紅葉の京都コスモスパークで、JAF近畿ダートラ地区戦最終戦が開催

レポート ダートトライアル

2020年12月9日

計4戦が組まれて2020年のシリーズが成立する運びとなったJAF近畿ダートトライアル選手権の、今季の最終戦が主戦場である京都コスモスパークで開催された。

2020年JAF近畿ダートトライアル選手権第6戦
2020年JMRC近畿ダートトライアルチャンピオンシリーズ第6戦
2020年JMRC全国オールスターダートトライアル選抜第6戦
2020年JMRC近畿ダートトライアルジュニアシリーズ第6戦
FLEET ダートトライアル2020in京都

開催場所:京都コスモスパーク(京都府京都市)
開催日:2020年11月22日
主催:TEAM FLEET

 今年の近畿地区のダートトライアルは全7戦が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止が相次ぎ、最終的には4戦がシリーズ戦として開催されることとなった。事実上の最終戦となる今回の第6戦は、シリーズのメイン会場である京都コスモスパークで11月22日に開催された。やはり今年は開催数が全国的に少なかったためか、今回は中部地区や関東地区からの遠征もあり、通常より多い87台のエントリーが集まった。

 JAF近畿ダートトライアル選手権対象クラスのAE・PNクラスは、田中淳平選手と坂本英彦選手がチャンピオン候補だが、中部から遠征してきた全日本の本道治成選手が第1ヒートを制することに。坂本選手がチャンピオンになるには優勝しかないため、2番手タイムを出していたものの、早くも本人はやや諦めムードだ。第2ヒートでも本道選手はさらにタイムを上げ、坂本選手も同様にタイムを上げるが、約2秒届かず、優勝は果たせず。ラストゼッケンの田中選手も1秒届かず、本道選手が優勝。坂本選手を抜いて2位に入った田中選手がチャンピオンを確定させた。

「今年は出続けたからチャンピオンが獲れた感じです。優勝がありませんでしたから。でも坂本選手には今年勝てていなかったところを、最後に勝てたので、自信をつけて来年に臨めると思います」と田中選手は笑顔を見せた。優勝の本道選手は、「今年、ここで開催され全日本の開幕戦でうまく走れなかった所の攻略法を考えて走ってみたら、うまく行きました。これで来年の全日本が楽しみです」と、してやったりの表情だった。

 RWDクラスはすでにチャンピオンが確定しており、本人が不参加だったため、全日本選手同士の争いとなり、中部の斎藤道夫選手が逆転で優勝。「1本目の失敗した所を反省して走ったのが良かったと思います」と勝因を語った。2位は同じ中部の崎山晶選手。「ギャラリーコーナーでシフトミスした分、追い付けなかった」と、こちらは無念の表情を見せた。

 N1クラスは第2ヒートで執行信児選手が逆転を果たして優勝したものの、一宮頼人選手が2位に入ったため、チャンピオンは一宮選手の下に転がり込んだ。しかし本人は、「4年連続チャンピオンですが、今日は反省の多い走りでした。タイヤの使い方を間違えてしまいました」と、ドライタイヤでの走りは納得が行かなかった様子。優勝の執行選手は、「コスモスで一宮選手に勝てたことがなかったので、嬉しいです。得意のウエットタイヤで踏んで行けたのが良かったです」と勝因を語った。

 S1クラスは真砂徳亮選手がすでにチャンピオンを確定しているが、今回は全日本選手のエントリーがあり、挑戦者として臨む一戦となった。結果は山崎迅人選手が優勝し、2位には則信重雄選手が入賞と全日本勢の壁はやはり厚く、真砂選手は3位に終わった。「全日本選手の異次元の走りにやられましたが、近畿チャンプの貫禄は見せられたかな」と、真砂選手は苦笑交じりでコメントした。

 優勝の山崎選手は、「今年は全日本で良くなかったので、最後に勝て良かったてす。九州ラウンドで負けた井之上選手にも今日はリベンジできたので、気持ちよく終われました」と喜んでいた。2位の則信選手は、「1本目でブレーキホースのトラブルが出てしまったのですが、2本目で挽回できて良かったです」とこちらも納得の表情を見せていた。

