GT500はDENSO KOBELCO SARD GR Supra、GT300はリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが初優勝

レポート レース

2020年10月8日

SUPER GT第5戦は10月3~4日に富士スピードウェイにおいて開催され、GT500クラスではDENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)が、GT300では56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)優勝を飾った。

2020 SUPER GT Round5 たかのこのホテル FUJI GT300km RACE 開催日:2020年10月3~4日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、GTA

スーパーGT第5戦の舞台は、今シーズン3回目の開催となる富士スピードウェイ。今回、現地に入るチーム関係者とオーガナイザー1,430人、そしてメディア関係者91人は、円滑な開催の対応策として「シリーズ関係者全員を対象としたPCR検査の実施」を決定し、第4戦終了後にPCR検査を行った。

第4戦までに入場した全員の検査結果は陰性。現地入りするスタッフは全員、従来どおりの徹底した健康管理が継続された。なお今回は今シーズン初めて観客を会場に入れることになったが、観客はパドックに立ち入ることはできなかった。

3日の予選日、朝の公式練習は時々晴れ間の覗く曇天。スタンドやコースサイドには、走行する車両を撮影したり旗や応援タオルを振る熱心なファンの姿があった。限定5,000枚で販売されたチケットは瞬く間に売り切れ、追加販売が行われたという。

開幕から第4戦まで無観客開催となったスーパーGT。第5戦の富士大会は有観客開催となり、入場者数未発表としながらも、久々にグランドスタンドに観客の姿が戻った。
毎戦、翼端板のデザインに趣向を凝らしているMOTUL AUTECH GT-R。サーキットやオンラインで応援しているファンへ“ありがとう”のメッセージでアピール。
レースを華やかに彩る各チームのレースクイーンがスターティンググリッド上に並んだ。
嵯峨宏紀選手のオールドライバーズアピアランスのパフォーマンスも、有観客開催の富士からいよいよ本領発揮か!?
イベント広場ではさまざまなブースの出店で賑わった。ステージ前も観客のソーシャルディスタンスがしっかり確保されていた。
懐かしい2005年のチャンピオンマシン、ZENTセルモスープラをイベント広場に展示。当時のドライバーの立川祐路/高木虎之介組は富士大会で優勝を果たした。
天候に恵まれた富士スピードウェイの上空で行われた、エアレース・パイロットの室屋義秀選手によるフライトパフォーマンス。コースにはプロトタイプのレクサスLCもお目見え。

午後の公式予選でポールポジションを獲得したのは、GT500クラスが8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)の福住選手でこれが初。2番手は12号車カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)、3番手は19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)。

GT300クラスは今シーズン2回目となる6号車ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組)の小高選手、2番手は31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)、3番手は65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)だった。

4日は前日同様の曇天。気温21℃、路面温度29℃というコンディションの13時33分、スタンドやコースサイドでファンが固唾を飲む中、66周の決勝レースはスタート。しかし直後の1コーナーで2台の車両が接触し、3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)のボンネットがコース上に落下したために、いきなりセーフティカー(SC)が導入された。その間にトップを奪ったのは24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー組)の高星選手だった。

3周完了でレースはリスタート。5周目には24号車GT-R、8号車NSXの野尻選手に続く3番手にスタートで出遅れた12号車GT-Rの佐々木選手が追いつき3台によるトップ争いとなり、13周目の1コーナーで8号車NSXがトップを奪回。ところが12号車GT-RはSC中の追い越しがあり、ペナルティを受けるためにピットロードへ入り勝負権を失った。

20周を過ぎたあたりからルーティンピットインをする車両が出始めた。26周でトップの8号車NSXと3番手の39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)が同時にピットインしたが、アウトラップのヘアピンで39号車スープラが8号車NSXを抜いた。

そして31周で全車がピットインを済ませると、トップに立ったのは39号車スープラの中山選手で、2番手は37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ組)。3番手は100号車RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)で、24号車GT-R、8号車NSXの3台が一塊で3番手争いを演じていた。ところが35周目に24号車GT-Rがギヤトラブルのためにスロー走行となり、8号車NSXが100号車NSXをかわして3番手に上がった。

