北の大地のモータースポーツが今年もスノーラリーで幕開け!

レポート ラリー

2021年2月15日

1月31日、JAF北海道ラリー選手権の初戦が開催され、全国に先駆けて2021年のJAF地方選手権がスタートした。

2021年JAF北海道ラリー選手権 第1戦
2021年JMRC北海道TEINラリーシリーズ 第1戦
TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2021 joint cup 北海道シリーズ 第1戦
2021年北海道スノーチャレンジカップ 第2戦
北海道ブリザードラリー

開催日:2021年1月31日
開催場所:北海道
主催:AG.MSC北海道

 北海道のJAF地方ラリー選手権のウインターラリーは、ここ数年、ほぼ同じフォーマットで2戦行われるのが通例になっている。今回の開幕戦も、昨年のウインターラリーのスタイルをほぼ踏襲し、新千歳モーターランドで2本、林道で1本それぞれSSを用意するという3つのステージを舞台として競われた。

 ラリーはまずセクション1で新千歳のカートコース(0.80km)と、隣接するバイクコース(0.90km)に設定されたSSを走行。サービスを挟んだセクション2でも同様に1本ずつ走って再びサービスインする。最後のセクション3は林道SS(1.96km)をカートコースSSを挟んで2回走るという設定で、7本のSS、計8.12kmで勝敗を競った。

 新千歳の2本のSSは、隣接するコースとは言え、雪が降ると地の路面の違いなども影響し、グリップが微妙に異なってくるので、短距離とは言え、両コースとも最後まで気が抜けない。また林道SSもここ数年使われてきた林道とは別のNEWステージが設定されたため、勝負の行方はまったく予断を許さないものになりそうだった。

 RA-1クラスは波乱の幕開けとなった。何と優勝候補の松波克知/尼子祥一、藤澤和弘/岩淵亜子の両クルーがSS1でスタック。自力脱出が叶わなかったため、ともに5分という致命的なロスタイムを喫してしまう。このSSで2番手に15.4秒の大差をつけた山田健一/竹下紀子組が早くも俄然、優位に立った。

 山田組はその後のSS3では禁断のバックギアを使う場面もあったが、何とか乗り切り、林道SSでもベストタイムを奪うなどハイペースを最後まで維持。愛機のGRBインプレッサが仕様変更中のため、間に合わず、所属するセキネンラリーチームが所有するランサーを急遽ドライブすることになった山田選手だったが、最後まで首位の座を渡さず、逃げ切って幸先の良いスタートを切った。

 「今までCE系とCT系のランサーは乗ったことがあったんですが、今回乗ったCP系のランサーは初めてだったんですよ。ただ足回りが以前にランサーに乗っていた時に自分が使っていたのと同じものだったので、その意味では違和感なく乗れたので助かりました」と山田選手。「新千歳は路面がツルツルになるのは分かってましたが、それでもタイヤが効く所をレッキである程度見つけられたので、本番でもそこを外さなかったことが勝因ですね。それと、やはり1番ゼッケンで走れたというのも大きかったと思います」と、前年のシリーズチャンピオンの恩恵を活かした勝利となった。

 一方、RA-2クラスでは佐藤秀輝/松井浩二組のアルトが4WDの強みを生かしてSS1から大きくリードするが、最初の林道ステージとなったSS5でまさかのコースオフを喫して戦線離脱となってしまう。これで勝負の行方は残る3台の86によるバトルに移ったが、セクション1、2ともに3台の中ではベストタイムで上がった山田裕一/南出司組が、林道でも速さを見せてトップをキープ。最後のSS7もベストで締め括って優勝した。

 「リタイヤしないように慎重に走りました。冬のラリーというのは、そういうものですから(笑)。でも林道は新千歳ほどはツルツルじゃなかったので楽しめました」と振り返った山田選手は低ミュー路のラリーだけ参戦しているドライバー。「佐藤さんのリタイヤでトップに立ったのは何となく分かりましたけど、どれだけリードしているかは分からなかったので、最後まで同じテンションで走れたのが良かったと思います」と振り返った。

 RA-3クラスはストーリアを駆った岡直貴/仲田治夫組がSS1でベストを獲るが、カートコースのSS2では、デミオで昨年のラリー北海道で3位入賞を果たした松倉拓郎/猿川仁組が2番手を3秒差で下すベストをマークして首位に浮上する。松倉組はSS2の再走となるSS4でも再び5秒もぶっちぎるベストを叩き出してリードを広げ、セクション3も完全制覇。2WDながら総合でも2番手に入るタイムで優勝し、前年のチャンピオンの貫禄を見せた。

 「カートコースは得意なので、セッティングも、そこに照準を合わせてきました。ただその分、林道ではちょっと足回りが柔らかすぎるかなとも思いましたが、実際は凄く滑ったので丁度良かった感じですね。作戦通りにラリーをコントロールできたと思います」と松倉選手。今季も全日本のグラベル戦と、同じくグラベルで開催予定のJMRCオールスターラリーでの健闘を誓っていた。

1DAYラリーとなった今回は早朝、日の出前に参加確認とレッキ受付が行われた。新型コロナウイルス感染症予防対策として入場ゲート前で検温が行われた。
参加確認の受付も、ソーシャルディスタンスを確保してドライブスルー方式が採られた。
新千歳モーターランドへの入場は基本的には選手、関係者に限定されたが、観戦を希望する人は氏名と連絡先を申告することが求められた。
RA-1クラスは山田健一/竹下紀子組がコンスタントに好タイムをマークして快勝した。
RA-1クラス表彰の各クルー。
RA-2クラスでは、「滑るラリーだけ出る(笑)」という山田裕一選手と南出司選手のクルーが優勝。
RA-2クラス表彰の各クルー。
RA-3クラスでは松倉拓郎/猿川仁組が総合でも2番手に入る速さを見せて快勝した。
RA-3クラス表彰の各クルー。
ジュニアRA-1クラスでは馬場陽久/亀森隆志組が優勝。
坂本直毅/東郷純一組はジュニアRA-2クラスで優勝を果たした。
ジュニアRA-3クラスはヴィッツ・レーサーとしても知られる、みなぴよ/桐生清組が優勝した。
接戦となった北海道スノーチャレンジカップAWDクラスは伊藤貴弘/菊地紀秋組が3.2秒差で逃げ切った。
北海道スノーチャレンジカップAWDクラス表彰の各クルー。
北海道スノーチャレンジカップ2WDクラスは渡部康太/渡部麗組が優勝。
北海道スノーチャレンジカップ2WDクラス表彰の各クルー。

フォト/加藤和由 レポート/JAFスポーツ編集部

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