スーパーFJは宇高希選手が、ツーリングカーはHIROBON選手が、それぞれもてぎの地方選手権を制す!

レポート レース

2021年3月17日

東日本では2021シーズン最初のレースとなる「もてぎチャンピオンカップレース第1戦」が、3月7日にツインリンクもてぎで開催された。レース当日は青空の下、5クラスで激しいバトルが繰り広げられた。

JAF地方選手権もてぎ・菅生スーパーFJ選手権第1戦
JAF地方選手権もてぎ・菅生ツーリングカー選手権第1戦

開催日:2021年3月7日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:BSC、MOSC、株式会社モビリティランド

「2021 もてぎチャンピオンカップレース第1戦」
2021 N-ONE OWNER'S CUP Rd.1
もてぎスポーツ CIVIC
もてぎスポーツ VITA

開催日:2021年3月7日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:BSC、MOSC、株式会社モビリティランド

 今年から2シリーズが統合され、新たに「もてぎ・菅生シリーズ」となったスーパーFJ選手権。全6戦の初戦には12台がエントリーし、ルーキーやシリーズを改めたドライバーも多く、非常にフレッシュなラインアップとなっていた。

 予選はそんなルーキー同士の争いとなった。最後の計測で四倉悠聖選手を逆転し、ポールポジションを奪ったのは佐藤樹選手で、「序盤はタイヤが温まらなくてタイムが出なかったんですが、最後にうまくまとめられて良かったです」とコメント。3番手にはスポット参戦と語る宇高希選手がつけた。

 決勝ではスタート直後のシフトミスで四倉選手が遅れ、代わって佐藤選手に続いたのは宇高選手。1周目から攻めた宇高選手は、オープニングラップのうちにトップに浮上する。一方、いったんは4番手まで退いていた四倉選手が3番手に躍り出ると、その勢いで佐藤選手に襲いかかる。このふたりが激しくやり合い、何度も順位を入れ替える間に宇高選手が差を広げて、終盤には独走態勢に持ち込んでいった。

 最後は5秒差での勝利となった宇高選手は、「ここまで来るのに3年かかりました。前半は厳しかったんですが、後半は落ち着いて走れました」と、初めての優勝に大喜び。2位は佐藤選手ながら、「バトル中に自分の走りができなかった」と、最後は四倉選手を抑えても宇高選手に逃げられた悔しさの方が大きかったようだ。

トップチェッカーの宇高希選手は優勝を喜びつつも、オートポリスへの参戦に頭が切り替わっている様子。
スーパーFJ選手権の表彰式。左から2位の佐藤樹選手、1位の宇高選手、3位の四倉悠聖選手。
スーパーFJ・ジェントルマンクラス優勝の安藤弘人選手。

 FIT1.5チャレンジカップこと、もてぎ・菅生ツーリングカー選手権で初めてのポールを獲得したのは、「金曜日からメカニックが今まででいちばん乗りやすいクルマにしてくれて、私も完璧に乗れました。今、すごくテンション上がっています!」と語る松尾充晃選手。これに昨年の鈴鹿・岡山ツーリングカー選手権のチャンピオン、HIROBON選手が続いた。

 「予選より決勝の方が自信ある」と語っていたHIROBON選手がスタートを決めてトップに立つが、抜かれた松尾選手も食らいついて離れず。序盤はさらに相原誠司郎選手もバトルに加わったが、一度のシフトミスが命取りとなって、ふたりから離されてしまう。

 コンマ差でのバトルは10周すべてにおいて繰り広げられたものの、最後まで松尾選手を抑え切ってHIROBON選手が優勝。スタートが決まった後は「これで楽になるかなと思ったんだけど、意外にきつかった。東でもやっと勝てました。今年はこっちのシリーズを追いかけます」とHIROBON選手。一方、「スタートだけでした。さすがです」と、2位でも松尾選手は悔しそうだった。

昨年のもてぎでは苦しい戦いを強いられたHIROBON選手だが、2021年は幸先良く初戦で勝利を収めた。
ツーリングカー選手権の表彰式。左から2位の松尾充晃選手、1位のHIROBON選手、3位の相原誠司郎選手。

