2021 地方カート選手権開幕! 先陣を切った鈴鹿は26台による混戦!!

レポート カート

2021年3月17日

地方カート選手権の2021シリーズが3月14日、鈴鹿選手権シリーズ(FS-125部門)から開幕。卜部和久選手(TEAM EMATY)が独走で初優勝を飾った。

「2021 鈴鹿選手権シリーズ第1戦 KART RACE in SUZUKA」
2021年 JAF地方カート選手権FS-125/X30部門第1戦

開催日:2021年3月14日
開催地:鈴鹿サーキット国際南コース(三重県鈴鹿市)
主催:SMSC

 地方カート選手権の鈴鹿選手権シリーズは昨年に引き続き、三重県・鈴鹿サーキット国際南コースを舞台とするKART RACE in SUZUKAのFS-125/X30部門に、そのタイトルが懸けられる。KART RACE in SUZUKAのポイントランキングとは別に、地方選手権独自のポイント集計で年間ランキングを競い合うシリーズ戦だ。春の陽光に包まれた2021年の開幕戦は、出走26台の盛況ぶりとなった。

 10周の予選ヒートでは、ポールの鎌苅一希選手(Ash)がオープニングラップで順位を下げた一方で、3番グリッドの迫隆眞選手(ERS with SACCESS)がスタートを決めて先頭に立ち、そのままレースをリードしていく。

 終盤、そこに追い付いてきたのが卜部和久選手だ。6番グリッドからスタートで4番手に浮上した卜部選手は、着々とポジションを上げ、残り3周で迫選手のテールを捕捉。間を置かず迫選手をかわすと、最後は再逆転を狙う迫選手を0.047秒差で下してポールを獲得した。

 16周の決勝が始まると、ポジションキープで発進した卜部選手と迫選手がいきなり3番手以降を大きく引き離し、スタート直後からトップ争いを開始した。両者は接近状態でラップを重ねていったが、4周目に入ると迫選手が卜部選手から後れを取り始め、逆に3番手を走る浅見謙心選手(RL Astech)と迫選手の間隔が詰まってくる。

 レースが折り返し点を迎えると、トップの卜部選手のアドバンテージは1秒以上に拡大。一方、迫選手のテールには浅見選手が追い付いた。ところが12周目、この2番手争いがアクシデントへと発展して、迫選手はリタイアとなり、浅見選手も大きく順位を落とすことに。これで卜部選手のリードは、一気に約4秒へと広がった。

 完璧な独走状態となった卜部選手は、そのままマシンをチェッカーへと運んでフィニッシュ、歓喜の初優勝を果たした。加えてこれは15歳の卜部選手にとって、レース活動で初めての勝利だった。

 2位は序盤戦から単独走行を続けた加納康雅選手(TIGRE)。東拓志選手(NEXT-ONE Racing)が小川涼介選手(KC NAGAHARA)を逆転して3位フィニッシュを遂げた。

初優勝を遂げた卜部和久選手は「独走になってからは、とにかく自分の走りをしようと思っていました。車検場に帰ってきて、こうしてみんなが優勝を喜んでくれて、本当にチームに感謝です」と笑顔で語った。
FS-125/X30部門の表彰式。左から2位の加納康雅選手、1位の卜部選手、3位の東拓志選手。

 この日はKART RACE in SUZUKAとして、他に5つのクラスのレースが行われた。

 Senior MAXクラスの予選では、2020年シリーズチャンピオンの山口大耀選手(HRS JAPAN)が独走でトップゴールを果たしたのだが、山口選手にはスタート違反で1ポジション降格のペナルティが課され、決勝のポールは濱地陽夏人選手(PLORISSA M.S)のものとなった。

 16周の決勝では、山口選手が1周目にトップへ返り咲いたのだが、その真後ろに着けた濱地選手が6周目に山口選手を抜き返し、再び先頭に立った。それでも諦めずに濱地選手の後を追った山口選手は、10周目にトップ奪還に成功。ここから一気に濱地選手を突き放した山口選手が、ディフェンディングチャンピオンとしての初戦を勝利で飾った。

 2番手に後退した濱地選手には、8番グリッドからスタートした冨田蓮選手(Team EMATY)が迫り、残り4周の逆転で冨田選手が2位を獲得。濱地選手は3位フィニッシュとなった。

「チャンピオンとして臨む今回のレースにはプレッシャーがあったけれど、それに討ち勝った喜びが大きいです。大きな壁を乗り越えられたので、今後のレースは2年連続チャンピオンを目指します。」と山口大耀選手。
Senior MAXクラスの表彰式。左から2位の冨田蓮選手、1位の山口選手、3位の濱地陽夏人選手。

