フランスF4選手権で武者修業に挑んだSRS-Formulaスカラシップの岩佐歩夢選手が2020年タイトルを奪取!

レポート レース

2020年12月7日

2020年のフランスF4選手権の最終ラウンドが11月20日~22日、ポールリカールで開催。ホンダが同シリーズへのチャレンジをサポートする日本人ドライバーの岩佐歩夢選手が、第7戦レース3で今季9勝目を獲得し、今年のフランスF4選手権チャンピオンに輝いた。

2020年フランスF4選手権第7大会
French F4 Championship Round 7

開催日:2020年11月20~22日
開催地:ポール・リカール・サーキット(フランス)

 2020年はFIA-F2を戦う角田裕毅選手をホンダがサポートしているが、フランスF4選手権に挑戦する二人の日本人ドライバーも支援しており、2019年FIA F4チャンピオンの佐藤蓮選手と、SRS-Formulaスカラシップの岩佐歩夢選手が同シリーズを席巻した。

 最終大会のポール・リカールでは、岩佐歩夢選手がレース3で優勝してタイトルを確定、佐藤選手もレース3で2位につけ、最終戦でも日本人ドライバーがワンツー・フィニッシュを達成。シリーズランキングでも岩佐選手と佐藤選手が上位を独占し、今季のフランスF4選手権は、日本人ドライバーが躍進するシーズンとなった。

 2019年のスーパーFJ日本一決定戦で優勝したほか、SRS-Formulaで2019年スカラシップを獲得した岩佐選手は、2020年からホンダのサポートを受けてフランスF4選手権に挑戦していた。同シリーズも新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に日程が変更されたが、岩佐選手は開幕大会のフランス、ノガロ・サーキットでレース1を制して初優勝を獲得したほか、レース3で早くも2勝目を獲得するなど素晴らしい立ち上がりを披露していた。

 その勢いは中盤戦以降も健在で、岩佐選手はオランダ、ザンドフォールト・サーキットで開催された第3大会でレース1とレース3を制するほか、第4大会ポール・リカールでもレース1とレース3、第5大会スペインのスパ・フランコルシャンでもレース1とレース3を制するなど合計8勝を獲得し、絶えずポイント争いを支配していた。

 一方、日本のFIA-F4選手権で14レース中11勝を獲得し、2019年チャンピオンに輝いた佐藤蓮選手もホンダのサポートを受けて、2020年はフランスF4選手権に挑戦。第2大会のフランス、マニクール・サーキットではレース1で初優勝を獲得したほか、レース3で2勝目を獲得するなど、岩佐選手と共に高いパフォーマンスを披露していた。

 佐藤選手は第4大会のポール・リカールでレース2を制したほか、第5大会のスパ・フランコルシャンでレース2を制するなど計4勝をマークし、岩佐選手に続いてランキング2位をキープ。こうして2名の日本人ドライバーが圧倒的な強さを見せるなか、前述のとおり、最終ラウンドのポール・リカールでも岩佐選手、佐藤選手が素晴らしい走りを披露した。

 レース1は岩佐選手が2位、佐藤選手が6位、レース2では5番グリッドの佐藤選手が4位、9番グリッドの岩佐選手が6位につけるなどポジションアップに成功。そしてレース3では、今季は何度も展開された日本人ワンツー・フィニッシュを最終戦でも達成した。この結果、岩佐選手が2020年フランスF4選手権のFIAおよびFFSAアカデミーの両タイトルを獲得。佐藤選手は両タイトルともランキング2位につけ、日本人ドライバーが存在感を示した。

 この二人の活躍について、ナショナルテクニカルディレクターであり、FFSAアカデミーの責任者でもあるクリストフ・ロリエー氏は「自分の国を離れてフランスF4選手権に参戦することは彼らにとって難しい判断だったと思いますが、彼らは一貫して自分のパフォーマンスを引き出していました」と高く評価。初挑戦のコースが続くフランスF4選手権で素晴らしい躍進を遂げているだけに、岩佐選手および佐藤選手の今後に注目したい。

ホンダの支援を受ける日本人がFIAおよびFFSAアカデミー両タイトルで上位を独占した。チャンピオンは岩佐歩夢選手、2位は佐藤蓮選手、3位はイサック・アジャール選手。
新型コロナウイルス感染症の影響で8月22~23日のフランス、ノガロ・サーキットで開幕したフランスF4選手権。11月20~22日の第7大会まで合計21レースが開催された。

フォト/本田技研工業 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

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