昨年王者のニック・キャシディ選手が、圧巻の走りで今シーズン初優勝!

レポート レース

2020年10月22日

10月17〜18日に、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦がスポーツランドSUGOで開催。予選ではルーキードライバーがポールポジションを獲得してサーキットを沸かせたが、決勝では昨年王者のニック・キャシディ選手(VANTELIN TEAM TOM'S)が実力者同士の争いを制し、今季初勝利を飾った。

2020年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦 スポーツランドSUGO
開催日:2020年10月17〜18日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

今シーズンのスーパーフォーミュラは、日曜日に予選と決勝を行う1DAY開催。予選に向けて重要になるのが土曜日の練習走行だが、ウェットコンディションでのセッション終盤に、今大会がスーパーフォーミュラデビューとなるセルジオ・セッテ・カマラ選手(Buzz Racing with B-Max)がスピンを喫し、残り5分のところでセッション終了。各車が予選に向けての最終確認ができないまま、翌日の予選に挑むこととなった。

一夜明けたスポーツランドSUGOは、前日までの雨模様から一転、日差しも差し込み穏やかな天気に。期待されたコースレコードの更新はならなかったが、他車のクラッシュによりQ1を繰り上げ通過したセッテ・カマラ選手が、ここまで2戦連続で予選を制している平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を0.053秒差で下し、デビューレースでポールポジションを獲得した。セッテ・カマラ選手は22歳のブラジル人で、F1のリザーブ兼テストドライバーでもある。

決勝では、スタートでセッテ・カマラ選手をかわした平川選手がレースをリードする。3番手スタートのサッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)は、スタート直後に中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM'S)に追突され戦線離脱。セッテ・カマラ選手の後方には4番手スタートのキャシディ選手が、またフェネストラズ選手と中嶋選手のアクシデントをうまく利用し大幅ポジションアップに成功した山本尚貴選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がオープニングラップを終えてキャシディ選手の背後につけると、4周目にはキャシディ選手を捕らえて4番手に浮上した。

2番手につけたセッテ・カマラ選手だが、山本選手、キャシディ選手らの猛追に対し防戦一方となり、18周目には2台に捕らえられる。たまらずこの周にピットに戻ったセッテ・カマラ選手はタイヤを交換するが、アウトラップでコールドタイヤをコントロールしきれず4コーナーでクラッシュ。予選で大きな注目を集めたセッテ・カマラ選手だったがデビューレースはここで終了となった。

セッテ・カマラ選手のアクシデントでレースはセーフティカー(SC)が導入される。このタイミングを狙って上位陣は一気にピットへなだれこみ、大きな順位変動はなくレース再開。再開後、まだタイヤの温まり切っていないうちにペースを上げたのがキャシディ選手で、28周目に山本を選手、31周目には平川選手をとらえてトップに躍り出た。その後も速いラップタイムを連発してファステストラップを記録。そのまま危なげなくトップチェッカーを受け今シーズン初勝利を飾った。2位の平川選手はポイントリーダーをキープ。3位の山本選手は今季初表彰台獲得となった。

驚異的なペースでSUGOを攻めたニック・キャシディ選手が第3戦で今シーズン初優勝を飾った。
予選を含め、毎戦手堅くポイントを獲得している平川亮選手は2位入賞で、目下ポイントリーダー。
10番グリッドからのスタートで鋭い追い上げを見せた山本尚貴選手は3位表彰台を獲得した。
左から2位の平川選手、1位のキャシディ選手、3位の山本選手が登壇した、第3戦の表彰式。
デビュー戦でポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ選手。決勝ではピットアウト後のコールドタイヤに苦戦してリタイアとなった。

フォト/石原康、JAFスポーツ編集部 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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