最終戦で2連勝の福住仁嶺選手がインタープロトシリーズ初王者に! KYOJO CUP第4戦は翁長実希選手が今季2勝目。三浦愛選手が初戴冠!

レポート レース

2021年2月15日

インタープロトシリーズPowered by KeePerプロフェッショナルの第4 大会が2021年1月30日に富士スピードウェイで開催され、第7~8戦とも福住仁嶺選手が優勝を飾り、2020 年のシリーズチャンピオンに輝いた。KYOJO CUP Supported by MUSEE PLATINUM第4戦では翁長実希選手が優勝。2位の三浦愛選手がシリーズチャンピオンを獲得した。

2020インタープロトシリーズ Powered by KeePer 第4大会/
2020 KYOJO CUP Supported by MUSEE PLATINUM第4戦

開催日:2021年1月31日(土)
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ(株)、FISCO-C

 新型コロナウイルス感染症の影響でスケジュールが変更となり、年をまたぐ形で最終戦が実施された2020インタープロトシリーズ。今大会2日前には積雪も確認された富士スピードウェイだが、当日は晴天に恵まれ、予選と決勝はドライコンディションで行われた。

 プロフェッショナル予選では上位8台がコースレコードを更新し、そのうちの7台が0.2秒以内にひしめく稀に見る接戦に。その中でトップタイムである1分43秒568を記録した佐々木大樹選手(Pastel Motorsport)。インタープロト初ポールポジションとなった。

 8周で行われた第7戦決勝レースでは、序盤から激しいトップ争いが展開された。スタート直後のTGRコーナーでロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)がトップに立つが、同じタイミングで2番手に浮上した福住仁嶺選手(キーパー号)がプレッシャーをかけていき、GRスープラコーナーでインに飛び込み逆転する。

 福住選手は、クインタレッリ選手と佐々木選手が接近戦のバトルを繰り広げている間に差を築いていき、6周目には1.7秒差となる。終盤になっても安定したペースを維持した福住選手はトップでチェッカーを受け、前回大会から続く連勝を3に伸ばした。

 2番手以下は最終ラップまで抜きつ抜かれつのバトルを展開し、ダンロップコーナーで一気にポジションを上げた坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が2位。3位には中山雄一選手(岡山トヨペット K-tunes)が入った。なお、最終大会は獲得ポイントが1.5倍となるため、この第7戦の結果で福住選手が2020年のシリーズチャンピオンを確定させた。

 第7戦の結果順でスタートした第8戦は、スタートでトップを守った福住選手の背後に坪井選手がつけ、序盤から接近戦のバトルが展開された。一方、後方では3番手争いをしていたクインタレッリが3周目のTGRコーナーでスピン。コース脇にストップしてしまったため、セーフティカーが導入された。

 この影響で、8周を消化する前に時間上限の15分を経過したため、7周でチェッカーフラッグが振られることになった。残り1周のところでセーフティカーが解除されると、トップ2台によるスプリントバトルが展開されたが、福住選手が0.8秒差で逃げ切りシーズン4連勝。2位は坪井選手、3位は中山選手と、表彰台は第7戦と同じ顔ぶれとなった。

 ちなみに、公式YouTubeチャンネルで配信した決勝ライブ中継では、スーパーGTでは中山選手とコンビを組む元F1ドライバーのヘイキ・コバライネン選手がYouTubeチャットに参加。チームメイトの応援コメントにファンも大いに盛り上がった。

 IPSと混走するCCS-Rは、松井孝允選手(NTP RACING NC CCS-R)と片岡龍也選手(NTP RACING PN CCS-R)との一騎打ちとなった。

 第7戦は松井選手が0.9秒差で逃げ切って優勝を飾ったが、第8戦では片岡選手がセーフティカー後の再スタートで松井選手に仕掛け、最後は2台がほとんど並んでチェッカーフラッグ。僅か0.004 秒差で松井選手が先着して2連勝をマークした。この結果、片岡選手のポイントを上回った松井選手がCCS-Rプロフェッショナルのチャンピオンに輝いた。

 インタープロト第7戦、第8戦の優勝ドライバー福住仁嶺選手のコメント。

 「一発の速さという意味では、今回は前回ほどの勢いはなかったです。正直、不安な状況で予選を迎えましたが、コンディションがうまくマッチしてくれて3番手で予選を終えることができました。チャンピオンを争っているクインタレッリ選手が2番手にいたので『2連勝されるとマズイな』と思って、ドキドキするレースではありましたが、スタート後に佐々木選手とクインタレッリ選手を抜くことができて、その後は落ち着いてレースができました」。

