FIA、スーパーライセンス取得の公平性を担保するための措置を検討

ニュース その他

2020年9月9日

2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界中のカテゴリーやシリーズで延期や中止の措置が採られてきた。ここにきてFIAがF1参戦に関わる、いわゆる「スーパーライセンス」取得要件に関するリリースを発表。ここではその概要を紹介する。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがモータースポーツ、特に2020年のスケジュールに大きな制限が加わっていることに鑑みて、FIAはスーパーライセンスの取得に関しジュニア・フォーミュラの競技者に対して公平で公正な機会を提供できるよう検討を開始したと発表した。

 FIAシングルシーター委員会のステファノ・ドメニカリ委員長は下記のようにコメント。

「COVID-19のクライシスはモータースポーツのみならず全てのスポーツ活動に大きな影響を与えています。多くのレースシリーズは経済的に困難な状況であり、競技者もレースシリーズの中断、そして再開に関して不安と懸念を抱いています。これらはFIAのシングルシーターのキャリアパスに対し悪影響を及ぼす可能性があると認識しています」

 その上でFIAとしてスーパーライセンスのワーキンググループを通じ、競技者に対し公平性を担保した上で再開されるであろうレースシリーズへの参加を促し、安定性をシリーズ(主催者)、チーム、競技者に保証することを検討する、としている。

 一部の国を除いて、FIA支配下にあるジュニアフォーミュラのレースのほとんどはシリーズを停止しており、このままではシリーズ開催国・地域と、法令によりシリーズの開催が不可能な国の参加者の間でドライバーのキャリアパス、ひいてはスーパーライセンスの発給へ向けて大きな差が生まれることになる。

 FIAはその点についての懸念を既に各国のステークホルダーと共有しており、スーパーライセンスワーキンググループを主体にこの問題に対しアクションを起こすことを表明している。FIAドライバーズコミッションのトム・クリステンセン会長もこの件について、下記のようにコメントしている。

「変更され続ける2020年のカレンダーがドライバーに不安を与え、スーパーライセンスポイントの獲得チャンスの不均衡がFIAの構築するレーシングラダー(キャリアパス)に悪影響が与えることは認識しています」

「ワーキンググループはこの状況の変化によってドライバーが不利にならないよう、ポイントシステムのバランスを維持するためにシングルシーターのステークホルダーと協議を行なっています」

 協議、施策決定のスケジュールについては未だアナウンスされていないが、10月初旬に開催される予定のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)等において、何らかの方針が示される見込みとなっている。

フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