GRヤリスがJAF地方選手権で初優勝を達成!

レポート ジムカーナ

2020年12月3日

JAF九州ジムカーナ選手権が11月8日、福岡スピードパーク恋の浦で開催され、注目を集めるGRヤリスが、JAF地方選手権で初となる優勝を飾った。

2020年JAF九州ジムカーナ選手権第4戦
JMRCオールスター選抜第4戦
RASCAL ジムカーナ 2020

開催日:2020年11月8日
開催場所:スピードパーク恋の浦ジムカーナコース
主催:RASCAL

恋の浦チャレンジオートテスト
開催日:2020年11月8日
開催場所:スピードパーク恋の浦ジムカーナコース
主催:RASCAL

 今年のJAF九州ジムカーナ選手権は、新型コロナウィルス感染拡大のため、4~6月に予定されていた第3戦と第4戦がともに11月に延期されたが、その他のイベントは中止には至らず、当初の予定通りに、全8戦のシリーズが無事に成立する見込みとなった。

 今回の一戦は当初、第4戦として組まれていたが、11月8日に延期されたことで、実質的にはラス前の一戦として開催された。当日は朝から天候に恵まれ、青空の下、最後までドライコンディションが保たれ、参加者達は果敢なアタックを披露した。

 まずエポックメイキングな勝利が刻まれたのがSA2クラス。GRヤリスでエントリーした井上博保選手が逆転勝ちを見せて、GRヤリスにJAF地方選手権最初の1勝をもたらした。井上選手は第1ヒートこそペナルティ3本と散々な結果に終わったものの、第2ヒートでは見事な走りを見せてライバルを大きく引き離しての優勝となった。

 2週間前に同じ恋の浦のダートトライアルコースで行われた全日本ダートトライアル選手権で、ランサーを駆ってSA2クラスの表彰台を奪った井上選手はダートトライアルが本業のドライバー。しかし、9月に恋の浦で開催された全日本ジムカーナ選手権でGRヤリスをデビューさせると、10月に名阪スポーツランドで開催された全日本ジムカーナ選手権にもGRヤリスで参戦。今回が通算3度目となる実戦となった。

 「もちろんダートラも、このクルマで走る予定ですが、いまはクルマの感触を掴んでおきたいということもあってジムカーナに参戦しています」と井上選手。「小回りが効くのでジムカーナではパイロンも楽に回れるし、低速からのトルクもあるので、走っていても楽しいクルマですね。ただ、今後はダートラ仕様のセッティングに専念していこうと思っています」。来季はダートトライアルでの活躍も大いに期待したいところだ。

 一方、今季、熾烈なタイトルレースが続いているPN2クラスの戦いも注目を集めた。これまで86の奥薗圭介選手とロードスターRFの関岡優季選手がともに3勝を挙げており、今回の一戦でどちらが4勝目を挙げ、最終戦に向け、優位に立つか、まさに天王山の一戦となった。

 しかし勝負の結果は意外な大差がつき、1分41秒105という、この日オーバーオールウィンとなるタイムを叩き出した関岡選手が、奥薗選手を2秒以上も突き離して優勝を飾った。勝因を問われた関岡選手は、「今日はクルマに助けられました」と苦笑交じりにコメント。「今日のコースがバイパスやショートカットが多かったのでRFには有利だったと思います。86がサイドを使う所も、自分は引かないで回れましたから。最終戦も気を引き締めて走りたいと思います」。

 敗れた奥薗選手は九州を代表するRWDのスペシャリストだが、「今日は出せても42秒台中盤が関の山だったと思います。今日は相手が乗れていた、それに尽きますね。クルマの差は致し方ない」と今回については完敗も納得の様子。「RFの速さが全国的にも目立ってきてますが、僕はまだ86でやり残したことがあるから、乗り続けたい。最終戦はどうなるか分からないけど、頑張りますよ」と、こちらも最終決戦に意欲を見せていた。

当日は快晴に恵まれてドライコンディションが保たれた。
今回のコースレイアウト。パイロンセクションはタイトな設定が用意された。
JAF近畿ジムカーナ選手権等で活躍する強豪選手が遠征してきたB1クラスは福田宗久選手が優勝し、地元の面目を保った。「下のコース区間は攻め切れましたが、上のパイロン区間はタイヤが喰いすぎてうまく回せませんでした。もっとクルマ仕上げたいですね」と福田選手。
B1クラス表彰の各選手。
チームメイト同士のバトルとなったB2クラスは坂本高城選手が僅差で逃げ切った。
B2クラス表彰の各選手。
PN1クラスは、今季すでに4勝を挙げている山下友秀選手が、「2本目はパイロン区間でギアの選択を変えたことが裏目に出ました」と言いながらも、第1ヒートのタイムで優勝。
PN1クラス表彰の各選手。
接戦が続いているPN2クラスは、関岡優季選手が86/BRZ勢を圧倒するタイムを叩き出して優勝。
PN2クラス表彰の各選手。
SA1クラスはシリーズをリードする井上洋選手が盤石の5勝目を獲得した。
SA1クラス表彰の各選手。
SA2クラスではGRヤリスが初優勝。ダートラドライバーの井上博保選手が記念すべき勝利を手にした。
CLクラスは黒水泰峻選手が第1ヒートのタイムで逃げ切った。
CLクラス表彰の各選手。
OPクラスでもカンジ選手が第1ヒートのタイムで優勝した。
DLクラスはインテグラセダンで参戦の、たにもと章則選手が優勝した。
DLクラス表彰の各選手。

オートテストはスイフトが表彰台独占。渡部俊佑選手が挑戦4戦目で初優勝を飾る

 JAF九州ジムカーナ選手権が行われた11月8日の午後からは、ジムカーナコースでオートテストも開催された。会場となったのはジムカーナコースの最上部にある広場で、パイロンによって設定されたコースで、19名の参加者がオートテストを楽しんだ。

 当日のコースはほとんどの参加者が25秒前後ほどで走れるコンパクトなコースが用意されたが、スタート直後にいきなりダブルの『車庫入れ』に挑戦し、ゴールラインに『ラインまたぎ』が設定されるなど、オートテストの楽しさを存分に体験できるレイアウトとなった。

 優勝はスイフトで参加した大学院生の渡部俊佑選手で、第2ヒートはペナルティポイントが加算され、下位に沈んだが、第1ヒートで獲得した20.7点が最小減点となり、優勝をさらった。オートテスト参加4戦目で初優勝を飾った渡部選手は、「今日はうまく走れました。後退して入る車庫入れで、あまりハンドルを切らないようにしたのが良かったと思います」と勝因を振り返っていた。

 なお今回はいずれもスイフトに乗る3選手が1~3位に入り、スイフト勢が表彰台を独占した。レンタル車両として今回、多くの参加者がドライブしたGRヤリスは、ジムカーナドライバーの阿比留慎一選手の4位が最上位だった。

オートテストのコースは、ジムカーナではパイロンセクションとなるコース上段のスペースに設定された。
今回はスタート直後に設定された、前進→後退のダブル車庫入れが、大きな勝負どころとなった。
優勝を飾った渡部俊佑選手。オートテスト挑戦4戦目で初の優勝を獲得した。
今回はGRヤリスがレンタル車として用意された。話題のクルマとあって多くの参加者がドライブした。
上位6位までに入賞した選手が表彰を受けた。
今回参加した選手の皆さん。

フォト&レポート/JAFスポーツ編集部

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