いつもと違う恋の浦、SA・SAX1小武拓矢選手が「過去最高の集中力」での逆転勝利!

レポート ジムカーナ

2020年9月18日

今季の全日本ジムカーナ開催2戦目となる第7戦「とびうめジムカーナフェスティバルin九州」が福岡県のスピードパーク恋の浦で行われた。雨や曇り空となった当日は気温や路面温度が例年よりも下がったため、「いつもの恋の浦」とは様相が異なるコンディションとなった。

2020年JAF全日本ジムカーナ選手権第7戦
「とびうめジムカーナフェスティバル in 九州」

開催日:2020年9月12~13日
開催地:スピードパーク恋の浦(福岡県福津市)
主催:TOBIUME、RTCR

スピードパーク恋の浦を内包する「恋の浦ガーデン」の入口で検温と手指消毒が行われた。
事務局棟では参加確認受け付けが行われ、ビニールシートを介した業務が行われていた。
開会式とドライバーズブリーフィングが開催されたが、参加選手は集会せず、増強された場内放送を通じて、各自のパドックで聴講する形式で実施された。
リザルト掲示板は風通しのいい場所に仮設され、密集しないよう注意喚起がなされた。

 今シーズンの全日本ジムカーナ選手権は3月29日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響により大会の延期や中止が相次ぎ、開催スケジュールが見直されて、年間4戦のシリーズとしてリスタートしている。

 8月22~23日には事実上の開幕イベントとなる第5戦が北海道のオートスポーツランドスナガワで併設クラスを含めて85台の出走で行われたが、9月12~13日にはシーズン2戦目となる第7戦が福岡県のスピードパーク恋の浦で開催。78台のエントリーがあったが、SA・SAX4クラスが今季初のクラス成立となり、当日は72台が出走した。

 当日は新型コロナウイルス感染症の拡大防止策も徹底され、会場入口での検温や手指消毒が行われ、問診票となる「COVID-19誓約書」を提出。開会式やブリーフィングは集合せずに、選手がパドックでアナウンスを聞くスタイルとし、朝の慣熟歩行も2グループに分かれて、時間差で開催される等の対策が採られていた。

 スピードパーク恋の浦は、小規模なサーキットコースと広場セクションを組み合わせた2種類の設定が楽しめるコースとして知られ、例年ではコース全体を周回するハイスピードレイアウトが採用されていた。今大会の決勝コースレイアウトでは、前半でコース区間、後半ではパイロン区間を走るメリハリの効いた設定となり、後半には間隔が狭い連続ターン等が設けられ、名物の勾配のある路面でのターン操作に苦しめられることになった。

 例年の恋の浦大会は開催時期が9月ということで、例年なら残暑厳しい、路面温度も高まる灼熱の一戦として開催されていた。しかし、曇り予報で始まった今大会は、午前中には予想外の降雨に見舞われてしまい、午後の第2ヒートを迎えても強い日照が現れなかったことから、例年とは異なるコンディションでの戦いとなった。

 タイヤに厳しいと言われる路面を持つ恋の浦では、第2ヒートに自己タイムを更新できないケースが見られるが、今大会はその要因の一つである路面温度の過度な上昇が抑えられたことで、いわゆる「1本目勝負」ではなく第2ヒートでの逆転劇が見られる期待が高まった。恋の浦に強いとされるブリヂストン勢、そして路面の温度域がマッチしたアドバン勢の台頭が目立ち、各クラスで第2ヒートにベストタイムを更新する逆転劇が相次いだ。

決勝コースレイアウト。近年では定番だったコースを周回する設定は採用されなかった。
SA・SAX1クラス表彰式。優勝は今季初勝利の小武拓矢選手。2位は一色健太郎選手、3位は橋本克紀選手、4位は島田昌典選手、5位は合田尚司選手、6位は織田拓也選手。
スナガワ大会を制した2019年SA1チャンピオン一色選手。失意のゴール後に天を仰いだ。

