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2020-09-08
全日本F3から衣替えした「スーパーフォーミュラ・ライツ」、ツインリンクもてぎの第1大会で宮田莉朋選手が3連勝!

 

エンジンのマルチメイクという全日本フォーミュラ3選手権のスタイルを引き継ぐ形で今年からスタートした「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」は、8月29〜30日にツインリンクもてぎで第1大会3レースが初開催され、宮田莉朋選手が3連勝を飾った。

 

2020年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦・第2戦・第3戦
TCR JAPAN SERIES 2020 Saturdayシリーズ Round 2
TCR JAPAN SERIES 2020 Sundayシリーズ Round 2
2020 N-ONE OWNER'S CUP Rd.10

(2020年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦内)
開催日:2020年8月29〜30日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:(株)ツインリンクもてぎ、M.O.S.C.

 

 

 全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催する形で今季から始まった「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」。昨年までの全日本フォーミュラ3選手権の「エンジンはマルチメイク」というスタイルを踏襲する形で新たにスタートすることになった。

 

 これは、従来の「フォーミュラ3(F3)」という名称は「FIA F3」だけに限定されることになったこと、そして、各国(地域)の選手権には「フォーミュラ・リージョナル」(エンジンはワンメイク)という名称を使用することになったことにも起因する。

 

 スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)で使用するマシンは、シャシーはダラーラ社製320のワンメイク、タイヤも横浜タイヤのワンメイクだが、エンジンサプライヤーは株式会社トムス、Siegfried Spiess Motorenbau GmbH、株式会社戸田レーシング、東名エンジン株式会社4メイクスとなった。

 

 今回の開幕戦に参加したのは7チーム12名で、スーパーフォーミュラ等へのステップアップを狙う9名がエントリー。ドライバー部門としては、選手権クラスにベテランドライバーによる「マスタークラス」が併設され、こちらには3名というエントリーとなった。

 

 第1大会となるもてぎラウンドは、土曜午前に第1戦と第2戦のグリッドを決める公式予選が行われ、宮田莉朋選手(カローラ中京Kuo TEAM TOM’S)がベストタイムをマーク。予選の順位が第1戦のグリッドとなり、セカンドベストも宮田選手が奪ったことから、開幕2戦とも宮田選手がポールポジションを獲得した。

 

 チームメイトの小高一斗選手(カローラ中京Kuo TEAM TOM’S)は共に2番手、代役参戦となった高星明誠選手(B-MAX RACING TEAM)が同じく3番手に着けている。

 

 第1戦の決勝レースは土曜の夕方16時15分から20周で行われ、宮田選手がスタート良く飛び出して独走態勢を築いた。後方では1周目に阪口晴南選手(B-MAX RACING TEAM)と名取鉄平選手(TODA RACING)が小高選手を捕え、それぞれ2、3番手に浮上する。

 

 宮田選手は今回最長の20周のレースで独走。2位に12秒差を付けて優勝した。2位にはこちらも単独走行となった阪口選手が入った。3位争いは3台による攻防で、名取選手が3位、小高選手が4位、スタートで出遅れた高星選手が5位となった。マスタークラスはDRAGON選手(TEAM DRAGON SFL)が制した。

 

今大会では最長となる20周の第1戦決勝レースをニュータイヤでスタートしたTOM'S勢。ポールの宮田莉朋選手は序盤から快走。安定したタイムを刻んで後続を大きく引き離した。

 

開幕戦の1レース目を制して「F3に挑戦してからポールポジションは獲れても、開幕戦での優勝はなかったので、ようやく結果を残せて最高のスタートを切れた」と語る宮田選手。

 

3番グリッドからスタートした名取鉄平選手。2番手阪口晴南選手からは離されたものの、後続から追い上げる小高一斗選手とは、ファイナルラップまでコンマ差のバトルが続いた。

 

第1戦表彰台。優勝は宮田莉朋選手、2位は阪口晴南選手、3位は小高一斗選手の追い上げを辛くもかわした名取鉄平選手だが、表彰式直前に体調不良に見舞われ登壇できなかった。

 

第1戦マスタークラス優勝はDRAGON選手。2位は植田正幸選手、3位は吉田基良選手。

 

スーパーフォーミュラと同様に、SFLでも記者会見はオンライン形式で実施された。

 

 

 第2戦の決勝レースは気温30℃を超える日曜の朝9時5分に14周でスタート。このレースもポールスタートの宮田選手が中盤以降リードを広げ連勝。2位は小高選手が順位を守ってゴールした。3位は予選4番手からのスタートで高星選手をかわした阪口選手が入った。マスタークラスは吉田基良選手(B-MAX ENGINEERING)が唯一完走で優勝を決めた。

 

