インタープロト第3大会は福住仁嶺選手がポール・トゥ・ウィンで2連勝! KYOJO CUP第3戦では猪爪杏奈選手が初勝利!

レポート レース

2020年12月1日

インタープロトシリーズpowered by KeePer プロフェッショナルの第3大会が11月23日に富士スピードウェイで開催され、第5~6戦とも福住仁嶺選手が優勝を飾った。併催のKYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM第3戦では猪爪杏奈選手が初優勝した。

2020インタープロトシリーズ Powered by KeePer 第3大会/
2020 KYOJO CUP Supported by MUSEE PLATINUM第3戦

開催日:2020年11月23日(祝)
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ(株)、FISCO-C

 7月末開催の鈴鹿サーキット大会から約3か月のインターバルがあいての開催となったインタープロトシリーズ(IPS)第3大会。再び富士スピードウェイに舞台を移し、祝日・月曜の1デイ大会として行われたが、開幕大会とは異なり今回は観客を動員しての開催(パドックへの一般入場は禁止)で、グランドスタンドを中心に熱心にレースを観戦するファンの姿が見られた。

 曇り空ではあるもののドライコンディションで行われたプロフェッショナル公式予選では、福住仁嶺選手(キーパー号)がセッション前半から速さを見せて1分44秒994のベストタイムを記録。前回の鈴鹿大会に続き2大会連続でポールポジションを獲得した。2番手には関口雄飛選手(人馬一体ドライビングアカデミー)、3番手には平川亮選手(NTP RACING IPS)がつけたが、上位3台が0.1秒にひしめく大接戦の予選となった。

 8周で行われた第5戦の決勝レースは、福住選手がトップでTGR コーナーを通過するが、関口選手が背後に食らい付いた他、4番手スタートだったロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)も3番手に加わって、序盤から3台が接近するトップ争いとなった。

 ただし、レース前半こそ追われる展開だった福住選手は、後半に入って関口選手とクインタレッリ選手が競り合う間に徐々にアドバンテージを広げ、最終的に1.1秒差でトップチェッカー。福住選手がIPS参戦2年目にして待望の初優勝を飾った。2位には関口選手、3位にはクインタレッリ選手が続いた。

5戦の結果によるグリッドでスタートした第6戦決勝レースも、序盤から福住選手と関口選手、クインタレッリ選手の3人が緊迫したバトルを展開したが、それぞれ追い抜きにかかるまでには至らず。前半は膠着状態が続いた。しかし、後半に入って福住選手が少しずつリードを広げていき、最終的に2.1秒の差をつけて2連勝を飾った。

 終盤は2番手争いが白熱したが、最後まで粘り強くポジションを守り切った関口選手が2位。このレースの4周目にファステストラップを刻んだクインタレッリ選手が3位と、終わってみれば第5戦と全く同じ表彰台の顔ぶれとなった。

 37号車キーパー号は、直前に行われたジェントルマンレースのIPSエキスパートクラスで2連勝しており、福住選手がプロフェッショナルでトップを飾ったことでダブル優勝を達成。ポイントランキングもトップを維持し、パルクフェルメでは笑顔を見せていた。

 IPSと混走する形で行われるCCS-R。プロフェッショナルはポールポジションを獲得した阪口良平選手(NTP RACING NN CCS-R)が第5戦、第6戦ともライバルに並びかける隙を与えない走りを披露。2戦連続でクラス・トップチェッカーを受けた。ジェントルマンは卜部治久選手(P.MU RACING CCS-R)が連勝した。

 第5戦と第6戦を制した優勝ドライバーの福住選手のコメント。

「インタープロトでの初優勝が2連勝ということで非常に良かったです。練習走行からの良い流れを崩さず、予選でポールを獲って一番前からスタートできたというのが今回の勝因だったのかなと思います。良いクルマを用意してくださったチームの皆さんのおかげで、勝つことができ感謝しています」。

