阪口晴南選手が今シーズン9勝目! タイトル争いに王手をかける
2020年11月10日
岡山国際サーキットを舞台に、スーパー耐久シリーズと併せ、フォーミュラリージョナルの第11戦と12戦、そしてスーパーFJ岡山シリーズの第6戦が10月31日~11月1日に開催された。
FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round11/12
JAF地方選手権スーパーFJ岡山シリーズ第6戦
(ピレリスーパー耐久シリーズ2020第3戦内)
開催日:2020年10月31日~11月1日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC
フォーミュラリージョナルの予選は15分間ずつ2回、10分間のインターバルを挟んで行われた。第11戦はポイントリーダーの阪口晴南選手があえてコースインを遅らせ、その間のトップは古谷悠河選手。しかし、タイヤのウォームアップを入念に行い、アタックのタイミングをずらした阪口選手が逆転してトップに立つ。古谷選手もタイムアップを果たしたものの、阪口選手を上回ることはできなかった。
3番手はラストアタックで一気にタイムを詰めてきた初出場の石坂瑞基選手が獲得し、4番手には第4大会もてぎに続いて出場の三浦愛選手がつけた。マスターズクラスでは今田信宏選手がトップで、DRAGON選手、植田正幸選手の順に。
続いて行われた第12戦の予選では阪口選手、古谷選手ともにコースインを遅らせ、両者意識し合っている様子は明らか。ここでは1000分の1秒まで同タイムを記録するが、先にタイムを出した阪口選手がポールポジションを奪い、古谷選手が2番手に。3番手と4番手は第11戦と順位を入れ替える形で三浦選手、石坂選手の順となった。マスターズクラスは植田選手がトップで、DRAGON選手が2番手、今田選手が3番手につけていた。
「古谷選手とは、金曜日の走行からそれほど差はないなと感じていて、今日の予選でも最初のアタックでは負けていました。だからポールポジションを連続で獲れたことに対しては、ホッとしています。とはいえ、2回目の予選では同タイムでしたので、もう少し差を広げたいというのが正直なところです。決勝も古谷選手と一騎打ちになるかもしれませんが、自分が逃げる展開にできるよう、しっかり気を引き締めていきます」と阪口選手。
日曜日の早朝に行われた決勝レース第11戦は、温度の低さを考慮してスーパーフォーミュラ・ライツで行われるサイティングラップ(ストレートではなくピットロードを通過して、数周コースを通過)を初めて実施した後、マシンはグリッドに並べられた。
フロントローに並んだ阪口選手、古谷選手ともスタートは今ひとつ。セカンドローの石坂選手と三浦選手のダッシュが勝り、4台が団子状態で1コーナーに飛び込んでいく中、古谷選手が痛恨のオーバーラン。これで阪口選手がトップで立ち上がっていき、石坂選手が続くこととなる。
1周目だけで1秒7の差をつけた阪口選手は、その後も徐々にリードを広げていく。一方、古谷選手は4周目のヘアピンで石坂選手を捕らえ、2番手に浮上。すると阪口選手のリードが広がらなくなってしまう。古谷選手がほぼ変わらぬペースでラップを刻み始めたからだ。むしろラスト6周は阪口選手のペースを上回り、5秒以上あったリードが、3秒を切るまで詰めた。
「スタート直後の1コーナーはアウトから行こうと思ったんですが、スペースが足りなくて。後半のペースでは僕の方が勝っていたので、もったいなかったですけど……。また自分の中では自信になりました」と古谷選手。
逃げ切った阪口選手は「最初にギャップが築けた形になりましたが、折り返し以降のペースは古谷選手の方が良かったので、次のレースでは後半を課題に頑張りたいと思います」とむしろ反省ムードだった。
マスターズクラスは1周目のヘアピンで今田選手とDRAGON選手が接触。その脇をすり抜けた植田選手がアンダーステアに苦しみながらも、難なく逃げ切りを果たすこととなった。
続いて行われた決勝レース第12戦では、阪口選手が好スタートを切って古谷選手を従える。そして序盤のうちにリードを築いたのは第11戦同様ながら、異なったのは終盤のペースが落ちなかったこと。最後まで古谷選手を引き離し続け、最後は5秒差で阪口選手が逃げ切り、出場したレースすべてを制す9勝目を挙げることとなった。
「前のレースで言っていたとおり後半が課題だったんですが、短いインターバルにチームの皆さんがセットをしっかり修正してくれたおかげで、そこを克服できたので、かなり良かったんじゃないかと。今週で一番乗りやすかったですし、実りあるレースでした」と阪口選手。
3番手争いは三浦選手と石坂選手の間で繰り広げられ、1周目のヘアピンで石坂選手が前に。中盤までは接戦だったが、終盤からは石坂選手が差を広げる格好となり、やがて単独走行にもなっていた。またマスターズクラスでは9周目のヘアピンで植田選手をかわした、DRAGON選手がそのまま逃げ切りを遂げている。
スーパーFJ第6戦はエントリーが3台に留まり、JAF地方選手権としては不成立となってしまった。そのため、戦わずして鹿谷遼平選手のチャンピオンが確定した。その予選では、鹿谷選手が3番手に留まる中、鶴岡秀磨選手が妹尾俊郎選手をコンマ1秒差で抑えて、初めてのポールポジションを獲得する。
「路面温度が低く、計測15分間ではタイヤを十分温めきれなかったので……。昨日の練習で出したタイムを上回るのが目標でしたから、ちょっと不満ではあります」と鶴岡選手。
決勝では鹿谷選手が1周目の2コーナーでコースアウトし、リタイアしてしまったものの、残る2台の鶴岡選手と妹尾選手による激しいバトルが中盤まで繰り広げられた。最後は4秒差でのゴールとなった鶴岡選手は「これまでのレースはトラブル続きで、トップを走っていてもスピンとかあったので、ちょっと不安ではあったんですが、ようやく優勝できて良かったです。自分の本気を出せないレースが続いたので、とにかく冷静に走ろうというのを意識していました」とレースを振り返っていた。
フォト/吉見幸夫 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部