 本大会の最終レースとなり、日曜の16時20分スタートした第3戦。このグリッドは第1戦のリザルトで決定され、宮田選手が後続を寄せ付けない走りで3連勝。さらに第1戦と第2戦でポールポジションを獲得して、3レースともファステストラップを獲得したことから、宮田選手はフルマークの35点を獲得。幸先の良い開幕ラウンドとなった。

 

 第3戦の2位は阪口選手、3位は小高選手。これによりもてぎ大会終了後のランキングは35点の宮田莉朋選手が1位、19点の阪口晴南選手が2位、15点を獲得した小高一斗選手が3位となった。第3戦マスタークラスはDRAGON選手が2勝目を飾っている。

 

14周の第2戦はポールスタートの宮田莉朋選手が後続を9秒以上引き離して連勝。高星明誠選手にファステストを奪われる展開にも冷静に対応してフルポイントを獲得した。

 

第2戦の優勝は宮田莉朋選手、2位は小高一斗選手、3位は阪口晴南選手。4位は高星明誠選手で、公式テストで速さを見せた河野駿佑選手は今大会最上位の5位フィニッシュ。

 

第2戦マスタークラスは吉田基良選手が優勝。DRAGON選手と植田正幸選手はレース序盤で車両トラブルに見舞われコースサイドにマシンを停車。2台ともリタイアしてしまう。

 

SF決勝の後に行われた第3戦は、第1戦ウィナーの宮田莉朋選手がポールスタート。セクターベストやファステストを幾度も更新しながら、1分45秒台をキープした圧巻の走り。

 

14周で行われた第3戦は宮田選手が制して開幕3連勝を達成。9周目にファステストをマークして獲得ポイントをフルマーク。”後がない”今シーズンだが、最良の形でスタートした。

 

今季はフォーミュラリージョナルとスーパーフォーミュラ・ライツの両方を追うことになった阪口晴南選手。FRJCでの快進撃とは裏腹に、SFLでは開幕3戦とも苦戦を強いられた。

 

第2戦ではエンジントラブルに見舞われたDRAGON選手。エンジン交換によりグリッドダウンを強いられたが、今週末の好調ぶりが復活し、マスタークラス今季2勝目を飾った。

 

 

 スポーツランドSUGOの開幕戦に続く、今年2回目のTCRジャパンシリーズが8月29日~30日、ツインリンクもてぎで開催された。

 

 設立2年目を迎えた同シリーズには計9名がエントリー。真夏の空の下、土曜の8時30分よりSaturdayシリーズ第2戦の予選が行われ、Saturdayシリーズ開幕戦で最後尾から逆転優勝を果たした篠原拓朗選手(Audi RS3 LMS)がポールポジションを獲得した。

 

 僅差の2番手に着けたのは2019年Sundayシリーズでオーバーオールのチャンピオンに輝いた松本武士選手(Volkswagen Golf GTI TCR)で、オーバーオールの2名がフロントローを獲得。

 

 3番手は今年のTCRジャパンで初めてツーリングカーレースのデビューを果たした女性ドライバー、下野理央選手(Honda CIVIC TCR)で、アマチュアドライバーを対象にした「ブロンズクラス」で最上位を獲得した。

 

 65分のインターバルを挟んで行われたSundayシリーズ第2戦の予選では、松本選手がポールポジションを獲得し、篠原選手が0.006秒差の2番手と惜敗。再びオーバーオールの2名が最前列に並び、下野選手もブロンズクラスの最前列となる3番手と続いた。

 

 20分間に1周をプラスしたSaturdayシリーズ第2戦は土曜の13時35分にスタート。ここで好スタートを決めたのが2番手スタートの松本選手で、ポールポジションの篠原選手に並んだ状態で第1コーナーに進入した。しかし、篠原選手がポジションをキープ。その後は安定した走りで篠原選手がレースを支配した。

 

 篠原選手は「Saturdayシリーズでポールポジションを獲得できましたが、予選のセットアップは上手く行ってませんでした。決勝前にセットアップを変更したら良くなっていて、スタートで出遅れて並ばれましたが、それ以降は納得のいくレースができました」と語るように、ポール・トゥ・ウインでSaturdayシリーズの今季2連勝を果たした。

 

 対する2位の松本選手は「篠原選手が出遅れたので並ぶことができたけれど抜くことはできませんでした。ブレーキが厳しくなることはわかっていたので、その段階でもう抜くことは無理だと思いました。実際、レース後半はブレーキをいたわりながら走っていました」とのこと。

 

 一方、レース終盤に松本選手の背後に迫っていたのが下野選手。「予選から調子が良かったので、4位以内に入れるだろうと思ってました。後2周ぐらいあれば2位に上がれたと思いますが、ブロンズで優勝できたので良かったと思います」と悔しさを語るように、下野選手が3位入賞を果たすとともに、ブロンズクラスで勝利を獲得した。

