ジムカーナ

  • Twitter
  • Facebook
2020-09-09
JAF関東ジムカーナ選手権が宝台樹で開催。激戦区PN5クラスは中村光範BRZが気迫の走りで2勝目ゲット!

 

7月からリ・スタートとなったJAF関東ジムカーナ選手権は、シーズン4戦目となる戦いが群馬県の宝台樹スキー場で開催され、参加31台という激戦区となったPN5クラスは中村光範選手が、2ヒートともベストの走りで快勝した。

 

2020年JAF関東ジムカーナ選手権第8戦
JMRC関東オールスターシリーズ第8戦
JMRC全国オールスター選抜第8戦
K・S・Cハイスピードスラローム

開催日: 2020年8月30日
開催場所: 宝台樹スキー場駐車場(群馬県みなかみ町)
主催: K・S・C

 

 8月30日、JAF関東ジムカーナ選手権第8戦が群馬県の宝台樹スキー場駐車場にて開催された。毎年全10戦で行われるJAF関東ジムカーナ選手権だが、今年は新型コロナウィルスの影響を受け、第3戦~第5戦、そして第7戦の4戦分が開催中止となり、この第8戦は今季の4戦目となる。

 

 開催にあたっては、依然コロナ禍ということもあり、参加選手及び関係者は入場ゲートでの検温を実施、会場内では密集密接を避け、マスク着用を促し、消毒用のアルコールをトイレや受付に設置する等、感染拡大防止が徹底された。

 

 そして全国的に30度を超える猛暑日が続いていることもあり、受付ではドリンクや塩飴が用意され、コロナ対策に加え、熱中症に対しても予防策が採られた。会場の宝台樹スキー場は、標高が高く、平野部ほどの気温にはならないが、それでも当日は30度近くまで上昇し、厳しい暑さの中での開催となった。

 

 宝台樹のコースは駐車場を利用したフルパイロンコース。ストレート区間はほとんど無く、スラロームやターンを織り交ぜ、絶えず横Gがかかるテクニカルな設定だ。また、スタート地点から奥にかけて傾斜が付いており、さらに中央付近がやや盛り上がっている、かまぼこ状態となっているため、コース図だけでは読み取れない路面となっている。

 

 ゆえにターンの向きや脱出方向によっては、アプローチで減速し切れなかったり、ターンを回り過ぎたりといった、致命的な失敗に直結してしまうため、選手達は皆、慣熟歩行で念入りにチェックしている様子が伺えた。

 

 参加台数は全クラス合わせて105台。その中で最も盛況だったのが31台の参加となったPN5クラスだ。これは今シーズンからPN6クラスと共に関東地区戦に新設されたクラスで、車両の改造範囲はPN車両と同じだが、使用するタイヤに規制がかけられ、『UTQG(米国運輸省が定めたタイヤの評価基準)のTRED WEAR(耐摩耗性)が280以上』のタイヤとなっており、耐摩耗性を重視したタイヤにすることでランニングコストを抑える事を目的とされている。

 

 PN5クラスは排気量制限無しの2輪駆動車が対象でFF車、FR車が混走で争われ、選手の顔ぶれも関東地区の実力者が多数参戦し、参加台数と相まって毎戦激しい戦いが繰り広げられている。そのPN5の第1ヒートをトップで折り返したのは第2戦の覇者、BRZを駆る中村光範選手で、1分15秒455でトップタイムをマーク。しかし続く2~7番手の選手までが同じ15秒台と、やはり今回も予断を許さない状況となった。

 

 そして第2ヒート、中村選手のタイムを0.3秒更新したのが、フィットで孤軍奮闘する橋本恵太選手。パワー的にはやや不利とも思われるフィットを巧みに扱い、1分15秒196のタイムで暫定トップの座を奪う。その後、競技は後半ゼッケンへ突入していくが、路面温度の関係か、大幅なタイムアップを果たす選手が現れず、橋本選手がトップを保持した状態で中村選手の第2ヒートがスタート。

 

 ここで中村選手は自己タイムを0.7秒更新、唯一の14秒台となる1分14秒726台を叩き出す。これが決勝を制するタイムとなり、中村選手が再逆転で優勝となった。「今回のコースは駆動方式やタイヤ銘柄の差が出ない、絶妙な設定だと思いました。ここは標高が高く空気が薄いので、パワー不足をカバーするため、極力スピードを落とさない走りに徹しました。ターンの立ち上がりでは回転を落とさぬよう、いつも以上に半クラッチを使いましたね」と中村選手は戦いを振り返った。

 

 一方、惜しくも敗れてしまった橋本選手は、「2本めに14秒台に入らなかったのが悔しいですね。でも仮に入ったとしても中村選手のタイムには及ばなかったと思います」と分析。圧倒的な速さを見せつけた中村選手が今季2勝目を上げる結果となった。

 

