西地域では敵なし!! 5戦5勝の津野熊凌大選手
2020年10月22日
秋の深まる10月半ば、滋賀県・琵琶湖スポーツランドで全日本カート選手権・西地域第5戦が開催された。FS-125部門では津野熊凌大選手(Scuderia Sfida)が開幕5連勝を達成。FP-3部門では竹本優月輝選手(TAKAGI PLANNING)が初優勝を果たした。
2020年JAF全日本カート選手権FS-125部門/FP-3部門 西地域第5戦
2020年JAFジュニアカート選手権FP-Jr部門/FP-Jr Cadets部門 西地域第5戦
開催日:2020年10月17~18日
開催地:琵琶湖スポーツランド(滋賀県大津市)
主催:BSL
2020年全日本シリーズは、早くも西地域最後の一戦を迎えた。大会初日の土曜日は終日冷たい雨に見舞われたが、公式セッションが実施される日曜日は天候が回復、レースは好天の下で行われることとなった。
FS-125部門では、雨上がりのコースで行われたタイムトライアルで、山口大耀選手(HRS JAPAN)がまずトップを獲得、開幕戦から全勝を続ける津野熊選手が2番手となった。
すると16周の予選ヒートでは、津野熊選手が3周目に山口選手をパスしてトップに立ち、前戦に続いて決勝のポールを手にした。2番手は安藤哉翔選手(ONE POINT)。3・4番手には山口選手と鎌苅一希選手(Ash)が続いた。
決勝が始まると、津野熊選手は落ち着いてトップのまま26周のレースを展開する。2周目から圧倒的な速さを発揮して後続をぐいぐいと引き離し、8周目にはリードを2秒に広げて早くも勝負を決定づけた。
以降は津野熊選手の独走ショー。最終的に後続を5秒以上も後方へ追いやった津野熊選手は、悠々たるガッツポーズでチェッカーを受けて2戦連続のポール・トゥ・ウィンを果たし、西地域の5戦すべてを勝利で終えた。地域戦全勝は、2016年FS-125部門の佐藤蓮選手以来のことだ。
安藤選手は、スタートで先行された山口選手を終盤に抜き返して自己最上位の2位となり、2戦連続の表彰台に。5番グリッドから発進した宮島昊雅選手(ATEAM Buzz Motorsport)もラスト4周で山口選手の前に出て3位となり、表彰台には前戦中山大会と同じ顔触れが並んだ。山口選手は4位フィニッシュとなった。
この結果、津野熊選手はシリーズポイントを168点に伸ばし、総合ランキングの首位で今季最後の東西統一競技会に臨むことに。他にチャンピオン獲得の可能性を残しているのは、まだ3戦しか終えていない東地域勢の山越ヒユウ選手、小林利徠斗選手、洞地遼大選手のみ。1週間後にスポーツランドSUGOで行われる東地域第4戦の結果次第では、ポイント上、津野熊選手の戴冠が確定する可能性がある。
FP-3部門では、竹本選手がタイムトライアルで2番手に0.3秒以上の大差を付ける驚速のトップタイムをマーク。続く予選ヒートでも、竹本選手は1周目から独走を演じて決勝のポールとなった。
そして迎えた決勝。竹本選手は先頭をキープしたままレースを開始したが、予選とは異なりなかなかリードが開かない。そのペースが本調子となったのはレース3分の1過ぎ。タイヤを労わり丁寧に走ってきたことが功を奏し、竹本選手はここから他車を1周0.2~0.3秒ずつ引き離す圧倒的なスピードで、ゴールヘと突っ走っていった。
今季、たびたび抜群の速さを披露しながら、ここまで2位が最上位だった竹本選手。今回は速さに冷静さを加味した走りを見せて、文句なしの独走劇で待望の初勝利をつかみ取り、ポイントランキングも西の首位に躍り出た。ただひとつ残念だったのは、手違いでチェッカーが降られず歓喜のガッツポーズを見られなかったことだろうか。
一方、セカンドグループは最後まで白熱。坂上真海選手(TAKAGI PLANNING)、森川貴光選手(HIRAI PROJECT Ash)、森岡泉美選手(Formula blue Ash)、佐々木克行選手(DDT.HISTRY)の4台が一列に連なった集団は、レース中盤からポジションチェンジを活発化させ、バトルモードでゴールへと向かっていった。
この戦いを制したのは、FP-3部門が地方選手権として行われていた2018年に全勝チャンピオンとなった森川選手。レースが終盤戦に入ったところで2位に上がり、“全日本FP-3”では初めての表彰台に立った。ベテランの佐々木選手が2大会続けて3位表彰台に上がるも、後に車検失格に。代わって2番グリッドから4番手でゴールした坂上選手が、今季3回目の3位入賞となった。TT13番手からの挽回で一時2番手を走った森岡選手は、4位でレースを終えた。
同時開催のジュニアカート選手権・西地域第5戦。FP-Jr部門では、2連勝中の佐藤こころ選手(チームナガオ)が予選を独走してポールに着いたが、決勝では序盤戦で4番手に後退してしまった。
替わって先頭に立った落合蓮音選手(Ash with Hojust)と、その背中に貼り付いた一宮總太朗選手(KAKIE Racing Team)は、ラスト3周で激闘を展開。最後は2台ほぼ横並びで最終コーナーを回ったが、落合選手が立ち上がりでわずかに前へ出て、開幕戦以来の2勝目をゲットした。一宮選手は僅差で初勝利を逃すも、自己最上位の2位に。3位には佐藤選手の追撃を退けた宮本颯斗選手(Teamぶるーと)が入賞した。
FP-Jr Cadets部門では、スタートで2番グリッドからトップに立った金子准也選手(ラムレーシング)が2周目から独走を続け、2勝目でポイントリーダーの座を堅持。やはり序盤から単独走行を続けた田邊琉揮選手が、自己最上位の2位に。その後方でレース終盤に熱を帯びた澤田龍征選手(SKR with HIGUCHI)と楠本誠真選手(ERS with SACCESS)の接近戦は、澤田選手の3位フィニッシュで決着。決勝のポールに着きながらエンジン始動に手間取り最後尾スタートとなった楠本選手は、6台抜きの4位となった。
フォト/遠藤樹弥 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部