GT500はNSX勢が1~5位を独占!! GT300はトップ3がヨコハマタイヤ勢

レポート レース

2020年11月16日

11月7~8日にツインリンクもてぎにおいて開催されたスーパーGT第7戦。GT500クラスでは8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が今季初優勝。GT300クラスでは56号車 リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組)が今季2勝目を飾りポイントリーダーに躍り出た。

2020 SUPER GT Round7 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE
開催日:2020年11月7~8日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド、M.O.S.C、GTA

 11月7日、立冬ながら暖かい朝を迎えたツインリンクもてぎには、朝早くから熱心なファンが詰めかけた。本開催も現地入りするスタッフは全員、従来どおり徹底した新型コロナウイルス感染拡大防止のための健康管理が継続された。そしてこのレースは最終戦のひとつ前のレースということで、ハンディウェイトは半減。これまでウェイトが重かった車両も軽くなり、接戦が期待された。

 スーパーGT開催の1週間前、岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズ第3戦で負傷した高木真一選手に代わり、GT300の55号車 ARTA NSX GT3は、FIA-F2に参戦していた松下信治選手をドライバー起用。大湯都史樹選手とのコンビ、そして初のハコ車レースということで、そのパフォーマンスにも注目が集まった。

 気温19℃、路面温度24℃の13時30分に公式予選がスタート。GT500クラスではQ1をトップ通過した64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)の伊沢選手が今季2度目のポールポジションを獲得し、2番手は8号車NSXの福住選手、3番手は100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の牧野選手で、NSXがトップ3を独占した。

 GT300クラスでは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)の山内選手が自身4度目のポールポジションを獲得。2番手は前回の鈴鹿でクラッシュを喫し、ボディ交換した244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凛太郎/三宅淳詞組)の久保選手。3番手は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)の平中選手。GT500/300の両クラスでダンロップタイヤがポールポジションを獲得した。

 8日は午前中から気温が上昇。この日は1万5,600人のファンがスタンドに陣取った。雲の多い晴れ、気温22℃、路面温度29℃という13時3分、63周300kmの決勝レースがスタート。ポールポジションから64号車NSXの大津選手が後続を引き離しにかかるが、周回遅れが出始めるとペースが鈍り、10周目の1コーナーで8号車NSXの野尻選手がトップを奪った。大津選手は12周目の90度コーナーで100号車NSXにもかわされて3番手へ。

 23周でトップの2台が早目のピットイン。その直後にV字コーナー手前のコース脇でストップした車両があり、これを排除するためにセーフティカー(SC)が導入された。隊列が整えられ28周完了でリスタートすると、多くの車両が一気にピットイン。その間にピット作業を済ませていた8号車NSXと64号車NSXの2台は後続を大きく引き離すことになった。

 31周目には100号車NSXが3番手となり、4番手は予選11番手の16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)。この時点でトップ4をNSXが独占する形となった。さらに48周目には17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が5番手に浮上し、NSXがトップ5を独占!

 この順位が崩れることなく8号車NSXが今季初優勝。これまで3回もポールポジションを奪いながら勝てなかった鬱憤をもてぎで晴らした。この結果、17号車NSXがポイントリーダーとなり、トップから6点差の中に7台の車両がひしめき合うことになった。

今シーズンはまだ優勝がなかったARTA NSX-GT。野尻智紀/福住仁嶺組は念願の1勝をもてぎでようやく手に入れた。
第3戦鈴鹿ではポールスタートながらも表彰台を逃した伊沢拓也/大津弘樹組のModulo NSX-GTだが、今回は2位表彰台を獲得。
3位入賞は山本尚貴/牧野任祐組のRAYBRIG NSX-GT。ホンダの地元コースと言えるもてぎでNSX勢が表彰台を独占した。
GT500クラスの表彰式。左から2位のModulo NSX-GT(伊沢/大津組)、1位のARTA NSX-GT(野尻/福住組)、3位の RAYBRIG NSX-GT(山本/牧野組)。

