ベイサイドG1チャレンジカップは富士SWジムカーナコースで最終決戦! 村上雅光S2000が全勝でチャンプ獲得

レポート ジムカーナ

2020年10月28日

主に初級者から中級者を対象とした、2020 BaySideジムカーナシリーズの最終戦が10月11日、富士スピードウェイのジムカーナコースで開催された。

2020 BaySideジムカーナシリーズ第5戦
ベイサイドG1チャレンジカップ

開催日:2020年10月11日
開催場所:富士スピードウェイジムカーナコース(静岡県小山町)
主催:IED

 第5戦となる今回は今シーズンの最終戦となるが、今年は新型コロナウイルスの影響により、第3戦が中止となってしまったため、全4戦での戦いとなった。なおコロナ禍が続く中での開催ということで、入場ゲートでの検温が行われたほか、会場内ではマスク着用等の感染拡大防止策が採られた。

 このジムカーナシリーズは今年で3年目となり、富士スピードウェイや筑波サーキットのジムカーナ場で開催されている。主催のベイサイドレーシング&スポーツカークラブの代表、伊藤清彦氏は「モータースポーツって、すごく規則が多いですよね(笑)。競技である以上、仕方の無いことなのですが、初心者でも気軽に参加できるこのようなジムカーナを通して、細かい規則に馴染んでもらい、基本を学んで頂けたらと思っています」と語る。

 そして初心者でも安心して競技が楽しめるよう、毎戦、午前中は練習走行、午後に本番の競技というスケジュールが組まれている。練習走行はその日の参加台数や進行状況等によって本数が変わるが、今回は4本走行となった。練習コースは決勝コースと同じなので、決勝でのミスコースの心配が軽減されるのは初心者にとって嬉しいところ。練習走行でもタイム計測付きなので、走り方やセッティングを変えてタイムを比較し、本番走行に挑むことができる。

 さらにインストラクターのアドバイスを受けられるというのも、この競技会の特徴だ。インストラクターは全日本選手権や関東地区戦で活躍する稲木亨氏。練習走行の合間には、ライン取りやブレーキングポイント等の説明をしながらの慣熟歩行が行われ、今回のデモランでは、サイドターンに自信が無い初心者に向けて、一切サイドブレーキを使わない走り方も披露した。

 個別の質問も可能で、一歩踏み込んだ内容やセッティング等についても対応してくれる。また、競技コースの設定も稲木氏が担当しており、「今回はジムカーナ初出場の選手が多かったので、コース図を見てパニックにならないような設定にしました(笑)。シンプルですが、メリハリを効かせて走らないと好タイムに繋がりません」と、覚え易いコースながらも、しっかりと攻略要素も盛り込んだコースが用意された。

 たっぷり練習した後は、PN1クラスから本番走行がスタート。ポイントリーダーの堀正太郎選手とシリーズ2番手の岡田裕泰選手のチャンピオン争いとなっているが、優勝は今季初出場の藤田真和選手。「今年はお財布が厳しくて(笑)、競技に出られず、今回が初競技です。1年ぶりの競技だったので練習走行でも思い通りの走りができず、苦戦しました」と振り返った。

本番でも課題の残る走りでしたが、来年に向けて修正していこうと思います」と藤田選手は謙虚なコメントに終始したが、両ヒートともにトップタイムという堂々の走りを見せて優勝を飾った。そして注目のチャンピオン争いは、今回は2位岡田選手、3位堀選手というオーダーとなったが、総合のポイントでは岡田選手はポイントが届かず、堀選手が逃げ切ってシリーズチャンピオンを獲得した。

 続くPN3クラスは86/BRZ勢の中、唯一のロードスターRFで参戦の藤田幸児選手が快勝。「ここは好きなコースなので、よく走りに来ます。今回は、上手く走りを組み立てられたと思います。練習走行では、稲木さんにサイドブレーキを使う箇所についてアドバイスをしていただき、かなりタイムアップすることができました」と、練習の効果てきめんだった様子。決勝でも第2ヒートは0.5秒ものタイムアップを果たし、2位以下を2秒以上も引き離しての勝利となった。シリーズでは今回3位のKazu R選手がポイントリーダーの座を死守し、チャンピオンを獲得した。

 B2クラスはS2000の村上雅光選手が、今季4戦全勝で最終戦を締め括った。「参加型モータースポーツは安く楽しみたいので(笑)、国産の有名メーカーのタイヤではなく、安価なタイヤで参加してますが、それでも楽しく走れて勝てる、ということがアピールできたのではないかと思います」と村上選手。第2ヒートはパイロンタッチとなってしまったが、第1ヒートのタイムで圧勝、満点チャンピオンとなった。

 インテグラとセリカの一騎打ちとなったSA2クラスは、インテグラの若命孝樹選手が優勝。「今回は外周のライン取りが上手くいかず、午前中の練習も含めて今一歩という感じでした。第2ヒートではタイムアップしたのですが、タイム的にもう少し詰めることができたのではないかと思います」という若命選手は今季3勝目となるが、初戦の欠場が響き、セリカの小関昴也選手がチャンピオンを獲得した。

 そして参加台数が3台以上集まれば自由にクラス設定ができるという特別クラス、「GR Garage トレッサ横浜クラス」は13台のエントリー。コンパクトカーからセダンまで様々な車両で争われたが、優勝はマークXを駆る新堀克利選手。「競技に出るのは11年振りですね。楽しむだけのつもりで来たのですが、真剣になってしまいました(笑)。サイドブレーキが足踏み式でターンができないので、タイトコーナーはライン取りを考えて走ったのが良かったのではないかと思います」と勝因を自己分析。第1ヒートのパイロンタッチから見事な逆転優勝を決めた。

富士スピードウェイのジムカーナコース。コースの上段にパドックがあり、コース全体を見渡すことができる。
当日のコース図。前半はコースの外周をコーナリングするアベレージスピードの高い設定となった。
午後の決勝コースと同じレイアウトを走る練習会が午前中にあるのがこのシリーズの特徴。インストラクターは全日本ドライバーの稲木亨氏が担当し、選手の質問にも答えてくれる。
富士スピードウェイでは新型コロナウイルス感染予防対策として現在、入場ゲートで検温が行われている。今大会でもオフィシャル、選手をはじめ関係者全員のマスク着用の徹底が図られた。
PN1クラスは藤田真和選手が今季初参戦にも関わらず、2本ともベストタイムを叩き出して快勝した。
PN1クラス表彰の各選手。
PN3クラスは藤田幸児選手が総合ベストとなるタイムをマークして優勝を飾った。
PN3クラス表彰の各選手。
SA2クラスは第2ヒートもきっちりタイムを詰めた若命孝樹選手が優勝。
SA2クラス表彰の各選手。
B2クラス表彰の各選手。優勝の村上雅光選手は今季負けなしの4勝目をゲットし、満点チャンピオンを獲得。
GRクラスは第1ヒート、パイロンタッチに沈んだ最終ゼッケンの新堀克利選手が第2ヒート、土壇場でトップタイムを奪い、劇的な逆転優勝を飾った。
GRクラス表彰の各選手。

フォト&レポート/友田宏之

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