 

 明けた日曜も朝から真夏の太陽に照らされて、11時55分から20分間+1周で争われるSundayシリーズ第2戦がスタートした。

 

 ここではポールポジションの松本選手と2番手の篠原選手がオープニングラップからサイド・バイド・サイドのトップ争いを展開。7周目には松本選手と篠原選手が接触しながら接近戦を演じる他、最終ラップにも再び両者がコンタクト。篠原選手はランオフエリアに押し出されるなど激しいトップ争いが展開されたが、最後まで松本選手がトップを守り抜いて待望の今季初優勝を獲得した。

 

「今日はブレーキパッドの効き目を落としてライフの長さを優先させました。1周目に篠原選手が来る事は分かっていて上手く抑えることができました。最終ラップは1コーナーで篠原選手が当たってきたので、こちらも意地で行きました(笑)」と振り返る松本選手。

 

 その篠原選手は「1周目に勝負をかけたんですけど、松本選手が上手くてかわすことができませんでした。最初に抜けたかったのが敗因です。悔しいですね」と2位に惜敗。

 

 一方、再び3位入賞を果たしたのは下野選手。「スタートはSaturdayシリーズより上手くいったんですけど、スーパーフォーミュラの予選後の路面だったこともあり、前半戦のペースアップができませんでした。後半戦に合わせたセットアップをしているので、前半はドライバーが頑張らないといけないんですけど、無理をしてタイヤを傷めてもいけないので、前半をいかに走るかが課題です」と語るように、2戦連続でブロンズクラスを制した。

 

土曜に行われたSaturdayシリーズ第2戦はアウディの篠原拓朗選手がポール・トゥ・ウィン。

 

篠原選手は後続の松本武士選手を7秒以上引き離した快勝で、Saturdayシリーズ2連勝。

 

Drago CORSEの下野璃央選手が総合3位に入賞。ブロンズクラス初優勝を果たした。

 

Sundayシリーズ第2戦はポールポジションの松本武士選手が篠原選手を振り切って優勝。

 

土曜に続いて総合3位は下野璃央選手。ブロンズクラス2連勝の期待のニューカマーだ。

 

ブロンズクラスの2位争いは塩谷烈州選手とHIROBON選手が激闘。塩谷選手が4位に。

 

 

 スーパーフォーミュラ開幕戦ではスーパーフォーミュラ・ライツが3レース、TCRジャパンシリーズが2レース、そして土曜にはN-ONEオーナーズカップ第10戦が併催された。

 

 同シリーズは文字どおり、ホンダの軽自動車「N-ONE」によるワンメイクレースで、全国主要7か所のサーキットを転戦する全15戦のシリーズだ。

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で第2戦と第3戦が中止となったが、すでに他の各ラウンドでは激しいバトルが展開されており、第10戦となるもてぎ大会にも36台が集結。土曜の朝9時にスタートした予選では激しいベストタイム争奪戦が展開されていた。

 

 そこで素晴らしいパフォーマンスを披露したのが、「18歳で免許を取って、まだ1か月です。これまでレンタルパッケージのカートレースに参戦した経験はありますが、四輪レースは初めてです」と語る吉田恭将選手(N-ONE新潟中央栃尾)だった。

 

 吉田選手は2016年のN-ONEチャンピオン吉田綜一郎選手と、2019年にランキング3位に輝いた吉田隆ノ介選手を兄弟に持つ“吉田三兄弟”の三男で、二人の兄が培ってきたノウハウを活かして、後続に1.2秒以上の差を付けて予選でトップタイムをマークした。

 

 12時25分からの決勝でもスタート直後から後続を引き離し、「金曜の練習走行からセッティングがうまく行き、決勝も落ち着いて走ることができました。100点のレースができたと思います」と語るように、吉田恭将選手が初陣をポール・トゥ・ウインで飾った。

 

 注目の2番手争いは、5番グリッドからスタートした川福健太選手(YHアウティスタN-ONE)が6周目に逆転を果たして2位入賞。3番グリッドスタートのベテラン岩間浩一選手(HCM☆SUPER☆N-ONE)が3位で表彰台を獲得した。

 

N-ONE第10戦は”吉田三兄弟”の三男・吉田恭将選手がポールからデビューウィンを飾る。

 

緊張の面持ちでグリッドに並ぶ吉田恭将選手。運転免許取得1か月での初挑戦だった。

 

パルクフェルメでは、トップフィニッシュの吉田恭将選手がようやく笑顔を見せる。

 

N-ONE第10戦表彰台。優勝は吉田恭将選手、2位は川福健太選手、3位は岩間浩一選手。

 

 

フォト/石原康、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部、廣本泉