四国地区戦徳島ラウンドは、田中康一シビックがオーバーオール・ウィンで開幕2連勝!

その他 ジムカーナ

2021年4月21日

四国地区のJAFジムカーナ地方選手権のシリーズ第2戦が4月11日、徳島カートランドで開催された。

2021年JAF四国ジムカーナ選手権第2戦
2021年JMRC全国オールスター選抜ジムカーナ第2戦
‘21TECテクニカルジムカーナ

開催日:2021年4月11日
開催場所:徳島カートランド(徳島県吉野川市)
主催: TEC

 今年のJAF四国ジムカーナ選手権は3月21日に愛媛県の瀬戸内海サーキットでシリーズの幕を開けた。今年は、この瀬戸内海と、同じく愛媛県にあるハイランドパークみかわ、高知県のモータランドたぢかわで2戦ずつが行われ、これに今回の徳島カートランドの一戦が加わる計7戦のシリーズとなる。

 徳島カートランドと瀬戸内海サーキットはミニサーキットだが、ハイランドパークみかわはフルパイロンコース。たぢかわはコースの両端に島があり、サーキット的な走行も楽しめるが、コース中央部は大きな広場となっており、そこでパイロンセクションが作られるという、ミックスコースだ。今年はシリーズの後半3戦が、みかわ、たぢかわ、みかわの順で控えているので、回が進むにつれ、パイロンワークの出来が大きく勝敗を左右するシリーズになると思われる。

 開幕戦はあいにくの雨模様の中での一戦となったが、今回は終日、快晴が続き、ドライ路面での勝負となった。コースレイアウトは、コースのほぼすべての部分を走り切り、幅広いスピードレンジでのテクニックを試される走り応えのある設定が用意されたが、スタート直後とゴール直前にはしっかりと低速のパイロンセクションも用意された。また特に注目されたのは、コース最上部に当たるギャラリー席前のエリアに270度ターンが設定されたこと。上り傾斜からパイロンターンに進入するという設定は全国的にも珍しく、徳島カートランドのジムカーナでも、あまり設定されたことがなかったため、今回の大きな勝負所となった。

 まずR1クラスは、昨年、シリーズ3勝を挙げてチャンピオンを獲得した福田和秀選手のシティが第1ヒートでライバルを大きく引き離すタイムをマークするも、パイロンタッチを取られて後退。トゥデイの土居明生選手が首位で折り返す。第2ヒートに入ると、第1ヒートはミスコースに沈んだ乃一智久選手のビートが、まず1分34秒883を叩き出して、土居選手の暫定ベストを塗り替える。しかし注目の福田選手は第2ヒートでも、痛恨のミスコースを喫して逆転は果たせず。ラストゼッケンの土居選手も1分35秒台のタイムに留まったため、乃一選手が今季初勝利を決めた。

 ビートをひたすら乗り続けて22年目のシーズンを迎えた乃一選手は、「オフの間にボディを作り直したら、今までとは違う、と実感できるほど剛性感が上がって、トラクションもかかるようになりました」と補強の成果に確かな手応えを感じた様子。「ただ、完成度の高い走りはできなかったですね。ポイントの270度はうまく回れましたが、スタート直後のパイロンはカウンター当ててますから。今回は深いターンの途中で舗装が違ってグリップが変わる所があったので、そこは注意しました。その辺は経験が生きた感じですね。でも今回は土居選手もミスしてるし、周りの方のミスに助けられての勝利なんで、今後はこんなにうまく行くはずはないと思ってます。何とか最後までいい勝負ができるように頑張りたいですね」と5戦を残すシーズンを見据えていた。

 続くR2クラスは、昨年のチャンピオンである土居清明選手のCR-Xが第1ヒートで順当にトップタイムをマーク。第2ヒートでも自らの暫定ベストを0.18秒詰めて逃げ切りかと思われたが、最終走者、EG6シビックを駆ったジュウガワ貴行選手が、中間タイムでは土居選手に0.4秒遅れたものの、後半区間で巻き返して逆転に成功。開幕2連勝を飾った。

 昨年まではSタイヤが履けるNS1クラスを戦っていたジュウガワ選手は、今年からラジアルタイヤ限定のR2クラスに移籍してきた一人。「1本目は全般的に突っ込みすぎてアンダーを出してしまいましたが、2本目はうまく修正できて、270度ターンもうまく合わせられたのが勝因だと思います。思ったよりグリップしてくれるし、スポーツラジアルも進化してますよね。この調子を続けることができれば、セッティングも、去年のままで行けそうです」と快心の逆転劇を振り返った。

