第4戦は開幕4連勝の宮田莉朋選手、第5戦は初優勝を阪口晴南選手が決めた

レポート レース

2020年10月5日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第2大会2レースは、9月26~27日に岡山国際サーキットにおいて開催され、第4戦は今回スポットでスーパーフォーミュラもドライブする宮田莉朋選手(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)が開幕4連勝。また第5戦ではこちらも今回スーパーフォーミュラにスポット参戦する阪口晴南選手(B-MAX RACING TEAM)が宮田選手の連勝をストップさせる初優勝を飾った。

2020年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4戦/第5戦
TCR Japan Series 2020 Saturdayシリーズ Round3
TCR Japan Series 2020 Sundayシリーズ Round3
N-ONE OWNER'S CUP Round11
ロードスター・パーティレースⅢ 西日本シリーズ第3戦

開催日:2020年9月26~27日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

今回の岡山大会も参加したのは7チーム12名で、トップフォーミュラへのステップアップを狙う9名と、ベテランドライバーによるマスタークラス3名というエントリーとなった。

また併催のスーパーフォーミュラでは、前週のル・マン24時間に出場したことで今週のレースに出場できなくなった選手の代わりに、宮田選手と阪口選手がスーパーフォーミュラをドライブすることとなり、このふたりは週末に3レースをこなす忙しい大会となった。そして53歳の影山正美選手がスーパーフォーミュラ・ライツにスポット参戦することも話題になった。

曇天の26日朝に行われた公式予選では、ベストタイムで第4戦、セカンドベストで第5戦の決勝グリッドが確定する。ここで宮田選手が両レースのポールポジションを獲得し、阪口選手が両レースで2番手。第4戦の3番手は小高一斗選手(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)、第5戦の3番手は片山義章選手(B-MAX RACING TEAM)となった。

予選日の午後に行われた第4戦は晴れの中、18周で争われた。スタートでは宮田選手と阪口選手が1コーナーでサイド・バイ・サイドの攻防を見せるが宮田選手がトップを守った。その後ろでは好スタートを決めた片山選手と小高選手が接近したバトルを見せたが、小高選手がアウト側に膨らみ7番手まで順位を落とした。代わって予選5番手の名取鉄平選手(TODA RACING)が4番手に順位を上げた。

1周目を制した宮田選手は徐々に阪口選手との差を広げていったが、終盤の13周目のヘアピンで後方の車両が接触し、1台がアウト側に止まってしまったことでセーフティカー(SC)が導入。宮田選手のリードは一気になくなってしまった。

レースは16周目にリスタート。宮田選手はファイナルラップにファステストラップを叩き出すなどして1.759秒差で逃げ切り、開幕4連勝をすべてポール・トゥ・フィニッシュで飾った。2位は阪口選手、3位は片山選手。マスタークラスの優勝は植田正幸選手(ルーニースポーツ)だった。

レース終盤に導入されたSCにより広げたリードを失いつつも、落ち着いてレースを進めた宮田莉朋選手。このラウンドでもフルマークの勝利を挙げた。
第4戦の表彰式。左から2位の阪口晴南選手、1位の宮田選手、3位の片山義章選手、マスタークラス優勝の植田正幸選手。
マスタークラスはDRAGON選手がクラストップでフィニッシュしたが、ペナルティによる降格となり、代わって植田正幸選手が優勝となった。
ダブルエントリーのスーパーフォーミュラのフリー走行メニューもこなしていきつつ、スーパーフォーミュラ・ライツで優勝を果たした宮田選手。

翌日の27日朝に行われた第5戦は、スタートで阪口選手が宮田選手を抑えトップに浮上。この2台は接近戦を展開する。後方では3番手の片山選手と4番手の名取選手がヘアピンの立ち上がりで接触。この片山選手に後続の車両が接触、スピンをしコースを塞ぐ形となり、さらに後続が渋滞となったことで第4戦に続きSCが導入されることとなった。

レースは5周目にリスタート。阪口選手と宮田選手のトップ争いは一時差が広がったものの、終盤宮田選手がファスてストラップを叩き出しながら追い上げ、僅差のままゴール。2016年の全日本F3に参戦を開始した阪口選手が、5年目にして初優勝を飾った。

2位は宮田選手、3位は小高選手だった。またマスタークラスはDRAGON選手(B-MAX ENGINEERING)となった。注目の影山選手は、第5戦が8位、第6戦が6位でレースを終えた。

前日に「スタートがすべて」と語った阪口選手が、第5戦で好スタートを切って1コーナーを制し、スーパーフォーミュラ・ライツ初の優勝を手に入れた。
第5戦の表彰式。左から2位の宮田選手、1位の阪口選手、3位の小高一斗選手、マスタークラス優勝のDRAGON選手。
DRAGON選手がマスタークラス第5戦を制し、ポイント争いは2番手以降をやや引き離し、アドバンテージを築いた。
B-MAX勢がともに優勝を果たし、カメラを目の前にしてナンバー1ポーズを取る阪口選手とDRAGON選手。

N-ONE OWNER'S CUPも本大会で11戦目を迎えた。全14戦とファイナルで争われるシリーズは、全国8つのサーキットを転戦して行われる。シリーズポイントは塚原和臣選手(TSUKAHARA RACING)と和田将人選手(アウティスタ)が同ポイントで首位、それを22ポイント差で追いかけるのが岩間浩一選手(ホンダカーズ三重)だ。

38台がエントリーした岡山大会、予選を終えた2時間半後に決勝がスタートする慌ただしいスケジュールとなった。予選で先陣を切ったのは2分11秒933を出した岩間選手。だが、岡山を得意とする小野貴史選手(レイハートエンジニアリング)が、セッション終了間際にそのタイムを上回るタイムを叩き出してポールポジションを決めた。

