今季2戦目を迎えた四国ダートラ地区戦。萩原豪シビックが接戦を制して今季初優勝!

レポート ダートトライアル

2020年10月2日

7月に開幕したJAF四国ダートトライアル選手権は、9月上旬にシリーズ2戦目が行われ、タイトルレースが本格的に動き出した。

2020年JAF四国ダートトライアル選手権第2戦
2020年JMRC全国オールスター選抜ダートトライアル第2戦
2020 OWLほのぼのダートトライアルⅠ

開催日:2020年9月6日
開催場所:香川スポーツランド(香川県さぬき市)
主催:OWL

4月に開幕予定だった今年のJAF四国ダートトライアル選手権は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて第1戦が中止となり、5月に予定されていた第2戦も延期となるなど、シリーズの開幕が大きく遅れる形となった。待望の今季の開幕戦が行われたのは7月の第4戦で、延期されていた第2戦が今回、シリーズ2戦目として開催されることになった。なお同じく延期されていた6月開催予定だった第3戦は11月1日にシリーズの最終戦として行われることも決定している。

今年の四国地区のトピックは、新たにJMRC四国ダートトライアルシリーズとしてのタイトルが設定されたことで、地区戦のクラスとは別に、二輪駆動、四輪駆動それぞれの駆動方式別に、総合順位のポイントが与えられることになった。現在、四国地区戦はN部門とSD部門の2部門がそれぞれ二駆/四駆の2クラスを持っており、計4クラスでシリーズが競われている。当然ながらSD部門の対象車両の方が改造範囲が広いため、一般的には有利と考えがちだ。

しかし、狭くテクニカルな林道セクションを持ち、全国でも珍しいパイロンセクションが大きな勝負どころとなる香川スポーツランドでは、パワー勝負になるとは限らない。これまでもクラスを超えた最速タイム争いが選手間で暗黙に行われていたが(!?)、タイトルという形がしっかりと与えられたことで、選手達のモチベーションが一段と上がっていることは間違いない。

今回、激しいバトルが展開されたのはSD1クラス。このクラスは、絶対王者の座をキープしてきた谷正史選手のDC5インテグラに、昨年からダートラ復帰を果たした萩原豪選手のEK9シビックが、今年は真っ向から挑戦状を叩きつけている。今季の開幕戦ではヒート1では萩原選手がトップタイムを奪取。ヒート2では谷選手が意地を見せて逆転、と盛り上がった。

注目の今季第2戦。ヒート1ではトップタイムを奪った谷選手の後に、計時のトラブルで再出走となった萩原選手が2度目のトライをするという異例の形となったが、萩原選手は逆転を果たせず、2番手にとどまる。谷選手は1本目から相当の気合いで臨んでいるようだ。

勝負の2本目。香川スポーツランドは、ドライであれば、まず確実にタイムアップが可能だ。むしろ今回は路面が乾きすぎて、凄まじく巻き上がる砂埃が厄介な敵になりそうだが、四輪駆動に比べれば、それほど影響はなさそうだ。そして先走の萩原選手は2.4秒、谷選手の暫定ベストを塗り替える2分13秒819でゴールする。対するクラス最終ゼッケンの谷選手のタイムは、2分13秒台には届かず。この瞬間、萩原選手の今季初優勝が決定した。

「1本目は再走で突っ込みすぎてしまったので、2本目は失敗した所を修正して走りました。他もほぼミスなく走れました。冷静に走れたことが勝因だと思います」と萩原選手。対する谷選手は、「コースの両端にあるヘアピンでそれぞれミスしてしまった。でも次はリベンジします」と早くも、闘志を燃やしていた。注目の二駆最速の争いは、ライバルのN1クラスの谷芳紀選手がヒート2、クラッチトラブルで完走できなかったため、萩原選手が“二冠”を達成した。

JMRC四国ダートラ部会では、6月に再編されたカレンダーの発表時に、競技会参加時の新型コロナウイルス感染防止対策についてのガイドラインを示した。今回もマスク着用はじめ、ソーシャルディスタンスの徹底を呼び掛けた。
香川スポーツランドは、林道セクションとパイロンをこなす広場が特徴。パイロンは通常、ゴール前に設定されるが、ここでの走りがタイムに大きく影響する。
林道セクションから伸びた直線はヘアピンで折り返す形となる。途中で二股に分かれるため、様々なコース設定が可能になる。
N1クラスでは昨年のチャンピオン、谷芳紀選手が順当勝ちを収めたが、ヒート2はマシントラブルのため、タイムは残せず、二駆総合では3番手にとどまった。
N1クラス表彰の皆さん。
N2クラスはヒート2で4秒近くもタイムを縮めた橋本充弘選手が優勝。何度もチャンピオンを獲っているこのクラスの第一人者だが、前回はパイロンタッチなどで調子を崩して、まさかの3位。意外にも今季初優勝となった。「今日は90点くらいでしょうか。砂埃は一瞬、気になる所がありましたが、そんなに影響はなかったです。久々にオーバーオールウィンが獲れて良かったです」と、四駆最速タイムをマークした。
N2クラス表彰の皆さん。
SD1クラス表彰の皆さん。表彰台てっぺんの萩原選手は、ライバル谷選手を下して今季初優勝。
SD2クラスは、こちらも絶対王者の梶田昌弘選手が優勝。しかしヒート2では珍しくドライビングミスで大きくタイムロス。総合ベストの座はN2クラスの橋本選手に譲った。
SD2クラス表彰の皆さん。
SD1クラスではダブルエントリーしたレディスドライバーの松本ゆずか選手(左)が3位に、藤内沙霧選手(右)も4位に入賞した。「ハンドル操作はまだまだですけど、ダートラは普段は味わえないスピードを体験できるので凄く楽しいです」と松本選手。藤内選手は、「まずはミスコースしないように一本一本、集中して走っています。平常心で走ることが今の目標です。段々、ダートラが楽しくなってきました(笑)」と、この日も競技を楽しんでいた。
松木、藤内の両選手は、毎年、このシリーズに元気のいい若者達を送り込んでくる徳島工業短期大学の学生。これまでは男子の学生ドライバーを中心としたチームを組んできたが、今年はダートラ女子の2枚看板を擁して参戦中だ。
今回のコース図。2分を超える走り甲斐のあるロングコースとなった。

フォト&レポート/JAFスポーツ編集部

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