 S2クラスは、こちらも全日本選手の矢本裕之選手と、藤本隆選手がチャンピオン候補。矢本選手の方が全日本戦に出場した関係で、1戦少ないため不利な状況だったが、第1ヒートから気迫溢れる走りでベストタイムを叩き出す。第2ヒートはさらにタイムを上げて、ベストタイムを更新してみせた。

 そのタイムを聞いて走った藤本選手だったが、1秒及ばず2位に。それでもチャンピオン確定に、「何とか獲れましたね。少し失敗したけれど、2番に入れて良かったです」と、12年振りのチャンピオン返り咲きを喜んでいた。優勝の矢本選手は、「チャンピオンの可能性は低かったけれど、チャンスはあったので、ギャラリーコーナーは全開で抜けて、勝負に徹した走りをしました。95点かな。もう少しタイムは上がるかなと思ったんですけどね…」と複雑な表情を見せていた。

 Dクラスは小川浩幸選手と金井宏文選手の一騎打ちとなったが、第2ヒートでの金井選手のミスが勝負の分かれ目となり、小川選手が優勝を決め、タイトルを確定。「1本目のデータロガーでの解析を見せてもらって、失敗した所を2本目に修正できたのが良かったですね」と快心の走りに笑顔を見せた。2位に敗れた金井選手は、「ギヤの選択ミスが、もったいなかった。追いつめる所まで来ていたのに。来年こそ、リベンジです」と早くも新たな闘志を燃やしていた。

 ジュニアシリーズとなるJ1クラスは、シリーズトップを走る増田拓己選手が今季3勝目をゲットし、チャンピオンに。「「1本目でブレーキが余った所がたくさんあったので、そこを修正できたのが良かったです」と勝因を振り返った。2位に入ったのは北野匡佑選手。勝てばチャンピオンだったが、シリーズも2位に終わった。

 J2クラスはすでにチャンピオンを確定させている中村清二選手が走りに精彩を欠いたこともあって、関東から遠征の西ノ谷駿斗選手が優勝。「1本目に軽く土手に乗り上げたので、2本目は、そこだけは気を付けて走りました。コスモスは初めて走りましたが、地元の丸和に似てるな、って何となく感じてました」と、初めてのコースを違和感なく走れたことを勝因に挙げていた。

ドライバーズミーティングでもソーシャルディスタンスが励行されるなど、感染防止対策が随所で採られた。
参加13台と激戦区となったAE・PN クラスは全日本の本道治成選手が貫録勝ちを見せた。
AE・PN クラス表彰の各選手。
中部勢によるトップ争いとなったRWD クラスは齊藤道夫選手が優勝。
RWD クラス表彰の各選手。
N1 クラスは執行信児選手が逆転で優勝をさらった。
N1 クラス表彰の各選手。
ブーンX4がワンツーフィニッシュを決めたN2クラスは木村剛士選手が優勝。
N2クラス表彰の各選手。
全日本のトップドライバーが覇を競ったS1クラスは山崎迅人選手が優勝。
S1クラス表彰の各選手。
S2クラスでは全日本のランエボマイスターである矢本裕之選手が順当に勝利を収めた。
S2クラス表彰の各選手。
Dクラスは第2ヒートでライバルを振り切った小川浩幸選手が優勝。
Dクラス表彰の各選手。
J1クラスは第2ヒートでスーパーベストを叩き出した増田拓己選手が優勝。
J1クラス表彰の各選手。
J2クラスは関東から遠征してきた西ノ谷駿斗選手が初走行のコスモスを制した。
J2クラス表彰の各選手。
オープンクラスでは星住祐弥選手が第1ヒートのミスコースを挽回して逆転優勝。
オープンクラス表彰の各選手。
クローズドクラスはインテグラを駆った玉川雄太郎選手が優勝した。

フォト&レポート/山口貴利

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