レーシングカート

  • Twitter
  • Facebook
2020-12-22
東西統一競技会で決着! 各部門でチャンピオンが確定!!

 

全日本カート選手権の2020シリーズを締めくくる東西統一競技会が鈴鹿サーキット国際南コースで行われ、FS-125部門では山越ヒユウ選手(Formula Blue ガレージC)が今季2勝目を獲得。FP-3部門では鈴木浬選手(teamWINDY)が2度目のスポット参戦で優勝を飾り、中村仁選手(Formula Blue TKC)がチャンピオンとなった。

 

2020年JAF全日本カート選手権FS-125部門/FP-3部門 東西統一競技会
2020年JAFジュニアカート選手権FP-Jr部門/FP-Jr Cadets部門 東西統一競技会

開催日:2020年12月12~13日
開催地:鈴鹿サーキット国際南コース(三重県鈴鹿市)
主催:株式会社モビリティランド、SMSC

 

 

 第1戦から第5戦までを西地域と東地域に分かれて戦ってきたFS-125部門/FP-3部門の選手たちが、シリーズの締めくくりとしてひとつのサーキットに集って勝利を競い合う東西統一競技会。決勝では通常の1.5倍のシリーズポイントが得られるため、年間ランキングにも大きな影響を及ぼす一戦だ。

 

 さらに今回、FP-3部門とジュニア選手権の2部門にはJAFカートカップが懸けられ、1~3位に入賞した選手たちにカップが贈呈されることとなった。

 

東西それぞれの地域で選手権を戦ってきた選手たちが一同に介する“東西統一競技会”。シリーズの集大成ともいうべき一戦が鈴鹿サーキット国際南コースで開催された。

 

カート競技の発展や普及を目的として開催されるカート競技にタイトルが与えられるJAFカップ。東西統一競技会ではFP-3部門、FP-Jr部門、FP-Jr Cadets部門の1~3位に授与されることに。

 

FP-Jr Cadetsに参戦するチームのサポートのために来場した関口雄飛選手。厳しくも暖かい目で見守りながら、選手にアドバイスを送っている姿が印象的だった。

 

 

 最高峰たるOK部門のひとつ下に位置するFS-125部門には、両地域から41名もの選手が参戦してきた。コースの最大出走台数をオーバーしたため、予選は2グループに分けて実施され、予選総合29位以下によるセカンドチャンスヒート(敗者復活戦)も行われる。決勝はフルグリッド34台での戦いだ。

 

 そのFS-125部門では、決勝の前に大きな波乱があった。西地域で5戦全勝を果たして東西統一競技会を待たず新チャンピオン就任を確定させた津野熊凌大選手(Scuderia Sfida)が、予選Aグループでの追い上げ中に接触の影響からタイヤのエア漏れに見舞われ、リタイアに。出走13台の最後尾からスタートしたセカンドチャンスヒートでも9位に止まり、予選不通過となってしまったのだ。

 

 新王者のいない決勝でポールに着いたのは佐野雄城選手(BirelART RAGNO Racing)。しかし、佐野選手は22周の戦いのオープニングラップにコースアウトを喫し、20番手近辺まで後退してしまった。

 

 代わって先頭に立ったのは、2番グリッドの山越選手だ。トップ争いの大集団を先導しながら周回を重ねた山越選手は、終盤戦に入ると背後にギャップを築き、最後は独走でチェッカーをくぐった。東地域の開幕戦でデビューウィンを飾って以降、思うような結果を残せないレースが続いていたルーキーが大一番で復活、快勝でシリーズを締めくくった。これで山越選手はランキングも2位に浮上だ。

 

 山越選手の後方では大集団のバトルが繰り広げられ、最後は10台近くのマシンがひと塊となってフィニッシュラインになだれ込んだ。2番手でゴールしたのは小林利徠斗選手(Formula Blue SRJ!)。だが、小林選手には走路妨害のペナルティが課され、2位は1周目の後退から逆襲を続けてきた佐野選手のものに。鈴木斗輝哉選手(K.SPEED WIN)が3位となって表彰台の最後の一席を手に入れた。

 

東西の猛者たちが入り混じるフルグリッドのレースを制した山越ヒユウ選手。開幕戦以来の優勝となった。

 

「決勝ではスタートダッシュを決められたのはよかったけれど、他に速い選手もいるし、抜かれてもいいってくらいの気持ちで走っていたら、ああいう展開(独走)になりました。うれしい限りです。今年は成長の年になったと思います」と山越選手。

 

FS-125部門の表彰式。左から暫定2位の小林利徠斗選手はペナルティで降格、1位の山越選手、2位の佐野雄城選手。3位は鈴木斗輝哉選手となった。

 

西地域5戦全勝でチャンピオンが確定していた津野熊凌大選手は東西統一競技会での優勝を狙っていたが、まさかの予選不通過に終わった。

 

 

 FP-3部門も盛況、コースの最大出走台数ちょうどの34台が出走した。ここにチャンピオン獲得の権利を持って挑むのは、中村選手、角陽向選手(FLAX motor sports)、森岡泉美選手(Formula Blue Ash)、竹本優月輝選手(TAKAGI PLANNING)、坂上真海選手(TAKAGI PLANNING)の5名だ。森岡選手と坂上選手には、全日本史上初の女性チャンピオン誕生の期待もかかっていた。

 

 予選では15番手ゴールの竹本選手と、1周目のスピンで24番手となった坂上選手が、タイトル戦線から脱落。また、森岡選手も大会前日の練習走行で他車から脱落したタイヤの直撃を受けたことに始まり、予選では多重アクシデントに巻き込まれ、決勝ではローリング中にトラブルでストップと、魔物に取り憑かれたかのようなレースになってしまった。

