49歳が快挙! 地方カート選手権で今井雅慶選手がタイトル確定!!

レポート カート

2020年12月2日

2020年SLカートミーティング フェスティカサーキット瑞浪シリーズ第7戦において、地方カート選手権・瑞浪シリーズ(FS-125部門)の最終戦となる第4戦が開催。15歳の城取聖南選手(Team REGOLITH)がポールから優勝を飾り、49歳の今井雅慶選手(Team REGOLITH)がシリーズチャンピオンに輝いた。

2020年SLカートミーティング フェスティカサーキット瑞浪シリーズ第7戦
2020年JAF地方カート選手権FS-125瑞浪シリーズ第4戦

開催日:2020年11月29日
開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県瑞浪市)
主催:フェスティカサーキット

 地方カート選手権は今季、それまでの東地域/西地域による2シリーズ制を廃し、サーキット単位でのシリーズ戦へと生まれ変わった。それに伴い、岐阜県・フェスティカサーキット瑞浪では全4戦による2020シリーズが実施されることとなった。今回のレースはその最終戦。10台による戦いだ。

 チャンピオン獲得の権利を持ってこの一戦に臨むのは、1勝を挙げ63点でポイントランキングの首位に立つ今井選手と、2度の3位による40点で同2番手に着ける酒井畝那選手(Gren Blue RT)のふたりだ。今井選手はポイント獲得圏内のフィニッシュで自力チャンピオン確定。対して酒井選手は、自身の優勝と今井選手のポイント追加ゼロが逆転タイトルへの条件だった。

 その酒井選手に試練が降りかかる。タイムトライアルでタイムを記録することなくマシンを止めた酒井選手は、続く予選ヒートでもスタート前に戦線を離脱し、決勝は最後尾からのスタートとなってしまったのだ。

 決勝のポールに着いたのは15歳の城取選手。2番手に最年少11歳の加納康雅選手(TIGRE)が続き、今シリーズ初参戦の若手ふたりがフロントローを占めた。今井選手は3番グリッドからのスタートだ。

 16周の決勝が始まると、加納選手がスタート直後にトップを奪うが、3周目、3度のポジションチェンジの末に城取選手が先頭へ復帰。その後ろには4番グリッドの東拓志選手(NEXT-ONE Racing)が上がってきた。さらに、後方から酒井選手がぐいぐいと順位を上げ、5周目には4番手に浮上してきた。

 城取選手と加納選手は、レースが折り返し点を過ぎると後続をじわじわと引き離し、0.3秒ほどのギャップを保ったままタンデムで周回を重ねていく。この息詰まる攻防にも、城取選手は加納選手の接近を許すことなく走り切ってチェッカーを受け、勝利を手中に収めた。加納選手は2位。酒井選手は11周目に東選手の前に出たが、それ以上ポジションを上げることは叶わず3位でレースを終えた。

 一方、今井選手は序盤でポジションを下げると、7周目にアクシデントに巻き込まれてスピン。9位フィニッシュで今季初めての無得点となったが、ポイントレースでは酒井選手を抑えて逃げ切りに成功。カート歴5年、49歳の今井選手が王座に就くこととなった。

優勝の城取聖南選手は「加納選手がずっと離れてくれなくて、結構必死だったけれど、最後まで自分の走りを貫いてトップを守り抜こうと思って走りました。3年間苦労して、やっと結果が出ました」と喜んだ。
地方カート選手権FS-125の表彰式。左から2位の加納康雅選手、1位の城取選手、3位の酒井畝那選手。
最終戦を優勝で終えることが叶わなかったが、毎戦ポイントを積み上げてきた今井雅慶選手がシリーズチャンピオンを確定させた。

 この大会では、FS-125以外にも6つのクラスのレースが行われた。

 4台が出走した最年少クラスのCadet OPENでは、予選のアクシデントで3番グリッドとなった中井悠斗選手(Team EMATY)が2周目にトップに立ち、その後は坂口諒宗選手(WRT)、鈴木春風選手(Team EMATY)とのバトルを経て終盤戦を独走、逆転優勝を果たした。坂口選手と鈴木選手は最後までホットな戦いを続け、横並びでフィニッシュ。0.011秒差で阪口選手が2位、鈴木選手が3位という結果になった。

 6段変速機構装備のモトクロッサー用エンジンを積むYZ85は、恒例のスタンディングスタートで12周の決勝が幕を開けた。そのレースは、3台一丸の先頭集団から終盤に抜け出した野田卓司選手(ハラダカートクラブ)を、齋藤望選手(Ash)がたちまち捕らえ、最終ラップに入ったところで逆転。齋藤選手がウィナー、野田選手が2位となった。先頭集団の一角を走った大山学選手(T WEST RS)は無念のスピン。兼子直樹選手(チーム近藤レーシング)が3位表彰台に立った。

