富士スピードウェイでスーパーフォーミュラ合同テスト・ルーキーテスト開催。福住仁嶺が総合トップを獲得

レポート レース

2021年1月8日

2020シーズン最終戦直後の12月22~23日、スーパーフォーミュラの合同テスト・ルーキードライバーテストが富士スピードウェイで開催された。テスト初日のトップタイムは3度目の王者となった山本尚貴選手、2日間の総合トップは福住仁嶺選手が記録した。

2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権合同テスト・ルーキードライバーテスト
開催日:2020年12月22~23日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)

 今回の合同テスト・ルーキードライバーテストには18台、21名のドライバーが参加する予定だったが、関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)は最終戦で車両火災に見舞われた車両修復が間に合わずキャンセルとなった。また、B-MAX RACING TEAMから参加予定だった片山義章選手も都合により不参加、代わりに、最終戦に同チームからエントリーした松下信治選手がステアリングを握ることになった。

 注目を集めたのは、2020年チャンピオンの山本尚貴選手。週末までドライブしていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのマシンではなく、自身がスーパーフォーミュラデビューを飾ったTCS NAKAJIMA RACINGで64号車をドライブした。

 山本選手は、初日の午前中は1分20秒338でトップタイムをマーク。2番手には野尻智紀選手(TEAM MUGEN SF19)、3番手には、シーズン中に山本選手がドライブしていた5号車に乗った福住仁嶺選手がつけた。

 福住選手は初日午後のセッションでトップタイムを計測すると、2日目は午前、午後の両セッションでもタイムを縮めて総合トップのタイムを記録。終始5号車をドライブすることになり、シーズン中は山本選手を担当していたエンジニアと組んで参加したことで、得られたものは多かった様子だ。

 2日間を全体的に見てみると、トップタイムの福住選手や山本選手、野尻選手の他に大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING SF19)や松下選手らHONDA勢が上位を占めた。

 シーズン中はなかなか上位に食い込めなかったタチアナ・カルデロン選手(ThreeBond Drago CORSE SF19)も、初日午後のセッションでは6番手タイムを計測。彼女にとって富士スピードウェイは、3月のテストを含め、国内のサーキットでも一番走り込んでいるコース。最終戦を含めて連日走行ができたことで、予選で計測した自己ベストタイムを大きく更新してみせた。彼女の来シーズンの体制は決まっていないものの、2シーズン目に大きく期待が膨らむテストとなった。

 2020シーズンの全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)でシリーズチャンピオンに輝いた宮田莉朋選手は、その賞典としてTOM’Sからスーパーフォーミュラの合同テスト・ルーキードライバーテストに参加。200周以上という周回数を走り込み、総合8番手という結果を残した。

 SFLでは宮田選手とチャンピオンを争った阪口晴南選手はINGING MOTORSPORTからテストに参加した。今シーズン限りでスーパーフォーミュラを卒業すると発表した石浦宏明選手のマシンで、総合7番手のタイムを記録した。

 初日のセッション序盤で2度の赤旗が提示されたものの、2日間を通して大きなトラブルはなし。2020年シーズンが終わって間もないタイミングでの慌ただしいテストとなったが、各チームともすでに2021年シーズンを見据えて精力的に走行を重ね、無事に2020シーズンのすべてのスケジュールを終えることとなった。

山本尚貴選手の5号車をドライブして総合トップタイムをマークした福住仁嶺選手。
新チャンピオン山本選手はTCS NAKAJIMA RACINGの64号車に乗車するサプライズ。
2020年は石浦宏明選手が乗車した38号車で総合7番手タイムを叩き出した阪口晴南選手。
SFLチャンピオン宮田莉朋選手はTOM'Sからテストに参加。総合8番手タイムを計測。

フォト/小笠原貴士 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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