 

 22周の決勝では、西地域第2戦以来2度目の参戦となる14歳の鈴木選手が、セカンドグリッドからのスタートでトップに立ち、序盤からリードを広げて独走のまま初優勝。重量チェックを無事に終えた鈴木選手は、ヘルメットを被ったままマシンに頭をもたせかけ、感激に肩を震わせた。

 

 5台が一列となったセカンドグループでは、中村選手が終盤に箭内優樹選手(TEAM WOLF&後藤エンジン)をパスして群れを抜け出し、2位フィニッシュでチャンピオン確定を果たした。3位ゴールで逆転タイトルならずの角選手は、悔し涙の表彰台となった。

 

こちらもフルグリッドで大混戦となったFP-3部門。並みいるチャンピオン候補を抑えてスポット参戦の鈴木浬選手が優勝。

 

レース終了後は暫定表彰式が始まるまで、感極まってヘルメット姿のまま涙をこぼした鈴木選手。全日本選手権初制覇に喜んだ。

 

FP-3部門の表彰式。左から2位の中村仁選手、1位の鈴木選手、3位の角陽向選手。

 

チャンピオンを確定させた中村選手。「事前にポイント計算をしていたので、あのまま(2位で)乗り切ればチャンピオンは獲れるなと考えていました。もちろん優勝はしたかったのですが、途中でペースが苦しくなってきて…。ゴールした瞬間は安心しました」と安堵の表情で語った。

 

 

 同時開催されたジュニアカート選手権の東西統一競技会。6名のチャンピオン候補が出場したFP-Jr部門では、ともに勝てば戴冠の五十嵐文太郎(チーム エッフェガーラ)と落合蓮音選手(Ash with Hojust)、そして西地域開幕戦以来の参戦となった加納康雅選手(のりものクラブJr)の3台がトップ争いを繰り広げた。

 

 だがラスト4周、五十嵐選手と落合選手が横並びで競り合った末にコースアウト。これでチャンピオン候補の熱海瑛達選手(ガレージC)が順位を上げ、さらに残り2周で加納選手を逆転、今季2勝目を遂げた。五十嵐選手は最終ラップの戦いでスピン、諏訪百翔選手(レーシングチームあかつき with チャンネル700)が2番手、加納選手が3番手でゴールし、落合選手は4番手でチェッカーを受けた。これで熱海選手がランキング6位からの逆転チャンピオン獲得かと思われたのだが……。

 

 ピットレーンに戻ってきた諏訪選手と加納選手にはフロントフェアリング・ペナルティの判定が下り、替わって落合選手が2位、村田悠磨選手(SPS川口)が3位となった。この繰り上がりで落合選手は有効得点も上がり、125点に。一方の熱海選手は124.5点。最後のどんでん返しで、チャンピオンの栄冠は落合選手の頭上に輝いた。

 

トップ集団で粘りの走りでポジションをキープした熱海瑛達選手が、最終ラップにヘアピンでトップに立ち、逃げ切り優勝。

 

「この大会はかなり気合いが入っていて、勝ちたかった大会でした。中盤、4番手に下がって先頭集団に引き離された時は、正直なところヤバいと思いました。でも、そこで1回叫んで気合を入れて、ものすごくプッシュしました」と今シーズン2勝目を挙げた熱海選手。

 

FP-Jr部門の表彰式。左から2位の落合蓮音選手、1位の熱海選手、3位の村田悠磨選手。

 

わずか0.5ポイント差で落合選手がシリーズタイトルを確定。「(終盤にコースアウトして)これはもうダメだなって思いながらも最後まで諦めなかったら、最終コーナーで奇跡が起きてくれて……、チャンピオンになれたんだと思います。とても嬉しいです」。

 

 

 FP-Jr Cadets部門の決勝は、4台が一丸となって勝利を競い合う展開となった。最終ラップまでもつれる熱い戦いを制して4勝目を挙げたのは酒井龍太郎選手(ミツサダ PWG RACING)。2位に吉岩泰選手(ミツサダ PWG RACING)が入り、チームメイトのふたりが2戦続けて1-2フィニッシュを飾った。

 

 そのすぐ後ろでガッツポーズを披露しながら3位のチェッカーを受けたのが、ポイントリーダーとしてこの一戦に臨んだ金子准也選手(ラムレーシング)。2020年の同部門に出場した延べ31名のうち、ただひとり6戦すべてでポイントを獲得した金子選手が、チャンピオン獲得の名乗りを上げた瞬間だった。

 

ファイナルラップに抜け出してトップでチェッカーを受けた酒井龍太郎選手。ゴールの瞬間は右手を力強く握りしめてガッツポーズ。

 

「チャンピオンにはなれなかったけれど、目標どおり優勝できてうれしいです。今年は……100点です。来年も、今年のように100点の年にして、チャンピオンを獲って、エンジントラブルがあっても勝てるようになりたいです」と涙ながらに語った酒井選手。

 

FP-Jr Cadets部門の表彰式。左から2位の吉岩泰選手、1位の酒井選手、3位の金子准也選手。

 

「思った以上に入れ替わりが激しく、バトルが多い大変な最終戦でした。地域戦では参加台数が少なかったけど、東西統一競技会は台数も多くて、その中でチャンピオンが確定したのはうれしいです。来年はMiniMaxの方で世界大会に出れるように頑張りたいです」と金子選手。

 

最後は2020年のチャンピオンが勢揃い。左からFP-Jr Cadets部門の金子選手、FP-Jr部門の落合選手、FP-3部門の中村選手、FS-125部門の津野熊選手、OK部門の渡会選手。

 

 

フォト/遠藤樹弥、小竹充、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部