 そんな中で、第2ヒートでの逆転劇を披露したのはSA・SAX1クラスの小武拓矢選手だった。このクラスは2019年チャンピオンの一色健太郎選手が開幕戦を制しており、昨年から続く勢いを維持しながら恋の浦の第1ヒートに挑んでいた。他の参加者が1分35秒~34秒台で推移する状況で、一色選手は唯一の1分33秒台をマーク。暫定トップに立った。

 第2ヒートは自己タイムを僅かに落とす選手が多かったSA・SAX1クラス。残り2台で出走した小武選手は、第1ヒートでは一色選手に約コンマ5秒差を付けられていたが、第2ヒートは1分33秒450の暫定ベストを叩き出して逆転。「やることはやりました!」と語りながら、最終走者・一色選手のフィニッシュを待った。

 一色選手のゴールタイムは1分33秒639。自己タイムを約コンマ15秒更新したものの、小武選手には約コンマ19秒届かず2番手だったため、小武選手の今季初優勝が決まった。

「ここで勝負できているのも、部品を提供してくれた方やクルマを直してくれた皆さんのおかげでこの場に立つことができたので、まずは皆さんにすごく感謝しています」と語る小武選手。実は、全日本ジムカーナでは金曜日に練習会が行われることが多いが、小武選手はそこで駆動系トラブルに見舞われて、遠隔地で頼りがない中で車両修復を果たし、土曜の公開練習、決勝での出走を果たし、見事な逆転優勝を獲得していたのだ。

「金曜最後の4本目にミッショントラブルに逢いまして、本村さんという地元選手にパーツを提供していたいて、オートスポーツササキさんに組み直してもらって、土曜の朝からクルマに載せて、何とか公開練習1本目に間に合わせていただきました。実績のあるお店に組み直してもらえたのでメンタル的にも楽でしたし、公開練習も1本目からしっかり練習できたので、それも大きかったですね」。

「これまで走りすぎて疲労で壊れたようなので、ちゃんとメンテナンスしないとダメだなと反省してます。スナガワの全日本とその次に出た関東地区戦は、自分のミスで成績を落としたんです。この恋の浦についても、最近は負け続けていて、勝たなきゃいけないという強迫観念というか”雑念”みたいなのがあって、ミスをしたりしてたんですよね」

「今回の決勝については、そういう次元じゃなくて、走らせてもらえるからにはいい走りをしようと思って、純粋に走りに集中できたのが良かったと思います。ホント、この前の大会までが雑念だらけだったので、今回はそこがなかったので集中力を高く維持できて、2本目の集中力は過去最高じゃないかと思うくらい集中できました」。

「自分の中では、ほぼ100点満点の走りができたんじゃないかと思います。正直、あんまり2本目の走りの記憶がないくらいで、凄く冷静に一つ一つのパイロンを捉えられたり、周りもよく見えた感じがして、過去にないくらい集中できていたと思います。これを活かして次の高い領域に行けるようにしたいですね」

 小武選手が第2ヒートに繰り出した、”雑念”を廃して集中できた100%の走り。2位に破れた一色選手は、目をつぶりながらパルクフェルメで天を仰ぎ、愛車のフェンダーを静かに叩いて次戦でのリベンジを誓っていた。

PN1クラスは箕輪雄介選手が2015年以来の優勝。PN1への移行後ようやくの初勝利だ。
PN1クラス表彰式。優勝は箕輪雄介選手。2位は小林規敏選手、3位は斉藤邦夫選手、4位は福田大輔選手、5位は今季からPN1を戦うSHUN選手、6位は高屋隆一選手。
PN3クラスは、ベテラン天満清選手が昨年の恋の浦に続くPN3では2回目となる勝利。
PN3クラス表彰式。優勝はロードスターRFの速さを示した天満清選手。2位は西野洋平選手、3位は内田敦選手、4位は川北忠選手、5位は松本敏選手、6位は松村正吾選手。
PN4クラスは第1ヒートの脱輪からベストタイムで逆転した野島孝宏選手が2連勝を獲得。
PN4クラス表彰式。優勝は野島孝宏選手。2位は石原昌行選手、3位は角岡隆志選手、4位は奥井毅選手、5位は若手期待の奥井優介選手、6位はGRヤリスで挑んだ井上博保選手。