終盤の52周目、4位の14号車WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)の坪井選手が2台を抜き去り2番手に浮上。53周目には8号車NSXの野尻選手も37号車スープラをかわし3番手へ順位を上げた。レースはそのままの順位でゴール。優勝した39号車スープラはファイナルラップの最終コーナーでガス欠症状が出るという際どいレースだった。

GT300クラスでは、15周目に予選6番手の56号車GT-Rの藤波選手が、トップの6号車MC86をかわしてトップに立った。中盤のルーティンピットでタイヤ無交換作戦を採った52号車埼玉トヨペットGB GR Supra(吉田広樹/川合孝汰組)がトップに立ったが、47周目の1コーナー先で56号車GT-Rのオリベイラ選手がかわしてトップを奪還。そのまま2位以下に大差をつけてチーム2年目でうれしい初優勝を遂げた。オリベイラ選手もGT300クラス初優勝だった。

レース最終盤には52号車スープラの吉田選手に65号車メルセデス、そして予選11番手から追いついた55号車ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)が三つ巴のバトルとなり、60周目に55号車NSXの大湯選手が2台をかわし2位、61周目に65号車メルセデスの蒲生選手が3位に上がり表彰台を獲得した。

GT500クラスの優勝はDENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネン/中山雄一組。今シーズン初の表彰台&優勝となった。
第3戦の鈴鹿大会を除き、毎戦表彰台を獲得しているWAKO'S 4CR GR Supraの大嶋和也/坪井翔組。ポイント争いは首位でシーズンを折り返した。
ポールポジションから順位を落とすも、粘りの走りで野尻智紀/福住仁嶺組のARTA NSX-GTが今年初の表彰台獲得。
GT500クラスの表彰式。左から2位のWAKO'S 4CR GR Supra(大嶋/坪井組)、1位のDENSO KOBELCO SARD GR Supra(コバライネン/中山組)、3位のARTA NSX-GT(野尻/福住組)。
うれしいGT300初優勝を飾ったリアライズ日産自動車大学校GT-Rの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組。
ベテラン・高木真一選手とルーキー・大湯都史樹選手がうまく噛み合ったARTA NSX GT3が2位表彰台を獲得した。
LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟組が激しい3位争いを制し、ポイントランキングトップの座をキープ。
GT300クラスの表彰式。左から2位のARTA NSX GT3(高木/大湯組)、1位のリアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波/オリベイラ組)、3位のLEON PYRAMID AMG(蒲生/菅波組)。
スーパーGTとの併催で、33台のマシンが富士に集結したFIA-F4。選手たちにとっては待ち遠しかったシリーズが開幕した。
FIA-F4第1戦は3番グリッドから着実にポジションアップを果たした平木玲次選手が優勝。
FIA-F4第1戦の表彰式。左から2位の野中誠太選手、1位の平木選手、3位の平良響選手。
FIA-F4インディペンデントカップ第1戦を制したのはスリーワイドから抜け出した仲尾恵史選手。
FIA-F4インディペンデントカップ第1戦の表彰式。左から2位の佐藤セルゲイビッチ選手、1位の仲尾選手、3位の齋藤真紀雄選手。
FIA-F4第2戦で待望の1勝を手に入れた平良選手。「最後まで集中してペースを落とさず走り切った」とコメントした。
FIA-F4第2戦の表彰式。左から2位の荒川麟選手、1位の平良選手、3位の野中選手。
FIA-F4インディペンデントカップ第2戦は、第1戦のリベンジを果たした齋藤選手が優勝。
FIA-F4インディペンデントカップ第2戦の表彰式。左から2位の仲尾選手、1位の齋藤選手、3位のYUTAKA TORIBA選手。
FIA-F4第3戦は平良選手が連勝。レース後に「第2戦の勝利が自信に結びついての勝利」と語った。
FIA-F4第3戦の表彰式。左から2位の野中選手、1位の平良選手、3位の神晴也選手。
FIA-F4インディペンデントカップ第3戦は「少しずつ進歩しているのを実感した」というTORIBA選手が優勝。
FIA-F4インディペンデントカップ第3戦の表彰式。左から2位の佐藤選手、1位のTORIBA選手、3位の齋藤選手。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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