 今回は全日本選手権を主戦場とする選手も多数参加し、各クラスでその実力を発揮する結果となった。PN1、PN2クラスでは超ベテランの斉藤邦夫選手とZマイスター河本晃一選手が、それぞれ2位以下を1秒以上引き離す速さで圧勝。PN3クラスは第2ヒートで大きくタイムダウンしてしまったものの、大坪伸貴選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季2勝目を飾った。

 

 元SA1ドライバー若林隼人選手と現SA1ドライバーの小武拓矢選手の一騎打ちとなったSA1クラスは、久しぶりのSA車両で第1ヒートはスピンを喫した若林選手が第2ヒートで逆転。0.2秒差で勝利を収めた。SA2クラスではその若林隼人選手の実弟、拳人選手が優勝し、兄弟でW優勝となった。 また、SC/Dクラスでは、中部地区から遠征の佐藤宗嗣選手が、初の宝台樹に戸惑いながらも、ヒート1のミスコースから逆転で優勝を決めた。

 

ドライバーズブリーフィングは、三密を避けるために、場内放送で行われ、参加者は各自のパドックで説明に聞き入った。

 

感染防止のための、手指消毒用のアルコールも用意された。

 

熱中症対策として、飲料や塩飴なども用意された。

 

PN1クラスは、今年は地区戦にも参加している斉藤邦夫選手がシーズン3勝目をマーク。「今年はこういった状況なので、皆の懐を借りてトレーニングさせてもらってます(笑)。ただ、勝負なので自分が勝つなんて決まっている訳でもないし、そこは真剣にやらせてもらってます。2本めはタイムアップしたけど、ちょっと失敗しちゃったんで、走りとしては不本意でしたね」。

 

PN1クラス表彰の皆さん。

 

PN2クラスでも全日本ドライバーの河本晃一選手が快勝した。「今シーズン初めての競技です。競技は昨年の鈴鹿以来、半年以上振りなので、実は結構、緊張しました。宝台樹は3年位前に少し走っただけなので、現状のセッティングで一から走りを組み立てる事から初めました。今回はそれが上手く行って、2本目に良いタイムを残す事ができたと思います」。

 

PN2クラス表彰の皆さん。

 

PN3クラスでは大坪伸貴選手がヒート1のタイムで逃げ切り、今季2勝目を獲得した。「1本めは路面にホコリが残っていたので、外周は抑えて、細かい区間は丁寧に、っていう感じで走りました。2本めはかなり無理をした走りを試してみましたが、やっぱり無理でした(笑)。そういった意味では、それなりに収穫があった一戦でしたね」。

 

PN3クラス表彰の皆さん。

 

参加31台と最大の激戦区となったPN5クラス表彰の皆さん。

 

PN6クラスは第1ヒートでともにミスコースに沈んだ二人が1-2フィニッシュ。優勝した金子博選手は、「2本めは慎重に、確実にタイムを残すようにパイロンとのソーシャルディスタンスを取りました(笑)。(新設のPN6に変わった事により)タイヤが昨年までと大きく変わりましたが、セッティング自体大きく変わったという事はありません。バネレートを1キロ柔らかくしたくらいです。細かいところはトーやキャンバーを調整しました」。

 

PN6クラス表彰の皆さん。

 

SA1クラスは全日本ではPN車両をドライブする若林隼人選手が、小武拓矢選手との“全日本対決”を制して優勝した。

 

SA1クラス表彰の皆さん。

 

SA2クラスは、8月の全日本スナガワラウンドをパスした若林拳人選手が快勝するも、「今年は練習不足が響いてますね」と納得の走りではなかった様子。地区戦はこれで2戦2勝となった。

 

SA2クラス表彰の皆さん。

 

SA3クラスは金子進選手が2ヒートともきっちりベストタイムを刻んでシーズン2勝目を獲得した。

 

SA3クラス表彰の皆さん。

 

SA4クラスはヒート1のペナルティから起死回生の走りを見せた高瀬昌史選手が優勝。「練習不足が顕著に出てしまいました。朝の準備段階から始まり、慣熟歩行でも走りが組み立てられず、そんな状態で走っているから、上手く行くはずもなく、負の連鎖でした(笑)。そういった中で、落とし所を見つけてようやく走ったという感じですね」。

 

SA4クラス表彰の皆さん。

 

SC/Dクラスは中部から遠征の佐藤宗嗣選手が優勝。「宝台樹は初走行です。外周が怖いです(笑)。前日練習では3本ミスコース、今日の本番でも1本目ミスコースと、どうなることかと思いました。2本目は間違いの無いように走るのが精一杯でした(笑)」。

 

SC/Dクラス表彰の皆さん。

 

今回のコース図。前半は中高速のターンが続き、中間とゴール手前にパイロンターンが続くという、程よく緩急がつけられた設定となった。

 

フォト&レポート/友田宏之