 PN1クラスは、参戦体制を一新した箕輪雄介選手が第1ヒートのタイムで逃げ切って優勝。実に5年ぶり、PN部門では初勝利を挙げた。2位には小林規敏選手、3位には失意の斉藤邦夫選手が入った。「恋の浦のウェット路面は初体験だったんですが、1本目は意外とうまく走れたので、この流れで行ければ2本目にもチャンスがあるかなと思ってました。2本目は何とか同じくらいのタイムを残せるかなと思いましたが、コンマ7秒くらい落としたので、やっぱり2本目でのタイムアップは難しかったですね」とは箕輪選手。

 PN3クラスは、スナガワ大会で3位表彰台を獲得した天満清選手が第2ヒートに自己タイムをさらに更新して優勝。昨年、PN3では初優勝を挙げている場所だけに、天満選手がロードスターRF勢を代表して恋の浦連覇を果たした。第1ヒートではペナルティや車両トラブルに泣いた選手も多かったが、第2ヒートでは2019チャンピオンの西野洋平選手が天満選手にコンマ04秒差にまで迫ったが届かず2位。スナガワ大会では上位3台がロードスターRFが締めており、今回はロードスターRFの内田敦選手が3位に入ったことで、86やBRZに対して、ロードスターRF勢の台頭が顕在化したリザルトとなった。

 PN4クラスは、脱輪で沈んだ野島孝宏選手に代わって、沖縄の石原昌行選手が第1ヒートを制した。しかし、第2ヒートでは、パイロンペナルティに沈んだ石原選手に対して野島選手が好走。第1ヒートのタイムを約コンマ5秒逆転して、野島選手がスナガワ大会に続く連勝を挙げた。「コース区間は良く走れた印象ですが、ターンセクションではうまくいかない部分がありましたね。1本目は脱輪でしたが厳しかったですね。かなりプレッシャーはありましたが、守っていても仕方ないので攻めました。次の名阪では茅野(成樹)さんも出てくると思いますので、勝負が楽しみですね」とは野島選手。

 SA・SAX2クラスは、オートポリスで86/BRZレースに初挑戦してきた2019年SA2チャンピオン、高江淳選手が第1ヒートを制した。第2ヒートでは水野俊亮選手が好タイムを刻んだがペナルティで沈没。高江選手の暫定ベストは最後まで破られず、最終走者の高江選手も自己タイムを約コンマ4秒落としてフィニッシュ。第1ヒートのタイムで逃げ切った。「いつも恋の浦は2本目でタイムが出ないんです。自分では1本目勝負、と決めてて、ペナルティも取られずにしっかりタイムを残せたことが勝因ですね。今年も新たなライバルが出現して気を抜けないんですが、自分がちゃんと走れば問題ないことは分かっているので、自分がペナルティを取られないように頑張ります」とは高江選手。

 SA・SAX3クラスは、スナガワ大会で辛くも逃げ切った久保真吾選手が相性のいい恋の浦でも優勝。第1ヒートは1分34秒台で暫定ベストを叩き出すと、第2ヒートでも好走し、1分33秒779と自己タイムを更新。後続に2秒以上の差を付けて今季2勝目を挙げた。「2本目は自分でも納得の行く走りができたと思います。狭いターンも何とかこなしましたし、コース区間もターン区間もいい走りができました。スナガワ大会の走りは”0点”に近かったんですけど、今回は満足できるものでした。大会に出られないライバルたちが居ますが、彼らに対しても少しはメッセージを発信できたんじゃないかと思います」とは久保選手。