 FD Challengeは出走3台ながら、松本拓海選手(T.HIRANO)と新田琉納選手(T.HIRANO)が接近戦を続けるホットなレースとなった。しかし、松本選手はトップ走行中のレース中盤にコースアウト。新田選手が勝利を飾ることとなった。2位は小原正三選手(T.HIRANO)。松本選手もコースに復帰して3位で完走を果たした。

 30歳以上のドライバーによるSuper SSでは、5台一列の優勝争いが展開。結果は最終ラップの逆転で、矢嶋好男選手(T.ぶるーと)のポール・トゥ・ウィンとなった。0.087秒差の2位は高垣徹也選手(T.ぶるーと)。ポールスタートの渡部洋己選手(Ash a.k.a. マリリン農園)を僅差で抑え、碓氷学選手(Ash with GSB)が3位を獲得している。

 同じく30歳以上が対象ながら決勝2レース制で行われるKT-Mastersには13台が参加。第1レースでは最年長64歳の澤部朝男選手(TACC・HIGUCHI RT)が2番グリッドから逆転優勝を飾り、ポールの山口正樹選手(ベローチェMS)が2位に。安達慶真選手(T.HIRANO)が5番グリッドから3位入賞を果たした。

 第1レース結果の1~8位を逆転させたリバースグリッドで始まった第2レースでは、5番グリッドから順位を上げた加藤正志選手(Ash with RT熊)が優勝。澤部選手はここでも僅差の2位に入った。ポールから発進して前半戦のラップリーダーを務めた冨田伸章選手(Ash with トミーインダストリー)は、3位でチェッカーを受けている。

 今大会最多の18台が参加したYAMAHA SSでは、西山魁選手(team Farina)、MATSUSHITA MASAKI選手(T.オキツマツダ Powerd by LUCE)、廣瀬光結選手(ハラダカートクラブ)の3台が、ひんぱんにポジションを入れ替えながらトップ争いを展開。最終ラップに西山選手をかわしたMATSUSHITA選手が勝者となった。トップ陥落の西山選手は、さらに後続にも逆転を許して4位のゴールに。2位には廣瀬選手、3位には関優成選手(T.ぶるーと)が入った。

激しいバトルが繰り広げられたCadet OPENは中井悠斗選手が優勝。「予選で順位を落として、絶対に勝たないといけないと思いました。後ろで(チームメイトの鈴木)春風君がバトルしてくれなかったら、チギれなかったと思います」
Cadet OPENの表彰式。左から2位の坂口諒宗選手、1位の中井選手、3位の鈴木春風選手。
齋藤望選手が優勝し、「野田選手とは10年一緒にレースしているんですが、やっと勝てました。(先頭集団を抜け出した)野田選手に追い付けるのは分かっていたんですが、ちょっとヒヤヒヤしました」と笑顔で答えた。
YZ85の表彰式。左から2位の野田卓司選手、1位の齋藤選手、3位の兼子直樹選手。
予想どおりのレース展開で優勝できたという新田琉納選手。「これまでの2勝ではチェッカーを持ってウィニングランをすることができなかったので、最終戦でチェッカーを持つことができてよかったです」とうれしそうな表情を見せた。
FD Challengeの表彰式。左から2位の小原正三選手、1位の新田選手、3位の松本拓海選手。
「ここ何年も勝ててなかったのでうれしかったけれど、最後は緊張しました。周りがクリーンにバトルしてくれる人たちだったので、後ろに気を取られず前だけを追うことができました」と語った矢嶋好男選手が優勝。
Super SSの表彰式。左から2位の高垣徹也選手、1位の矢嶋選手、3位の碓氷学選手。
KT-Masters決勝1は澤部朝男選手が制し、「トップはいつも気分いいね。2番手に接近された時は、メカニックの「行け!」の声が聞こえて頑張れました」と、午後のレースに向けても意気込んだ様子。
KT-Masters決勝1の表彰式。左から2位の山口正樹選手、1位の澤部選手、3位の安達慶真選手。
リバースグリッドの決勝2は「中古タイヤでぜんぜんグリップがなかったけれど、レースの時が温かくなってセッティングが合ったのがよかったんだと思います」と勝因を振り返った加藤正志選手が優勝を果たした。
KT-Masters決勝2の表彰式。左から2位の澤部選手、1位の加藤選手、3位の冨田伸章選手。
「チャンピオンがかかったレースで、ポイント的には余裕だったけれど、何があるか分からないので、緊張感を持って走りました」とMATSUSHITA MASAKI選手。チーム代表にシリーズタイトル確定をプレゼントした。
YAMAHA SSの表彰式。左から2位の廣瀬光結選手、1位のMATSUSHITA選手、3位の関優成選手。

フォト/小竹充、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部

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