今年のJMRC中部ダートトライアル北陸シリーズは門前3連戦で決着!
2020年9月17日
北陸の2つのダートトライアルコースを舞台とするJMRC中部のミドルシリーズのひとつ、北陸シリーズは7月より再開。雌雄を決するシリーズ後半3連戦の初戦が、輪島市門前モータースポーツ公園で開催された。
2020年JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズ第6戦
第53回 目がつりあがるよダートトライアル
開催日:2020年8月30日
開催場所:輪島市門前モータースポーツ公園(石川県輪島市)
主催:Three-R
輪島市門前モータースポーツ公園、オートパーク今庄という、いずれも全日本ダートトライアル選手権の会場としてお馴染みの2コースを舞台に戦われるシリーズが、JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズだ。
今年は3月29日の開幕戦は無事、開催されたものの、第2戦、第3戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止を決定。7月19日の第4戦からシリーズが再開された。今回の第6戦が終われば、残るは2戦となり、会場は同じく門前となる。
輪島市門前モータースポーツ公園のコースは、小高い山の地形をそのまま生かして作られたコースであるため、林道風のブラインドコーナーが続く部分と、幅の広いメインストレートとそこから高速で飛び込むギャラリーコーナーが名物となっている。ギャラリーコーナーの先にはコークスクリューという、まったく先が見えないクレスト(丘)があり、そこを下って林道セクションに飛び込むのが、門前の定番のレイアウトだ。
しかし今回は、車速の乗るメインストレートは半分しか使用せず、しかもコークスクリューを林道側から上ってギャラリーコーナーに至るという、通常とは逆走の設定が採られた。結果、中低速の林道セクションでの走りが、大きくものを言う非常にテクニカルなレイアウトで競われる形になった。
1500cc以下の2WD車両が対象のクラス1はFFのKK3ヴィヴィオを駆る、ファーストゼッケンの原口直之選手がヒート1に2分14秒31のタイムを叩き出して暫定ベストをマークする。原口選手はヒート2でも3秒のタイムアップを果たして2分11秒台まで自らのベストを更新するが、最終ゼッケンの山本吉男選手が一気に2分9秒台に入れる圧倒的なベストタイムをマーク。見事に逆転勝ちを飾った。
「1本目はミスコースしかけたり、砂利がある所とない所のグリップの差が激しくて対応できなかったので、今日は勝てそうにないなと思ってました」と振り返った山本選手だが、「2本目は路面が掃けてくれたんで走りやすくなった分、タイムも詰められました」と今回のコースコンディションに感謝しきり。前回に続いての連勝に、「次も勝てるように頑張ります」と気持ちを新たにしていた。
一方、クラス3は1500ccを超える2WD車両が対象のクラス。何と全日本ではランエボを駆るトップドライバーとして知られる近畿の矢本裕之選手が、自らのドライビング塾の生徒達とエントリーしてきた。ダブルエントリーでEK9シビックを駆った矢本選手はヒート1を2分4秒台で走って、同じく4秒台に乗せた堀内隆選手を従えてまずはトップに立った。
しかしヒート2では門前をホームコースとする堀内選手が、掃けた路面に対応すべく、EG6シビックのフロントタイヤをウェットからドライに変更したのが効いて、1分57秒台まで一気にタイムアップ。矢本選手は2分の壁を破ることができず、堀内選手のスーパーベストの前に屈する形になった。
今回最多の11台のエントリーを数えたクラス4は、ランサー、インプレッサ等の2リッター4WDターボが居並ぶクラス。ヒート1は2分の壁を巡る攻防となり、1分58秒03の小川浩幸選手がトップに立ち、59秒89と僅かながらも2分切りを果たした和田淳二選手が2番手に続いた。
トップ2台はヒート2に入っても速さを見せて、まず小川選手が1分55秒台まで自らの暫定ベストを更新するが、和田選手は1分54秒55をマークして、小川選手を逆転して首位に立った。この2台のヒート1からの勢いを見る限り、これで勝負あったかと思われたが、後走の藤田哲也選手が何と1分53秒36を叩き出して大逆転。今季、門前では2戦2勝と無敵の門前マイスターが、土壇場で底力を見せた。
「実は1本目から超硬質路用のスーパードライタイヤを履いたんですけど、思ったほどグリップしなかったので2本目は通常のドライタイヤに戻して走りました」と藤田選手。通常は、掃ける路面に合わせてウェットからドライへ履き替えるのが一般的だが、門前を熟知するがゆえの“奇襲戦法”が奏功したようだ。次戦は所属するクラブの主催のため、オフィシャルに回るが、最終戦は参戦の予定。「開催されれば、もちろん門前全勝目指して頑張ります」と気を引き締め直していた。
フォト/滝井宏之 レポート/JAFスポーツ編集部
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