遅れていた松本敏選手が、「100点満点の走りができました。第1ヒートウェットから第2ヒートドライになるシミュレーションもしっかりできました」とベストタイムを更新。

 クラス最終走者の西野選手が中間タイムで松本選手を0.1秒上回ってくるものの、後半で遅れて0.261秒届かず2位。松本選手が2018年の名阪ラウンド以来となる今季初優勝を飾った。この優勝で松本選手はシリーズポイントでもトップに浮上。3戦連続3位となった天満選手が2点差でシリーズ2番手、天満選手から1点差で西野選手がシリーズ3番手というランキングとなった。

JG6クラスの表彰式。左から4位の梅村伸一郎選手、2位の西野洋平選手、1位の松本敏選手、3位の天満清選手、5位の野島孝宏選手、6位の山口克之選手。

 織田拓也選手が開幕2連勝を飾っているJG10クラスは、その織田選手が「名阪は地元なので迷いなく走れました」と、ウェットの第1ヒート、ドライの第2ヒートの両ヒートでベストタイムをマークする盤石の走りで開幕3連勝を達成。約2秒差でケイマンの角岡隆志選手、織田選手とダブルエントリーで挑んだ藤澤進選手が3位に入賞した。

 JG8クラスは、第2戦を制した箕輪雄介選手がドライ路面の第2ヒートで逆転を果たして2連勝。2位には「うまく走れたと思うけど、思ったよりタイムが伸びなかった」という川北忠選手が3戦連続の入賞、3位には「タイヤと路面がマッチしてました」という鰐部光二選手が入賞した。

 山野哲也選手と小俣洋平選手が同ポイントで迎えたJG7クラスは、「今回はクルマのセットアップもしっかり仕上がっていて、ウェット路面もドライ路面もほぼ同じセットで走ることができました」という山野選手が今季2勝目を獲得。2位には「第2ヒートは路面温度も上がり、僕のタイヤにもしっかりとマッチしてくれました」という河本晃一選手が入賞。3位には「最後まで試行錯誤が続いてしまった」という小俣選手が入賞した。

 若手ドライバーの奥井優介選手がベテラン勢の中で奮闘するJG5クラスは、第1ヒートでベテランの茅野成樹選手がベストタイムをマーク。一方、奥井選手はパイロンタッチのペナルティ5秒が加算されたが、タイム自体は茅野選手のタイムを上回っている。第2ヒートは、茅野選手が自らのベストタイムを更新し、今季2勝目を獲得。一方の奥井選手は茅野選手に0.217秒届かず3位止まり。2位にはランサーエボⅩで奮闘する石原昌行選手が2台のGRヤリスの間に割って入った。

 開幕戦もてぎと第3戦タカタで表彰台の顔ぶれが大きく入れ替わったJG4クラス。路面に濡れた部分が残った第1ヒートは島田昌典選手がベストタイムをマークするものの、「ドライ路面になるはずの第2ヒートに照準を合わせていました」という小武拓矢選手が第2ヒートで逆転。第3戦に続き2勝目を飾った。2位には小武選手の大学時代の先輩にあたる安井洋介選手が入賞。田中康一選手が3位に入賞し、このクラスは優勝の小武選手から5位の山越義昌選手までが0.507秒の間にひしめき合うという激戦区となった。

 JG3クラスは開幕2連勝の若林拳人選手がこのラウンドでもライバルを寄せ付けない強さをみせ、開幕3連勝を達成。若林選手と同年代の山本太郎選手が、全日本では自己最高位となる2位に入賞。ベテランの佐野光之選手が3位に入賞し、「若い人たちと競い合うのは本当に楽しい。次は負けませんよ(笑)」と語った。

 SC車両の広瀬献選手とSA車両の久保真吾選手が同ポイントで迎えたJG2クラス第4戦は、第1ヒートで1分18秒631というベストタイムをマークした広瀬選手がトップに立つ。負けじと久保選手が気を吐くも第1ヒートの1分20秒台止まりとなり、広瀬選手がそのまま逃げ切って優勝。今季2勝目を挙げるとともに、JG1クラスのベストタイムを凌駕してオーバーオールウィンを達成した。

 JG1クラスは開幕2連勝中の津川信次選手が、このラウンドでも両ヒートを制する強さをみせ開幕3連勝を達成。「天候や路面温度が第2ヒートでどう変わるかが読みづらかったので、第1ヒートでタイムを出すことを心掛けました。ブレーキもうまく詰めることができました。我ながらうまく走れたと思います(笑)」と津川選手。2位には「ドライ路面の第2ヒートで勝負だと思ったけど、予想以上に路面温度が上がった」という西原正樹選手、3位には「天候は読みどおりだったけど、第2ヒートは全体的にグリップが出ない路面だった」という菱井将文選手がそれぞれ入賞した。

JG10クラス優勝は織田拓也選手(リジットDLレイズeTスイフト)。
JG10クラスの表彰式。左から2位の角岡隆志選手、1位の織田選手、3位の藤澤進選手。
JG8クラス優勝は箕輪雄介選手(YHペトロナスEロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の小林規敏選手、2位の川北忠選手、1位の箕輪選手、3位の鰐部光二選手、5位の福田大輔選手、6位の志賀野浩選手。
JG7クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D 124)。
JG7クラスの表彰式。左から4位の仲川雅樹選手、2位の河本晃一選手、1位の山野選手、3位の小俣洋平選手、5位の工藤典史選手、6位の稲木亨選手。
JG5クラス優勝は茅野成樹選手(EXEDY☆SCTAヤリスDL)。
JG5クラスの表彰式。左から4位の朝山崇選手、2位の石原昌行選手、1位の茅野選手、3位の奥井優介選手、5位の上本昌彦選手。
JG4クラス優勝は小武拓矢選手(シンシアYHワコーズCRX艶々)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の合田尚司選手、2位の安井洋介選手、1位の小武選手、3位の田中康一選手、5位の山越義昌選手、6位の島田昌典選手。
JG3クラス優勝は若林拳人選手(YH若林自ITO速心インテグラ)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の佃真治選手、2位の山本太郎選手、1位の若林選手、3位の佐野光之選手、5位の高江淳選手、6位の榎本利弘選手。
JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。
JG2クラスの表彰式。左から4位の東毅選手、2位の久保真吾選手、1位の広瀬選手、3位の渡辺公選手、5位の藤井雅裕選手、6位の野原博司選手。
JG1クラス優勝は津川信次選手(DL☆itzz☆URGランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から4位の髙橋和浩選手、2位の西原正樹選手、1位の津川選手、3位の菱井将文選手、5位の飯坂忠司選手、6位の野中信宏選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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