 「2レース目では坪井選手が相手になって、彼も速いことは分かっていたのでプレッシャーはありましたが、いいタイミングでセーフティカーが入ってくれたことで、その流れで2連勝することができました。今シーズンはどのサーキットでも調子が良く、開幕大会からずっと表彰台に上がることができました。クルマの仕上がりも良かったです。とにかくチームの皆さんに感謝したいです。やっぱり、どのカテゴリーにおいても優勝するというのは大事だと思います。僕も確実にステップアップして成長していっていると思うので、今後も常に自分を追い込んで頑張りたいです」。

シーズン後半4連勝を飾った福住仁嶺選手はシリーズチャンピオンを獲得。
インタープロトシリーズ第4(最終)大会プロフェッショナルの表彰台。
CCS-Rプロフェッショナルは松井孝允選手が僅差の連勝でタイトル獲得。

 今回は12名のドライバーが参戦したKYOJO CUP。予選と決勝は晴天に恵まれ、ドライコンディションで2020シーズンの最終戦が開催された。

 公式予選では、チャンピオンを争う三浦愛選手(LHG Racing YLT)と翁長実希選手(KeePer VITA)が2分を切るラップタイムを記録してポールポジション争いを展開。最終的には0.082秒差で三浦選手が競り勝ちポールポジションを獲得した。

 三浦選手は「アタック中にミスがあった」と納得のいかない表情だったものの、KYOJO CUPのチャンピオン獲得に向けて好ポジションを勝ち取った。

 12周で争われた決勝レースは、好スタートを決めた三浦選手がトップでTGRコーナーを通過。ただし、2番手の翁長選手もピタリと背後につける展開となった。1周目はトップを守り切った三浦選手だったが、2周目のADVANコーナーで痛恨のミス。直後のダンロップコーナーで翁長選手の先行を許してしまう。

 4周目のTGRコーナーで三浦選手がトップを奪い返すも、5周目のGRスープラコーナーで翁長選手が再逆転を果たすなど、抜きつ抜かれつの白熱したバトルが展開された。一時は3番手まで後退した三浦選手だが、すぐに2番手を取り戻して翁長選手を猛追した。

 しかし、最終的に順位が入れ替わることはなくレースはフィニッシュ。翁長選手が第1戦以来となる今季2勝目を飾った。2位には三浦選手、3位にはファステストラップを記録した第3戦ウィナー猪爪杏奈選手(Dr. DRY VITA)が入った。

 KYOJO CUP第4戦優勝ドライバー翁長実希選手のコメント。

 「チャンピオン争いに関しては三浦選手の順位次第というところもあったのですが、とにかく獲れるものは全部獲るつもりでいきました。予選は少し及ばずポールポジションを獲得できませんでしたが、決勝ではしっかりとトップでチェッカーを受けられました」。

 「次に向けて自信になったところ、課題になったところもあり、これからもっと強くなるためにも勉強になった1戦でした。三浦選手とのバトルは、ギリギリの中で戦えましたし、シーズンを通して一緒に戦えたことが自分の中ですごく糧になっています。もっともっと頑張らなきゃなと思いました」。

 最終戦の結果で、三浦選手が2020シーズンのKYOJO CUPシリーズチャンピオンを獲得。自身のレースキャリアの中でも初めてのタイトル獲得となった。

 KYOJO CUPシリーズの2020年チャンピオンドライバー三浦愛選手のコメント。

 「予選はポールポジションを獲得できたけどミスがありましたし、決勝では2周目にシフトミスで失速してしまい、翁長選手に抜かれてしまいました。あれがなければ単独で逃げて勝つことができたかも知れません。もう一度トップに立つことはできましたが、翁長選手のクルマも調子が良さそうでしたし……。“チャンピオン”というのをすごく意識していました。ここで無理をするより、最後しっかりとチェッカーを受けることを考えて、少し冷静になれたのかなと思います」。

 「今シーズン、私にとってはすごくプレッシャーのかかるシリーズでした。『全戦全勝』『勝って当たり前』という中で臨み、その開幕戦から勝てなかったというのが、すごく悔しかったんです。最終戦も勝って終わりたかったです。そのチャンスがあったのに勝てなくて終わってしまい、まだまだ自分の実力が足りていないと痛感したシーズンでした。でも、フォーミュラカーのレースでは得ることができなかった経験をたくさんできて、これからのドライバー人生において、間違いなく役に立つと思います。私にとってはカート時代を含めて初めてのチャンピオン獲得なので、嬉しいですね」。

四輪レースでも着実に成果を上げる翁長実希選手がKYOJO CUP今季2勝目。
インタープロト第4大会と併催されたKYOJO CUP第4戦(最終戦)の表彰台。
今季からKYOJO CUPに参戦した三浦愛選手が自身初のチャンピオンを獲得。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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