函館拠点のジムカーナシリーズも、道南大沼で本格的に始動開始!

レポート ジムカーナ

2020年10月22日

北海道の函館地区を拠点とする比較的歴史の新しいジムカーナシリーズ、函館ジムカーナチャレンジカップが、秋の気配漂う9月下旬に、観光名所、大沼近くのコースで開催された。

2020函館ジムカーナチャレンジカップRd.2
開催日:2020年9月27日
開催場所:グリーンピア大沼(北海道森町)
主催:T-FH

函館ジムカーナチャレンジカップは2015年に始まったシリーズだ。場所は函館市の北、北海道森町にあるホテル&リゾート施設、グリーンピア大沼。439万㎡という広大な敷地の一角に位置する駐車場をコースとしてジムカーナを開催している。この場所では冬にはスノートライアルも行われている。主催は函館に拠点のあるJAF登録クラブのTEAM FLY HIGH(チーム・フライハイ略称T-FH)だ。

今年のシリーズは本来は4月に開幕の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて6月までのイベントはすべて中止とすることを決定。第1戦は7月15日に行われ、年3回のシリーズに再編された。今回はシリーズ第2戦に当たるが、前日の9月26日には道南地区では初となるオートテストも開催された。大会前日の土曜日に練習会が開催されるのも、このシリーズの特徴のひとつで、オートテストが終了した午後には、いつものように練習会が開催された。

グリーンピア大沼のコースは長方形の敷地にパイロンを並べて設定する。19本のパイロンが置かれた今回のコースは前半は外周を奥まで走った後に中に切り込んで、後半はスラロームから3連続の180度ターンをこなしてゴールという設定だ。なおJAF北海道ジムカーナ選手権等に参加している上級者は、今回から設定されたEXPERTクラスにエントリーとなり、パイロンの配置は同じながら、よりテクニカルなターンを盛り込んだレイアウトにチャレンジする形になっている。

8台が出走したN-FFクラスは、第1ヒートでスイフトスポーツに乗る時兼隆祐選手が53秒635をマークするがパイロンタッチ2本を喫して幻のベストタイムに。初代ヴィッツを駆ったティーチ選手が53秒739でトップに立つ。ティーチ選手は第2ヒートで53秒369までタイムを縮めるが、期待の時兼選手は55秒台に留まり、逆転は果たせない。

ティーチ選手がそのまま逃げ切りかと思われたが、最終ゼッケン、ティーチ選手のヴィッツのオーナーで今回、ダブルエントリーで出走したKTR993選手が快走を見せ、53秒前半にタイムを叩き入れたが、0.023秒及ばず。ティーチ選手がシリーズ初優勝を達成した。

十勝スピードウェイで開催されたAE86レースに参戦経験のあるティーチ選手だが、函館チャレンジカップは前回が初出場。アルトでKクラス3位に入った。「2本目の方がミスが少なかったことと、サイドターンがうまく行ったことがタイムアップに繋がったと思います。ヴィッツはストリート仕様でオープンデフということを考えればタイムもこんなもんかな、という感じですね」と振り返った。KTR993選手も同じクルマでほぼ同等のタイムをマークしただけに、今回の二人はヴィッツのポテンシャルを最大限に引き出したと言えそうだ。

またN-4WDクラスはインプレッサがランサー勢を抑えて上位3位を独占した。優勝はGC8インプレッサを駆った佐々木俊紘選手。2位に終わった前回の雪辱を晴らすとともに、第1ヒートでマークした50秒628のタイムで見事にオーバーオールウィンを達成した。

「2本目は50秒を切らなければと思ってたんですが、結果的には1本目の方がパイロンも寄せられたので良かったですね。2本目は路面がうねってる所でサイドを引いたらクルマが大きく跳ねてしまったので、アプローチの仕方等を次回はもっと考えたいと思います」と振り返った佐々木選手は、「地区戦で勝負したいですね」とステップアップに意欲を見せていた。

この函館ジムカーナチャレンジカップの雌雄を決する最終戦は11月1日の開催。コロナ禍により、短期決戦を強いられた形ではあるが、各選手の奮闘を期待したい。

名峰駒ケ岳を遠くに望むコースは、長方形でフラットな路面を持つ。パドックやコース沿いの土手の上からはコースの全景を眺めることができる。道央自動車道大沼公園ICから僅か2分という抜群のアクセスの良さを誇っている。
今回の大会は北海道独自の新型コロナウイルス感染防止宣言、「新北海道スタイル」等に沿った感染防止策が採られた。
Girlsクラスは山田晴菜選手が2ヒートともベストタイムを奪って快勝した。
Girlsクラス優勝の山田選手。
N-FFクラスはヴィッツでダブルエントリーしたティーチ選手が優勝した。
N-FFクラス優勝のティーチ選手。
N-FRクラスは第2ヒートで2秒以上もタイムを詰めた辻口健斗選手が優勝。
N-FRクラス優勝の辻口選手。
N-4WDクラスは第1ヒートで唯一、50秒台にタイムを入れた佐々木俊紘選手が優勝した。
N-4WDクラス優勝の佐々木選手。
Kクラスは10年以上前に白老サーキットの走行経験を持つ加藤善昭選手が断トツのタイムで優勝。
Kクラス優勝の加藤選手。「サーキットも軽自動車で走ってました。ここは前回出た時はノーマルでしたけど、今回はダンパーとバネを変えてきたので、クルマ的にはもっといいタイムが出せたとは思いますね。いまはジムカーナの走りを身に着けるのが課題です。来年は補強をしたいと思ってます」。
EXPERTクラスは、JAF北海道ジムカーナ選手権のトップランカーである金内佑也選手が鋭いパイロンワークを見せて、ただ一人、1分を切るタイムで優勝した。
EXPERTクラス優勝の金内選手。
当日のコース図。EXPERTクラスは最終のターンセクションがタイトになる設定となった。

フォト/小坂和生 レポート/JAFスポーツ編集部

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