GT500はKEIHIN NSX-GTが2勝目、GT300はLEON PYRAMID AMGが逆転優勝

レポート レース

2020年9月17日

スーパーGT第4戦は9月12~13日にツインリンクもてぎにおいて無観客で行われ、GT500クラスでは17号車KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が第2戦に続き今季2勝目を、GT300クラスでは65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)がタイヤ無交換作戦で今季初優勝を飾った。

2020 SUPER GT Round4 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE
開催日:9月12~13日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド、M.O.S.C、GTA

 スーパーGTシリーズ第4戦の舞台は、今季初開催となるツインリンクもてぎ。もてぎは2009年以降250kmの最終戦として開催されており、この時期のレース開催は12年ぶり。

 現地入りするスタッフは全員、2週間前から毎日の健康状態と体温を含む症状確認フォームの入力が求められ、またサーキットのゲートでは検温チェックも行われるなど、今回も徹底した感染防止対策が行われた。

カレンダー変更後の予定どおり、今回も無観客開催となった。ゲートにはレース観戦エリア等の一般客の入場不可のお知らせを掲示。
モビパークを始め、屋外アトラクション・アクティビティは営業。サーキットから離れた場所では園内を楽しむ家族連れの姿が見かけられた。

 12日は朝から弱い雨が降ったり止んだりの不安定な天候で、午後の公式予選は路面がうっすらと濡れた状態。気温25℃、路面温度29℃とこの時期としては涼しいコンディションとなった。

 GT500クラスでは、セッションの最後に38号車ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)の立川選手がトップタイムをマークし、自己記録を更新する24回目のポールポジションを獲得。2番手に17号車NSX、3番手に8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)がつけた。

 GT300クラスでは、こちらもセッションの最後に360号車RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組)の青木選手がトップタイムをマークして、2009年最終戦以来10回目、チーム初となるポールポジションを獲得。2番手は25号車HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉組)、3番手は31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)だった。

 決勝レースの行われる13日は、朝のうちは青空だったが一気に雲が広がった。気温27℃、路面温度34℃でドライ路面の13時3分に300km、64周の決勝レースがスタートした。

 8周目のヘアピンでバックマーカーに引っかかった38号車スープラの立川選手を17号車NSXのバゲット選手がかわしてトップを奪った。10周目のV字コーナーで、5番手走行中の19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)の目の前に、コースアウトしたバックマーカーが飛び出して2台がクラッシュ。ここでセーフティカー(SC)が導入となった。

 SC導入で隊列は一気に縮まったが、再スタート後も17号車NSXはリードを広げ25周でピットインして塚越選手に交代。38号車スープラは27周でピットインして石浦選手に交代。ここで17号車NSXが再びトップに立った。

 レース後半の44周目に接触した車両のパーツがコース上に散乱したことで二度目のSC導入。8秒ほどのリードを築いていた17号車NSXだったが、ここで再び貯金を吐き出してしまうことになった。しかし再スタート後も危なげなくリードを築き第2戦に続く今季2勝目を挙げポイントリーダーに立った。2位は38号車スープラ、3位は予選7番手の16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)だった。

今シーズン4戦で2勝目を挙げたKEIHIN NSX-GT。46kgのウエイトハンデを抱えながらの勝利で、ポイントリーダーに躍り出た。
予選では好調ぶりを見せ、ポールを獲得したZENT GR Supraだが、トップにあと一歩が届かず2位表彰台で終わった。
伏兵とでもいうべきRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは、7番グリッドからのスタートで見事3位表彰台を獲得した。
GT500クラスの表彰式。左から2位の立川祐路/石浦宏明組、1位の塚越広大/ベルトラン・バゲット組、3位の武藤英紀/笹原右京組。

 GT300クラスはポールシッターの360号車GT-Rの青木選手がスタートから独走となり、それを25号車ポルシェ、4番手スタートの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)、31号車プリウスが追う展開。

 今回はタイヤ無交換作戦を採るチームがいくつかあり、予選13番手の65号車メルセデスAMGも22周と早いタイミングでピットインしてタイヤは無交換、菅波選手から蒲生選手に交代。360号車GT-Rはタイヤ4本を交換したこともあり、タイヤの温まっていないアウトラップで65号車メルセデスに逆転を許した。

 2度目のSCで各車の差は一気に縮まり、再スタート後はトップ争いに88号車JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)が絡むことに。しかし56周目のV字コーナーで360号車GT-Rはガス欠のためにスローダウンしてストップ。これで楽になった65号車メルセデスは2018年最終戦以来の優勝。菅波は嬉しいGT初優勝となった。2位は88号車ランボルギーニ、3位は61号車BRZだった。

LEON PYRAMID AMGはタイヤ無交換の作戦を採ったことが功を奏し、荒れたレース展開をものともせずトップチェッカーを受けた。
一時はトップ争いを演じたJLOCランボルギーニGT3。今シーズン初表彰台の2位で第4戦をフィニッシュした。
ウォームアップ走行時にエンジントラブルを抱えていたSUBARU BRZ R&D SPORTは、しっかり走り切って3位獲得。
GT300クラスの表彰式。左から2位の小暮卓史/元嶋佑弥組、1位の蒲生尚弥/菅波冬悟組、3位の井口卓人/山内英輝組。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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