 MAX Mastersクラスでは、序盤からトップ争いを続けてきた2台が、チェッカーまで残り半周のヘアピンで接触。これでセカンドグループをリードしていた山﨑学選手(TQS★MYCARS)が一躍トップに立ち、ウィナーとなった。2位は山﨑学選手と接近戦を展開していた石原貴博選手(TMAUTO/IRS)。佐々木克行選手(バリバリバリ ヒストリー)が3位となった。

 大集団によるトップ争いが繰り広げられたSUPER SSクラスでは、先行するライバルたちのアクシデントにも助けられて、野嵜弘樹選手(モアコラージュ TQS)が優勝。6番グリッドの清川善文選手(ハラダカート with COB)が2位、8番グリッドの碓氷学選手(Ash)に入って表彰台に立った。

 この大会最多の36台が出走したYAMAHA SSクラスでは、決勝序盤からゴールまで蒲生尚弥選手(のりものクラブとネッツトヨタ兵庫)、久富圭選手(Club Labo)、MATSUSHITA MASAKI選手(T.オキツマツダ Powerd by LUCE)の3台による接近戦が繰り広げられ、久富選手がラスト3周の攻防を制して優勝。MATSUSHITA選手が2位、終盤までラップリーダーの座をキープしていた蒲生選手が3位という結果になった。

 カデットオープンクラスでは、激しい攻防の末に酒井龍太郎選手(ミツサダ PWG RACING)、小熊孝誠選手(Scuderia Trentotto)、金子准也選手(ラムレーシング)の3台がほぼ横一線でフィニッシュラインへとなだれ込み、2020ランキング16位から躍進の小熊選手がうれしい初優勝を獲得。0.005秒差で金子選手が2位、0.03秒差で酒井選手が3位という僅差の決着となった。

「最後まで諦めなかったから転がり込んできた優勝ですかね。(前のアクシデントを見て)僕も勉強になりました。まあ、ラッキーというヤツです(笑)」と山﨑学選手がMAX Mastersクラス初戦を制した。
MAX Mastersクラスの表彰式。左から2位の石原貴博選手、1位の山﨑学選手、3位の佐々木克行選手。
SUPER SSクラスは野嵜弘樹選手が勝利。「素直にうれしいです。一緒にトップ争いをしていたチームメイトが調子良かったので、その後ろに着いていって。最後はうまくまとまりました」と勝因を振り返った。
SUPER SSクラスの表彰式。左から2位の清川善文選手、1位の野嵜選手、3位の碓氷学選手。
蒲生選手をマークしていた久富圭選手は「ずっと後ろに着いていたけれどミスがなくて、どこで抜こうか迷っていました。でも、自分のペースが後半いいことは分かっていたので」と冷静に対処してYAMAHA SSクラス優勝を掴んだ。
YAMAHA SSクラスの表彰式。左から2位のMATSUSHIMA MASAKI選手、1位の久富選手、3位の蒲生尚弥選手。
「うれしいです。最終コーナーで勝負するしかないと思って、できるだけ早くアクセルを踏もうと頑張りました。次のレースも速く走れるように考えて、2連勝したいです」とガデットオープンクラスのレースを振り返った小熊孝誠選手。
カデットオープンクラスの表彰式。左から2位の金子准也選手、1位の小熊選手、3位の酒井龍太郎選手。

■2020鈴鹿選手権シリーズ表彰式代替セレモニー

3月14日、決勝レースが始まる前に「2020鈴鹿選手権シリーズ表彰式」の代替セレモニーが行われた。

2020鈴鹿選手権シリーズ・FS-125/X30クラスの受賞の皆さん。左から2位の津野熊凌大選手、1位の佐野雄城選手、3位は安藤哉翔選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・Senior MAXクラスの受賞者の皆さん。左から2位の冨田蓮選手、1位の山口大耀選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・Junior MAXクラスの受賞者の皆さん。左から2位の百瀬翔選手、1位の西田光來選手、3位の加藤大翔選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・ROK-SHIFTERクラスの受賞者の皆さん。左から2位の岩崎有矢斗選手、1位の水越健太選手、3位の堀尾風允選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・MAX Mastersクラスの受賞者の皆さん。左から2位の山本一平選手、1位の岸本慎介選手、3位の山﨑学選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・SUPER SSクラスの受賞者の皆さん。左から2位の野嵜弘樹選手、1位の金森洋平選手、3位の碓氷学選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・AVANTIクラスの受賞者の皆さん。左から2位の増田貴久選手、1位の小川昌悟選手、3位の石黒照幸選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・YAMAHA SSクラスの受賞者の皆さん。左から2位の松下昌揮選手、1位の高村宏弥選手、3位の鈴木浬選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・カデットオープンクラスの受賞者の皆さん。左から2位の秋枝璃空選手、1位の中井悠斗選手、3位の酒井龍太郎選手。
2020鈴鹿選手権シリーズ・エントラント賞は、トレンタクワトロ鈴鹿に贈られた。

フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部

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