角田裕毅選手がバーレーンのレース1を制覇! FIA-F2最終戦で2020年ランキング3位を獲得!!

レポート レース

2020年12月7日

久々の日本人F1パイロット誕生への期待が高まる現在。FIAフォーミュラ2選手権(FIA-F2)最終戦では、角田裕毅選手がレース1を優勝、レース2では2位を獲得。最終的にはランキング3位に浮上したことで、高まる期待が現実のものとなる日が、より近付いてきた。

2020年FIAフォーミュラ2選手権第12戦サクヒール(バーレーン2)
2020 FIA Formula2 Championship Round 12 Sakhir(Bahrain 2)

開催日:2020年12月4~6日
開催地:バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン王国)

 2020年FIAフォーミュラ2選手権(FIA-F2)もついに最終ラウンドを迎え、12月4~6日、バーレーン・インター・ナショナルサーキットで第12戦「バーレーン2」が開催された。

 日本人ドライバーの角田裕毅選手は、土曜のレース1(フィーチャーレース)でポール・トゥ・ウインを達成してシーズン3勝目、日曜のレース2(スプリントレース)でも8番グリッドから2位入賞を果たし、2020年のFIA-F2をランキング3位でフィニッシュした。

 8月の第5戦「イギリス2」のレース2で初優勝を獲得した角田選手は、第7戦「ベルギー」のレース1で2勝目を獲得するなど、ルーキーイヤーながら光る活躍を見せていた。しかし、11月28日~11月29日に行われた第11戦「バーレーン1」では、レース1を6位で終え、レース2では他車との接触でパンクを喫し、15位に低迷するなど苦戦の展開。ポイントランキングでも5位に後退していた。

 そして、翌週の第12戦「バーレーン2」では復調を果たし、4日(金)の予選では今季4度目のポールポジションを獲得。レース1ではスタートで3番手に後退したものの、レース終盤で逆転に成功。「スタートでインを空けてしまったのはミスですが、それ以降はタイヤマネジメントのメリハリをつけてレースができ、優勝できたので満足です」と語るように、角田選手がポール・トゥ・ウインで今季3勝目を獲得した。

 レース2ではリバースグリッドにより8番手グリッドからスタートとなったが、角田選手はここでも素晴らしいパフォーマンスを披露。オープニングラップで12番手まで後退してしまうものの、タイヤを温存していた角田選手は終盤で猛追を披露した。

「スタートは良かったんですけど、1コーナーから4コーナーにかけてのポジションが悪く、順位を落としてしましました。それでもタイヤマネジメントに自信があったので序盤は抑えてタイヤを温存し、後半にペースを上げるつもりでしたが、それがうまくいって最後は2位に上がれたので良かったです」と語るように2位入賞を果たし、最終戦でも表彰台を獲得した。

 この結果、角田選手はシーズン合計で200ポイントを獲得。デビューイヤーとなった2020年を、ランキング2位のカラム・アイロット選手と僅か1ポイント差のランキング3位で締めくくることになり、2020年「ピレリ・トロフィー」とルーキー・オブ・ザ・イヤーにあたる「アントワーヌ・ユベール・アワード」を獲得した。

 そして、角田選手は、来年度のF1参戦に向けてまた一歩前進することになった。

 角田選手は、11月にスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのF1マシンで300kmの走行テストを行っており、F1乗車に必要なスーパーライセンスの発給条件の一つである「申請に先立つ180日以内に申請者が相当とするフォーミュラワンの車両で、最低300kmをレーシングスピードで最大2日間の間に走行していること」をクリアしていた。

 これに続いて、このたび2020年FIA-F2でランキング3位を獲得したことから、スーパーライセンスポイントについても「新整備直前の3カレンダー年間、あるいは申請の年に完了した選手権で累積したポイントに加えて申請日直前の2カレンダー年間に、少なくとも40ポイントを累積する」という条件をクリアすることになりそうだ。

「アップダウンの激しいシーズンでしたが、ミスをしたことで成長できたところもありました。最後にいい形のレースができて、結果としてランキング3位となり、目標であるスーパーライセンスの条件をクリアできたことはとても嬉しいです」とは角田選手。久々となる日本人F1レギュラーパイロット誕生への期待は高まる一方だ。

第12戦バーレーン2の決勝レース1をポールポジションからスタートした角田裕毅選手。スタートでは後退したものの、終盤で逆転に成功。FIA-F2における自身3勝目を挙げた。
第12戦バーレーン2の決勝レース2は8番グリッドから12番手まで落ちるもののレース終盤までに追い上げて2020年FIA-F2最終戦の最終レースを2位表彰台獲得で締めくくった。
最終戦の結果により今季のFIA-F2ランキングは3位に浮上。スーパーライセンスポイントは1位~3位に40ポイントが与えられるため、来季のF1参戦の準備は整ったと言えよう。

フォト/本田技研工業 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

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