11時50分からの決勝では、ポールの小野選手がホールショットを奪い、逃げる展開に持ち込もうとしたが、3番グリッドスタートの岩間選手がスルリと2番手に浮上して小野選手をピッタリとマーク。

動きがあったのはレース中盤で、仕掛けたのは岩間選手。コーナー立ち上がりで小野選手を捕らえてトップに立った。その後、7周目にSCが導入されてそのままレース終了。岩間選手は今シーズン初優勝を遂げた。2位はなんとか食らいついていった小野選手、3位は予選2番手だった阿久津敏寿選手(ヌヴォラーリスポーツ)。

優勝した岩間浩一選手は昨年の富士大会ぶりの勝利。チェッカーフラッグを受けて手を振って喜んだ。
N-ONE OWNER'S CUP第11戦の表彰式。左から2位の小野貴史選手、1位の岩間選手、3位の阿久津敏寿選手。

併催されたTCRジャパンシリーズは、前戦と同じく9台がエントリー。今回はコンペンセーションの適用によってオーバーオールの篠原拓朗選手(Audi Team Hitotsuyama)と松本武士選手(Volkswagen 和歌山中央 with TEAM WAKAYAMA)には60kg、ブロンズクラスの下野璃央選手(Drago CORSE)には10kgの性能調整が設定された。

この開催で早々に行われたSaturdayシリーズ予選では、岡山をホームコースとする松本選手がポールポジションを獲得。それに続いたのはコンマ176秒差の篠原選手。また下野選手がブロンズクラスのポールを獲得し、コンペンセーション適用を感じさせない走りを見せた。

決勝は塩谷烈州選手(全薬工業 with TEAM G/MOTION’)がマシントラブルにより出走取りやめ、8台で争われることとなった。そして20分プラス1周のSaturdayシリーズ決勝、ホールショットは2番グリッドの篠原選手が奪った。ポールの松本選手はなんとか粘りの走りで追走するも、ジワジワと離されていく。

篠原選手はそのまま逃げ切りを成功させてオーバーオール優勝、そしてSaturdayシリーズ3連勝となった。一方、ブロンズクラスは、レース序盤で下野選手を捕らえたHIROBON選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】)がクラス優勝を果たした。

そしてSundayシリーズの予選では、Saturdayシリーズに続き松本選手がポールポジションを獲得した。篠原選手はコンマ081秒およばず2番手スタート。ブロンズクラスはHIROBON選手が自己ベスト更新の1分37秒177をマークしてトップ、塩谷選手と下野選手がそれに続いた。

決勝でホールショットを奪ったのは好スタートを決めた篠原選手。追いすがる松本選手だったが次第に離されていき、最終的には6秒近くのギャップとなった。優勝は逃げ切った篠原選手で、松本選手はSaturdayシリーズと同じく篠原選手の後塵を拝する悔しい結果となった。

ブロンズクラスはHIROBON選手と下野選手の一騎打ちの展開に。激しいバトルを繰り広げ、ついに下野選手がHIROBON選手を捕らえてトップに躍り出たものの、バトル中の接触が危険なドライブと判定されてペナルティを受ける。それにともない総合3位に入賞したHIROBON選手に軍配が上がった。

Saturday、Sundayシリーズともにオーバーオール優勝を果たした篠原拓朗選手。会心のスタートで2連勝となった。
岡山大会ではこの3名がオーバーオールの表彰台を独占した。左から2位の松本武士選手、1位の篠原選手、3位のHIROBON選手。またHIROBON選手はブロンズクラスで優勝。
ブロンズクラスもSaturday、Sundayシリーズで2連勝を果たしたHIROBON選手の独壇場となった。

6月28日のOKAYAMAチャレンジカップレースでは第1戦と第2戦が行われる慌ただしいスケジュールとなったロードスター・パーティレースⅢ西日本シリーズ。それからおよそ3か月が経った9月27日、待望の第3戦が行われた。パドックでは久々に集う参加者同士が和気あいあいと交流を深めていた。

エントリー25台による予選は、1分57秒台を叩き出した長田茂久選手(愉快なおっさんロードスター)と、杉野治彦選手(CUBEわくサポ・ロードスター)が突出し、ランキング首位の長田選手がポールとなった。またNDクラブマンは中原憲行選手(新聞屋NDロードスター)が総合6番手でクラストップで予選を終えた。

8周で争われる決勝、グリッド順に1コーナーへと進入していく中、昨年のチャンピオンである4番手スタートの本多永一選手(LEG Edsロードスター)が、痛恨のスタートミスで順位を後方に大きく下げるという波乱。トップ2の長田選手と杉野選手は序盤からテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げた。

動きがあったのは4周目で、長田選手がここからジリジリと杉野選手を引き離していき、トップを譲ることなくそのまま優勝。一方、3番手争いはNDシリーズの大月崇央選手(クーリングドアロードスター)と、NDクラブマンの構井将文選手(ラバーダックロードスター)、中原選手の三つ巴戦だったが、構井選手がペナルティを受けて大月選手が3位入賞。そしてNDクラブマンクラスは総合4位の中原選手が優勝となった。

ポール・トゥ・ウィンで西日本シリーズのランキング首位の座をしっかりと固めた長田茂久選手。
NDシリーズクラスの表彰式。左から2位の杉野治彦選手、1位の長田選手、3位の大月崇央選手。
松原敦史選手とのポジション争いを制した中原憲行選手が総合4位となり、NDクラブマン優勝となった。
NDクラブマンクラスの表彰式。左から2位の松原選手、1位の中原選手、3位の鎌田昌弘選手。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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