 今回もフルグリッドとなったN-ONE OWNER'S CUPは、菊田辰哉選手が2番手の真弓徳浩選手に1秒4もの差をつけてポールを獲得。その菊田選手は「練習から調子が良かったんですが、ちょっと攻め過ぎて四脱(走路外走行)してしまって。それでも最後にまた出せて良かったです。実質2シーズン目、ポールは初めて。決勝は落ち着いて行きます」と語る。

 決勝では「1周目の1コーナーだけドキドキしました」と語るも、1コーナーをトップでクリアすると、後はコーナーを通過するたび差を広げ、1周目だけで実に3秒のリードを奪う。すると、「ちょっと離れた後は安心して走れました。楽しかったです!」と、菊田選手はクルージングを楽しむまでとなっていた。優勝はもちろん初めて。逆に2番手争いが激しく、真弓選手と目出し帽選手が接近戦を繰り広げたが、逆転の機会は最後まで訪れなかった。

45台がひしめくN-ONE OWNER'S CUP。ポール・トゥ・ウィンで菊田辰哉選手が優勝を掴んだ。
N-ONE OWNER'S CUPの表彰式。左から2位の真弓徳浩選手、1位の菊田選手、3位の目出し帽選手。

 もてぎスポーツCIVICは、その圧倒的な強さゆえ「皇帝」とまで呼ばれる、関直之選手がポール。ワンアタックを決めて早々にピットに戻った直後に「走路外走行検証中」のテロップがモニターに記され、再度アタックする波乱はあったものの、結局ペナルティはなし。「ミッションの調子が悪くて、その確認っていうのもあったんですけどね。まぁ、3番手ぐらいから出た方が面白くなるとは、よく言われます(笑)」と関選手。

 決勝で関選手に続いたのは、予選3番手からひとつ順位を上げてきた林大輔選手。しばらく食らいついて離れなかったものの、スタート違反に対するペナルティでドライビングスルーを課せられると、もはや関選手を追いかける者は存在せず。「楽させてもらいました。後半は後ろ見ながら」とペースを抑えて走る余裕さえ見せていた。なお、関選手は新たな刺激を求め、今後は鈴鹿クラブマンレースのFFチャレンジに出場する予定という。

 林選手の後退後は、武田光司選手と貴島康博選手による2番手争いが激しくなり、決着は最終ラップまでもつれこむ。ヘアピンでインを刺した貴島選手が、そのままポジションをキープした。

もてぎチャンピオンカップの中でも歴史が古いレース、もてぎスポーツCIVICを制したのは関直之選手。
もてぎスポーツCIVICの表彰式。左から2位の貴島康博選手、1位の関選手、3位の武田光司選手。

 もてぎスポーツVITAでは、もてぎのレースは2年ぶりといういむらせいじ選手がポールポジションを獲得。2番手の佐藤考洋選手を2秒以上も引き離し、「前の週の鈴鹿からいい流れが来ています。決勝では楽させてもらおうかな」と必勝宣言まで飛び出した。

 決勝ではスタートも決めたいむら選手に佐藤選手が続いて1コーナーに飛び込むも、その後方では数台に接触が。一台も脱落することなく乗り切ったのは奇跡にも等しかった。これで予選5番手だったイシカワヨシオ選手が3番手に浮上する。

 1周で1秒3のリードを築いたいむら選手は、その後アクセルを緩めないどころか、中盤からはさらに踏み込んで最後は11秒差の圧勝に。「ミッションが渋くなっていたので、いたわってシフトアップしていたんですが、途中から『まぁ、いいか』と思ってペースをあげちゃいました。この後、ミッションを直して次のレースも完勝と行きたいです」と、いむら選手。続いて佐藤選手、イシカワ選手の順でゴール。イシカワ選手は初の表彰台獲得となった。

前週の鈴鹿クラブマンでは2位を獲得したいむらせいじ選手。迎えたもてぎでは見事優勝を決めた。
もてぎスポーツVITAの表彰式。左から2位の佐藤孝洋選手、1位のいむら選手、3位のイシカワヨシオ選手。

フォト/石原康 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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