SA・SAX2クラスは高江淳選手が第1ヒートのタイムで逃げ切って優勝。今季2連勝を達成。
SA・SAX2クラス表彰式。優勝は確実な走りで勝利をモノにした高江淳選手。2位は井上洋選手、3位は野田太一選手、4位は楠瀬浩之選手、5位は水野俊亮選手、6位は林紘平選手。
SA・SA3クラスは、連続ターンを華麗にこなした久保真吾選手が2本共ベストで完全勝利。
SA・SA3クラス表彰式。優勝はスナガワから連勝となった久保真吾選手。2位は車両トラブルに泣いた安部洋一選手、3位は金子進選手、4位は鶴田健二選手、5位は嶋啓児選手。
SA・SA4クラスは、第1ヒートでミスコースしかけたベテラン津川信次選手が逆転優勝。
SA・SA4クラス表彰式。津川信次選手がオーバーオールタイムで優勝。2位は菱井将文選手、3位は飯坂忠司選手、4位は石元啓介選手、5位は古賀雄一選手、6位は今津誠選手。

 6台の出走で今シーズン初成立となったSA・SAX4クラスでは、2019年チャンピオン菱井将文選手と津川信次選手が異次元のタイムでベストタイムを奪い合った。第1ヒートは飯坂忠司選手が1分33秒で暫定ベストを刻む中、津川選手は前半のコース区間でスピンアウト。その後はスロー走行でタイヤを温存する。最終走者の菱井選手は1分31秒001で暫定ベストを叩き出し、津川選手の第2ヒートでの戦いぶりに注目が集まった。第2ヒートでは自己タイムを落とす選手が多かったが、”1本勝負”となった津川選手は1分30秒894というベストタイムをマーク。最終走者の菱井選手は何とタイムダウン。この結果、津川選手が逆転し、SA・SAX4クラスはシリーズ3戦での勝負となる中で貴重な1勝を挙げた。

「1本目はミスコース(笑)。そこまでの走りが凄く良くて、難易度の高いシケインが抜群に抜けられて、キター!と思った瞬間……アレ?って。あとコンマ5秒早ければ曲がれたけど、間に合わなかったんだ。2本目も前半のコース区間はいい走りができたけど、後半は路面のラバーがね。路面温度的には全然タイムが出るし、1本目でタイヤを温存したからタイヤの状況も良かったんだけど、パイロン区間はラバーの影響がね。ゴールして逆転したけど、これは菱井さんにヤラれると思ってたんだよね。そしたら菱井さんも案の定、ラバーの影響で思ったようなターンができなかったみたい。そういった所で助かった、という感じだったね。四駆の人はみんな苦労したと思うくらい難しかったけど、その中でも最低限の走りはできた感じだね」とは津川選手。

 SCクラスはスナガワ大会を大逆転で制した西原正樹選手が第1ヒートで唯一の1分30秒台で暫定トップに立ち、プレジャーレーシング勢の高橋和浩選手、調子の良かったスナガワ大会で惜敗した大橋渡選手が続いた。第2ヒートは、今季はダブルエントリーしている西原選手が先陣を切って出走したが、自己タイムを約1秒落として帰ってきた。そこで好走したのは高橋選手。西原選手も認めるいい走りを見せて1分30秒406で逆転した。続く大橋選手は自己タイムを更新したものの1分31秒台留まり。この結果、高橋選手が2014年以来久々の優勝を飾った。

「ただただ嬉しいですね。クルマが本調子になってきて、恋の浦の攻略の仕方を皆さんに教えていただいて、一つ一つ修正していったのが積み重なってプラスになったんだと思います。昨年は電装系等でトラブルが何回も出てしまい、たまたまコロナ禍で時間ができたので、車両のメンテナンスを重点的にやりました。自分の思うように動く感じになってきたので、その辺りが良かったのかなと思います。昨年のトラブルが原因不明だったんですよ。プレジャーレーシングで配線等を全面的に見直してもらって良くなったので、この人(大橋選手)のおかげです」とは高橋選手。

SCクラスは、高橋和浩選手が第2ヒートで西原正樹選手を逆転。2014年以来の優勝に。
SCクラス表彰式。優勝はマシンが復調した高橋和浩選手。2位は西原正樹選手、3位は大橋渡選手、4位は牧野タイソン選手、5位は小川謙輔選手、6位は岡本尚史選手。
PN2クラスは第1ヒートから他を圧倒した山野哲也選手が2ヒートともベストで完全勝利。
PN2クラスは山野哲也選手が今季初優勝。2位はスナガワの覇者・小俣洋平選手、3位は仲川雅樹選手、4位は大橋政哉選手、5位は中根卓也選手、6位は工藤典史選手。