「1レース目の序盤、タイヤの内圧が上がって来るまでは後ろから追い上げられましたが、周りが苦しくなり始めた時に自分のペースは悪くなかったので、引き離すことができました。最終戦は年を跨いで1月の開催ですが、また今回のようなレースができればと思っています。それまでに僕が参戦しているスーパーフォーミュラが3戦、スーパーGTも1戦残っています。今回の流れをうまく活用できるようにしたいですね。今日は今日で喜んで、明日からは次のレースに向けて切り替えていきたいなと思います」

第5戦と第6戦でともにポール・トゥ・ウィンを飾った福住仁嶺選手。
インタープロトシリーズ第3大会プロフェッショナルの表彰台。
IPSと混走するCCS-Rプロフェッショナルは阪口良平選手が2連勝。

 日本唯一の女性ドライバーのみで争われるレースシリーズとして発足し、2020年で4年目を迎えているKYOJO CUP。新たにスポーツ庁からのご後援をいただけることが決定し、今季のシリーズチャンピオンを獲得したドライバーには文部科学大臣賞が授与されることが、このレースウィークに発表された。

 富士スピードウェイでの開催は7月上旬の開幕大会以来だが、今回は予選と決勝がドライコンディションに恵まれ、観客を動員(パドックへの一般入場は禁止)してのレースということもあり、ファンの声援にも後押しされて、コース上では熱戦が繰り広げられた。

 13時10分から始まったKYOJO CUPの公式予選では、鈴鹿サーキットの第2大会で優勝してポイントリーダーに立つ三浦愛選手(LHG Racing YLT)が早々に2分00秒970を記録してトップに浮上したが、終盤になって猪爪杏奈(Dr. DRY VITA)選手が0.389秒上回り2分00秒581をマーク。自身初のポールポジションを勝ち取った。

 約2時間後に行われた決勝レースでは、ポールポジション獲得の勢いをそのままに、猪爪選手が好スタートを決めると、後続がバトルする間にリードを築いていった。レース後半には翁長実希選手(KeePer VITA)がトップ争いに加わるも、反則スタートのペナルティ未消化により失格となるハプニングもあったが、猪爪選手は終止冷静なドライビングを披露し、2番手を走る三浦選手に対して3.8秒のギャップを築いて最終ラップに突入した。

 これで勝利は確実かと思われた猪爪選手だったが、コース中盤でガス欠症状に見舞われてしまいペースダウン。三浦選手の影が迫り、ホームストレートでは1秒近くの差まで詰め寄られたが、何とかトップを守り切ってゴール。猪爪選手はKYOJO CUP参戦3レース目にして、嬉しい初優勝を飾った。

 2位には三浦選手が入り3戦連続の表彰台を獲得。3位には山本龍選手(おさきにどうぞ☆VITA)が入り、今季初の表彰台を獲得した。最終ラップは予期せぬペースダウンに見舞われたこともあり、不安な状態で最終コーナーを立ち上がったという猪爪選手だが、何とか優勝を手にすることができ、パルクフェルメでは安堵の表情を見せた。

 KYOJO CUP第3戦優勝ドライバー猪爪杏奈選手のコメント。

「優勝できて、本当に本当に嬉しいしホッとしています。絶対に勝てるとは思っていなかったですけど、バトルになった時は冷静な展開を心がけるようにしていましたし、逃げ切れるなら逃げ切ろうと思っていました。でも、決して余裕なレースというわけではなかったです」。

「実は、最終ラップにガス欠症状が出てて、止まりそうな状態でした。正直『終わったな……』と思いました。もし、あと1周あったらダメだったかもしれません。そういう意味でチェッカーフラッグを見た瞬間にはホッとしました。予選も決勝も三浦選手の前にいるということは、とても価値のあることだと思います。次回もそれを狙っていきたいですし、またイチから練習して、チームのみんなと一緒に良いクルマを作っていきたいです」。

ポールポジションスタートの猪爪杏奈選手がKYOJO CUP初優勝。
インタープロト第3大会と併催されたKYOJO CUP第3戦の表彰台。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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