 GT300クラスは61号車BRZが独走態勢を築き、これを11号車GT-Rと予選5番手の360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也組)が追う展開に。23周目にSCランとなるが、その直前にピット作業を済ませていたのが予選10番手の4号車 グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也組)、予選7番手の56号車GT-R、ポイントリーダーで予選20番手の65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)などだった。

 しかし65号車メルセデスAMGは、トップの61号車BRZのすぐ後方でコース復帰しており、この時点で周回遅れとなり上位争いからまさかの脱落となった。27周完了でリスタートとなり、上位陣が一気にピットイン。これで4号車メルセデスAMGがトップ、56号車GT-Rが2番手に浮上。61号車BRZは4番手でコースに戻ったが、タイヤが温まる前に52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)にかわされることとなった。

 32周目の90度コーナー手前で56号車GT-Rのオリベイラ選手がトップを奪った。また3番手を走行していた18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮組)は、ピット作業違反でドライブスルーペナルティを課されることになった。これで52号車スープラが3番手、61号車BRZが4番手に。そこへ11号車GT-Rと360号車GT-Rが追いつき、終盤は4台による3位争いが展開されたが、55周目の5コーナー先で11号車GT-Rが61号車BRZに接触して61号車BRZはスピン。

 56号車GT-Rのオリベイラ選手は逃げ切って今季2勝目を挙げ、ポイントリーダーに浮上。2位は4号車メルセデスAMG。終盤激しく争われた3位争いは、ゴールの2周前の3コーナー手前で360号車GT-Rが52号車スープラの前に出て決着した。なお上位3台はヨコハマタイヤユーザー。タイヤの持つポテンシャルがレースに反映された結果となった。

シーズン2勝目一番乗りはリアライズ日産自動車大学校GT-Rの藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組。ポイントリーダーに躍り出た。
10番手スタートの谷口信輝/片岡龍也組のグッドスマイル初音ミクAMGは、前戦の鈴鹿に続いて表彰台2位を獲得。
レース終盤の激しい3番手争いから抜け出したのは、RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行/大滝拓也組。
GT300クラスの表彰式。左から2位のグッドスマイル初音ミクAMG(谷口/片岡組)、1位のリアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波/オリベイラ組)、3位のRUNUP RIVAUX GT-R(青木/大滝組)。
スーパーGTと併催のFIA F4は全33台が出走。もてぎ大会では第7~9戦の3レースが行われた。
2度のSC導入となった波乱の第7戦、ポールポジションの平良響選手が逃げ切り優勝!
FIA-F4第7戦の表彰式。左から2位の平木玲次選手、1位の平良選手、3位の野中誠太選手。
インディペンデントカップで今季3勝目を挙げたのは、佐藤セルゲイビッチ選手。
FIA-F4インディペンデントカップ第7戦の表彰式。左から2位の仲尾恵史選手、1位の佐藤選手、3位の齋藤真紀雄選手。
勢いが止まらない平良選手が、再びポール・トゥ・ウィンを飾る。第8戦も危なげない勝利となった。
FIA-F4第8戦の表彰式。左から2位の小川颯太選手、1位の平良選手、3位の平木選手。
5番手スタートからトップを奪取した佐藤選手が、インディペンデントカップで連勝を果たす。
FIA-F4インディペンデントカップ第8戦の表彰式。左から2位の齋藤選手、1位の佐藤選手、3位の佐々木祐一選手。
シリーズ第2戦から勝ち続け、目下8連勝の平良選手。昨年の佐藤蓮選手の連勝記録に並ぶ快挙!
FIA-F4第8戦の表彰式。左から2位の小川選手、1位の平良選手、3位の澤龍之介選手。
IKARI選手が第9戦のインディペンデントカップで今シーズン初優勝を遂げた。
FIA-F4インディペンデントカップ第9戦の表彰式。左から2位の齋藤選手、1位のIKARI選手、3位の佐々木選手。
ガソリンマネジメントをしながら8周で速さを競う「FIT10リッターチャレンジ」も併催された。

フォト/石原康 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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