 そして、スナガワ大会でデビューウィンを成し遂げた小俣洋平選手の活躍ぶりに注目が集まっているPN2クラスでは、"100勝王者"山野哲也選手が一矢報いる結果となった。

 早くも「山野VS小俣」の図式で今シーズン注目のバトルとなっているPN2クラス。恋の浦の第1ヒートでは山野選手がブッちぎりのトップタイムをマークしてみせた。第1ヒートではスローダウンとなった小俣選手だったが、第2ヒートでは1分35秒台で山野選手には届かず2番手に留まってしまったことで、最終出走の山野選手はウィニングランとなった。しかし、山野選手は自己タイムを更に削ってベストタイムを更新。2ヒートともベストのパーフェクトウィンを獲得した。1分36秒台での3位には、スナガワ大会に続いて表彰台獲得となったスイフトスポーツの仲川雅樹選手が入っている。

 スナガワ大会で勝利した小俣選手に対してリベンジを果たした山野選手。恋の浦での今シーズン初優勝の瞬間には大きな喜びを披露し、以下のように勝因を語ってくれた。

「今回の恋の浦は、今までで最も気温と路面温度が低い大会だったんだ。例年のような暑い環境なら、PN2クラスは気温や路面温度が一番高い時間帯に走るから、第2ヒートでタイムを更新するのが難しかったんだよね。それが今回の第2ヒートは路面温度が35℃くらいだったので、タイヤにとっては適していて、自分と124スパイダーのパッケージとしても、第2ヒートの方がタイムを出せる可能性が高かったんだ」。

「実は、第1ヒートの路面がかなりスリッパリーで、金曜や土曜とも違う路面だったんだ。例年の恋の浦と比べると、決勝1本目のコンディションは過去最高に難しかったと言えるくらい。そんな状況でも1本目でしっかりタイムを残せたことが自信に繋がったし、第2ヒートは第1ヒートのミスを修正するべく、ダンパーとタイヤのエア圧を調整して、それがどう出るか分からなかったけど、いい方向に行った、という事だったんだ」。

「これまでスナガワと恋の浦はブリヂストン向きの路面と言われてきたんだよね。だけどスナガワではヤラれてしまったし、そうなると恋の浦でもヤラれてしまう事になる。次の名阪スポーツランドCコースは、自分の勝率が極端に低いコースなので、恋の浦で優勝できないと、山野哲也の2020年シーズンは終了してしまう事になるんだ。そんな思いから、恋の浦で勝つために、過去のデータを見直して、最適と思われる具材を持ち込んだんだ」。

「環境もクルマも年々進化しているから、持ち込んだセットが通用するかは分からない。でも、一度振り返るべきだと思ったんだ。特に大きかったのはダンパーで、会場でも今まで試したことがないスプリングレートや空気圧にチャレンジして、決勝日には最適であろうセットを試したんだ。吉と出たのか凶と出たのかは分からないけど、順位としては良かった。パッケージの中では最高のパフォーマンスが発揮できたと思ってるよ」。

「今年の最大のライバルは小俣洋平選手であることは間違いないんだけど、第1ヒートを終えた時点で、ライバルは彼だけじゃない事に気付かされたんだ。今回はヨコハマユーザーが凄くて、PN1もPN3でもガツンと来てたよね。決勝の状況にもの凄くマッチしていたんだ。第1ヒートは小雨の影響もあったし、第2ヒートではみんな1秒以上タイムアップする余地があった。正直、第2ヒートでは3~4人ぐらいに逆転されてしまうとも思ってたんだ。でも、今回は何とか逃げ切ることができたけど、これからの季節を考えると、小俣選手以外のライバルの存在も意識しないといけないなと思うことができた一戦だったね」。

今大会のPN4クラスには9月4日に発売されたばかりのGRヤリスがフルノーマル状態ながら参戦。持ち込んだのは地元の井上博保選手で、GRガレージ福岡空港の協力で実現した。

フォト/西野キヨシ、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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