宇野学ランサー、JAF東日本ラリー選手権終盤の2戦を完全制覇!
2020年11月13日
新型コロナウイルス感染拡大のため、長期間の中断を強いられていたJAF東日本ラリー選手権は10月の訪れとともに再開され、10月24~25日にはシリーズ最終戦となる「八子ケ峰ラリー」が長野県を舞台として行われた。
2020年JAF東日本ラリー選手権第9戦
2020年JMRC長野県ラリーシリーズ第5戦
第39回八子ケ峰ラリー2020
開催日:2020年10月24~25日
開催場所:長野
主催:TR-8
東北・関東地区を舞台とするJAF東日本ラリー選手権は、10月24~25日の「八子ケ峰ラリー」で2020年のシリーズ最終戦を迎えた。今年の同選手権は1月に秋田で開催された「ハチ公ウインターラリー」以降はコロナ禍により中止を余儀なくされ続け、事実上の第2戦は10月第1週の週末に長野で行われた「FRCラリーマウンテンクロス」まで待たなければならなかった。
その3週間後に開催された今回の八子ケ峰ラリーは、八ヶ岳山系に属し、白樺湖を眼下に望む八子ケ峰の麓で行われるラリーだが、今年は八ヶ岳の北東に位置する佐久市と佐久穂町をエリアとするラリーに変更。ヘッドクォーターもお馴染みの八子ケ峰ホテルから、佐久市内の運動公園に移された。
ラリーのステージは同エリア内の1本の舗装の林道に設定され、2区間に分けられたSSをセクション1でまず2回走行。セクション2では逆走で再び2回ずつ走行する計8本のSSで競われた。SSの距離は最短のステージで3.3km、最長で4.4kmとそれほど長くはないが、場所によっては、陽が届かないため湿ったままの落葉が敷き詰められたコーナーも待ち受けるなど、高い集中力が求められるラリーとなった。
10台が参加したBC-1クラスは菅原英剛/小藤桂一組のランサー・エボリューションⅧがSS1でベストを獲り、幸先の良いスタートを切ったが、SS2でコースアウト。このSSで2番手を5秒以上も引き離すスーパーベストを奪った宇野学/原田直人組が代わってトップに立つ。前戦FRCを制して波に乗る宇野組は続くSS3でも、再び2番手を5秒突き離すベストをマーク。セクション1を20秒以上の大差をつけて折り返し、早くも独走態勢を固めた。
セクション2に入っても宇野組は手綱を緩めず、最初のSS5でもこの日、3度目となるベストタイムを奪うが、その後はペースをコントロール。セクション1で築いた大量マージンをしっかり最後まで守り切ってゴール。2連勝を果たすとともに、シリーズチャンピオンも確定させた。
「タイトルを争うことになった村里(尚太郎)選手との勝負になると思いましたが、セクション1で大きくリードできたので、セクション2は村里選手とのタイム差を見ながらペース配分をした感じですね。ただ前戦ではオーバーオールウィンを逃して悔しかったので(笑)、今回はしっかり総合ベストも狙いました。絶対完走は前提でしたけど、それなりに攻められたと思います」と宇野選手。
「セクション1はまだ道もあまり乾いてなかったんですが、滑る道は好きなんで、大きくリードできたのはそれが大きかったと思ってます。去年、群馬戦のチャンピオンを獲りましたが、地区戦は初めてです。30年ラリーやってきましたが、長いことやってれば、いいこともあるんだな、っていう感じですね(笑)」と最後は感慨に浸っていた。
一方、7台が参加したBC-2クラスはMR-Sを駆った若手の渡部弘樹/前川富哉組が全SSベストを奪う圧倒的な速さを見せて快勝した。ヴィヴィオで群馬シリーズを追ってきた渡部選手にとっては、今回がMR-Sでの初ラリーだったが、最後までライバルを寄せ付けない速さをキープした。
「今日は腕試しのつもりだったのでSS1から全開で行きました。セクション2は完走前提で1本1本ベストを尽くした感じですね。滑りやすい道をRWDで走る初めてのラリーでしたが、川名(賢)さんが筑波で開催している練習会のウェットトレーニングで鍛えられたので、滑る道も抵抗なく走れました」とまずは元全日本ラリーチャンピオンに感謝しきりという渡部選手。
「ある程度ごまかしが効くヴィヴィオのような4WDだけじゃなくて、ブレーキをちゃんと使わないとタイムが出ないRWDには以前から乗りたかったんです。川名さんの勧めもあってMR-Sにしたんですが、非常に勉強になりますね」と渡部選手。群馬シリーズでは再びヴィヴィオに乗る可能性もあるというが、28歳の若手の今後には大いに注目していきたいところだ。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部