WEC最終戦バーレーンでTOYOTA GAZOO Racing 7号車がポール・トゥ・ウィン! M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス組が2019-2020ドライバーズタイトルを獲得!!

レポート レース

2020年11月17日

今季のWECではTOYOTA GAZOO Racingがタイトルを確定させているが、最終戦バーレーン8時間では7号車がポール・トゥ・ウィン。8号車とのワンツーを飾り、7号車のM.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス組が2019-2020年のドライバーズタイトルを獲得した。

2019-2020年FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦 バーレーン8時間
FIA Wolrd Endurance Championship 2019-2020 8 Hours of Bahrain

開催日:2020年11月12~14日
開催地:バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン王国)

 2019-2020年のFIA世界耐久選手権(WEC)第8戦「バーレーン8時間レース」が11月12~14日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された。TOYOTA GAZOO RacingでTS050ハイブリッドの7号車を駆るマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組がポール・トゥ・ウインを達成しドライバーズタイトルを獲得した。

 2021年からWECの車両規定が変更されることから、2016年にデビューしたトヨタのハイブリッドレースカー「TS050ハイブリッド」にとっては最後の一戦。加えて前戦のル・マン24時間レースを終えた段階で、TOYOTA GAZOO Racingのチームズチャンピオンは確定していたが、ドライバーズタイトルは未決のためタイトル争いに注目が集まった。

 8時間レースで幸先の良いスタートを切ったのが、ル・マン24時間レースを制してドライバーズランキングで首位につけていたTOYOTA GAZOO Racingの8号車、セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組で、12日に行われた公式練習1回目からトップタイムをマークしていた。

 予選日の13日を迎えると、首位と7ポイント差の2位で追うTOYOTA GAZOO Racingの7号車M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス組が、サクセス・ハンディキャップを活かして素晴らしいパフォーマンスを披露。公式予選2回目で最速タイムを計測すると、2名の平均タイムによる公式予選でもトップに立ち、7号車がポールポジションを獲得した。

 14日の決勝は、LMP1クラスではライバルが欠場したことから、TOYOTA GAZOO Racing勢の一騎打ちとなる。ポールポジションの7号車は8号車に対して1周あたり0.5秒のサクセス・ハンディキャップを持つことから、7号車が安定した走りでレースを支配した。

 レース中盤で、ピットレーン入口のデブリ除去のためにセーフティカーが導入されたことから、トップ争いを展開する7号車と8号車の差は一気に縮まった。しかし、再開後には再び7号車が後続を引き離し、ポール・トゥ・ウィンでシーズン4勝目を獲得。M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス組が2019-2020年のドライバーズチャンピオンに輝いた。

「日本とドイツのケルン(TGRヨーロッパ拠点)からサポートしてくれた全ての人々に感謝します。振り返れば2016年からTS050ハイブリッドの開発のために本当にハードワークを続けてくれました。チームはル・マン24時間レースで3連覇を達成し、我々は7号車とともに世界チャンピオンを獲得しました。これ以上の結果は望めないでしょう」。

「しかし、これはドライバーだけで成し遂げられた記録ではありません。メカニック、エンジニアやこのプロジェクトに携わった全ての皆様のおかげです。本当にありがとうございました」と7号車のステアリングを握った小林可夢偉選手は喜びを語った。

 TOYOTA GAZOO Racingの8号車も2位に続いたことで、今大会ではTS050ハイブリッドでの最後のレースで1-2フィニッシュを達成。2016年にデビューした同モデルは、ル・マン24時間レースの3連覇を含めて合計19勝を獲得するなど輝かしい実績を残してWEC参戦に終止符を打つこととなった。

 7号車の3名のドライバーズタイトル獲得とTS050ハイブリッドでのラストレースでの1-2フィニッシュについて、トヨタ自動車株式会社の代表取締役社長、豊田章男氏は「マイク、ホセ、可夢偉、最終戦の優勝そしてチャンピオン獲得おめでとう! セブ、ブレンドン、一貴族もTS050ハイブリッドのラストレースを無事に走りきり、1-2フィニッシュをしてくれてありがとう!」と言葉を贈る。

 さらに「5年の月日をかけて、やっとドライバーたちに思い切って走ってもらえるようなクルマに成長させることができました。ただ、ル・マンを勝ったのは3回とも8号車でした。7号車には何かしらのトラブルを出してしまい、ずっと彼らに悔しい想いをさせてしまっていました。今回、このクルマの最後のレースでは7号車が勝利を手にしてくれました。そして、最後の年のチャンピオンを7号車が獲ってくれました。3人の笑顔を最後に見れたこと本当に良かったです」と付け加えた。

 なお、WECでは2021年からLMP1規定に代わって、新たに「ハイパーカー規定」を導入。TOYOTA GAZOO Racingもこの新規定に沿った新型車両でWEC参戦を継続する予定となっているだけに、新時代を迎えるWECには来シーズンも注目が集まりそうだ。

TOYOTA GAZOO Racingの7号車を駆るマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組が2019-2020シーズンのWECドライバーズチャンピオンを優勝で決めた。
すでにチームズタイトルを決めているTOYOTA GAZOO Racing。セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組が2位に入りワンツーフィニッシュを達成した。
今後は新たなハイパーカー規定の導入が決まっているWEC。TS050ハイブリッドのファイナル・シーズンとなった2019-2020年を、ダブルタイトル獲得で締めくくった。

フォト/TOYOTA GAZOO Racing レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

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