 R1、R2クラス同様、ホンダ車2台がホットバトルを展開したNS1クラスも最後まで目が離せない展開になった。第1ヒートは昨年のチャンピオン、田中康一選手のEK9シビックが貫禄のベストを奪取するが、第2ヒートでは、昨年後半、調子を崩してタイトルを逸したDC2インテグラの窪田竜三選手が、田中選手の第1ヒートの中間タイムを1秒近くも凌ぐ走りを見せる。しかし窪田選手はゴール前のフルターンで痛恨のパイロンタッチ。ゴールタイムで田中選手を上回りながらも優勝は潰えた。

 第2ヒートではこの日の総合ベストとなる1分28秒595を叩き出して開幕2連勝を飾った田中選手だが、「ここはよく走っているコースですが、今日はなぜかグリップが足りない感じがあって、外周でもアタマが入らない感じがする箇所がありました」と路面の印象を振り返った。「なので結果的には、特にグリップの低い所で丁寧な走りを心がけたのが良かったと思います。それにいつになくハンドルが忙しいセクションがいくつかあって、しかもそこが路面のグリップが途中で変わる所だったので、見た目以上に難しい設定でした」と、一筋縄では行かないコースレイアウトを振り返っていた。

大会当日は検温、問診票の提出など新型コロナウイルス感染拡大防止のための対策が採られた。選手、オフィシャルはじめ当日の入場者にはマスク着用が徹底された。
R1クラスは、SUPER GT等ですっかりお馴染みとなったKEIHINカラーをイメージしたという、ブルーのビートを駆った乃一智久選手が優勝した。
R1クラス優勝の乃一選手。
R2クラスでは、今季からこのクラスに参戦するジュウガワ貴行選手が、第1ヒートの2位から逆転優勝を飾った。
R2クラス優勝のジュウガワ選手。
R3クラスは、今季初参戦となった昨年のシリーズ王者、仙波秀剛選手が2本ともベストを奪って快勝した。「オフに左足を怪我してしまって2か月ぶりにS2000に乗ったので、正直、怪我の影響が心配だったんですが、2本目はもう走りに集中して、怪我のことは忘れとったですね(笑)。今日は前半と後半でコースの性格がガラッと変わるので、その切り替えが難しかったですけど、特に後半は思い切り行けたと思います。とりあえず思っていたより、いつも通りに走れて結果も出せたので、良かったです」。
R3クラス優勝の仙波選手。
NS1クラスはディフェンディングチャンピオンの田中康一選手が開幕2連勝。昨年からの連勝記録を5に更新した。
今回も最多エントリーを数えたPNクラスは、全日本の一色健太郎選手がロードスターで参戦するなど、盛り上がった。優勝は全日本で優勝経験も持つ大ベテラン、徳永秀典選手で開幕2連勝を達成。こちらもタイトル防衛に向け、盤石の構えを見せた。「後半はクルマ的にライバルのロードスターに対して有利な区間だったので、タイトな設定だった前半をロスなく走れたのが勝因だと思います。最後のパイロンも問題なく行けましたけど、あそこはちょっと外れると舗装を改修していない所に入ってしまうので見極めが必要でした。270度は、BRZや86は突っ込み気味に入ってサイド引いて、遠慮気味にアクセル踏むのが大事だと思いますね。でも、ここは練習でも良く走ってるんですが、今までで一番、滑りました。そういう意味でも難しい一戦でしたね」。
PNクラス優勝の徳永選手。
R4クラスは参加2台となり、残念ながら選手権は不成立となったが、西原貴志選手のランサーが第1ヒートのタイムで逃げ切った。
CL2クラスは1台のみの出走となったが86を駆った森義則選手が完走を果たした。
徳島カートランドはジムカーナを始め、レーシングカート、ドリフト、ミイバイクと様々なカテゴリーの走行が可能。ナイター走行も行われている。
今回のスタート付近からコースを見る。スタート直後は下り勾配が続く。
コース最奥部のヘアピンコーナー側からコースを見る。大小の島を縫って多彩なコースレイアウトの設定が可能だ。
今回のコース図。アベレージスピードは高めの設定だが、要所要所にテクニカルなパイロンセクションが待ち受ける。

フォト&レポート/JAFスポーツ編集部

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