スーパーフォーミュラ、ツインリンクもてぎでついに開幕! 平川亮選手がコースレコード更新でポール・トゥ・ウィン!!

レポート レース

2020年9月8日

8月30日、栃木県のツインリンクもてぎで全日本スーパーフォーミュラ選手権がついに開幕した。予選では昨年更新されたばかりのコースレコードを大幅に塗り替えた平川亮選手が、決勝では一度も首位を譲ることなくポール・トゥ・ウィン。自身2勝目を手にした。

2020年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦 ツインリンクもてぎ
開催日:2020年8月28~30日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:(株)モビリティランド、M.O.S.C.

スーパーGTは無観客だが、スーパーフォーミュラは開幕戦から観客を迎えて開催した。
予選でコースレコードを更新し、スタートから一人旅を続けた平川亮選手が開幕戦を制覇。
星野一義総監督はパルクフェルメで「完璧じゃないマシンにも関わらず後ろを見ながら集中できたのはすごい成長。賞金は100%、ドライバーにあげます」と平川選手を絶賛。

 新型コロナウイルスの影響を受け延期されていたスーパーフォーミュラがいよいよ開幕。例年とは異なり予選と決勝を日曜に行う1デイ開催となり、他にもレース距離の短縮とレース中のガソリン給油禁止、タイヤの1スペック制等など、様々なルール変更を実施。4800人(日曜)の観客を迎えた栃木県のツインリンクもてぎで開幕戦が行われた。

 30日の午前に行われた予選では、平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)は2組に分けられたQ1をクラス2番手で通過すると、Q2ではコースレコードタイムを大幅に上回るタイムでQ3へ進出。さらにQ3ではそのタイムをわずかに縮め、新たなコースレコードタイムの1分31秒083でポールポジションを獲得した。

 予選で2番手に着けたのは、昨シーズンの全日本フォーミュラ3選手権・王者でスーパーフォーミュラではルーキーとなるサッシャ・フェネストラズ選手(ORIENTALBIO KONDO SF19)。3番手には山下健太選手(ORIENTALBIO KONDO SF19)が入り、トップ3をトヨタエンジンユーザーが独占した。ホンダ勢で唯一Q3進出を決めたルーキーの大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING SF19)で、4番手スタートとなった。

 35周の決勝レースでは、平川選手が落ち着いた好スタートを切る一方、フェネストラズ選手は僅かに加速が遅れ、山下選手が2番手に上がることに。山下選手はオーバーテイクシステム(OTS)も使いながらそのまま平川選手にも並びかけて行くが、前に出ることはかなわず。平川選手、山下選手、フェネストラズ選手の順で1コーナーを抜けていく。

 4番グリッドの大湯選手は他車と交錯してマシンにダメージを負ってしまい緊急ピットイン。代わって5番手スタートの中嶋一貴選手(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がフェネストラズ選手の背後に着く形となった。

 ツインリンクもてぎは、ストップ&ゴーと呼ばれる、オーバーテイクが難しいレイアウトで、レースは膠着状態となるが、8月の日差しは気温と路面温度を上げ、レース中盤にはタイヤの消耗が進んでラップタイムが下がってくるマシンが出始める。

 小林可夢偉選手(KCMG Elyse SF19)と6番手争いを展開していた福住仁嶺選手(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が19周目にオーバーテイクに成功すると、そのまま前方の関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)にも急接近。お互いにOTSを使いながらの攻防はホームストレートから5コーナーまで続いたが、ここで両者が軽く接触。関口選手はタイヤにダメージを負ってコースアウトしリタイヤ。福住選手が5位へポジションアップした。

 後続では順位の変動があったものの、ピットに入ってタイヤ交換をし始めるチームも出てきたことから、灼熱のもてぎでタイヤがどこまで保つのかが懸念されたが、上位4台はラップタイムを落とさない驚異的なタイヤマネジメントをしながら走行。各車1~2秒のギャップを保って周回が重ねられていった。

 最終ラップでは、山下選手が勝負をかけ、OTSを使って平川選手に詰め寄るが、平川選手も最後まで集中力を切らさない。山下選手の猛攻を押さえ切った平川選手がトップチェッカー。約4か月のブランクを経て開幕した今シーズンの初戦を制し、自身2勝目を飾った。また、2位に山下選手、3位にフェネストラズ選手が入り、2台揃って表彰台を獲得したKONDO RACINGがチームランキングトップに立った。

 4位は中嶋一貴選手、5位はホンダ勢トップの福住仁嶺選手、6位はニック・キャシディ選手(VANTELIN KOWA TOM'S SF19)、7位は野尻智紀選手(TEAM MUGEN SF19)、8位は石浦宏明選手(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、9位は牧野任祐選手(TCS NAKAJIMA RACING)、10位には今季から参戦したROOKIE Racingの大嶋和也選手(ROOKIE Racing PONOS SF19)が入った。

 なお、ユーリ・ヴィップス選手の代役でスーパーフォーミュラ初挑戦となった笹原右京選手(TEAM MUGEN SF19)は11位、ファイナルラップで山本尚貴選手(DOCOMO DANDELION M5S SF19)とドッグファイトを演じたタチアナ・カルデロン選手(ThreeBond Drago CORSE SF19)は12位でフィニッシュしている。

約コンマ6秒差の2位は山下健太選手。残り10周を切って猛チャージをかけたが届かず。
昨年のF3王者でSFルーキー、サッシャ・フェネストラズ選手が堂々の3位表彰台を獲得。
初のハンドクラッチによるスタートもあって、決勝直前のフェネストラズ選手は落ち着かない様子。緊張の面持ちでライバル達のマシンの状態を確認していた。
スーパースピードウェイで行われた表彰台はソーシャルディスタンスを確保したスタイル。山下選手は表彰式に参加しない決まりだったため、その代役は何と近藤真彦監督が担当。
来日できなかったユーリ・ヴィップス選手の代役参戦した笹原右京選手。決勝15周目のタイヤ交換後には眼を見張る1分35秒台のペースでの追い上げを披露したが11位に終わる。
タチアナ・カルデロン選手が来日に成功。マシンの習熟に苦労したようだが、決勝の最終周回では山本尚貴選手との好バトルを制して12位フィニッシュ。ファンの期待に応えた。
今大会はオンラインで記者会見が行われ、距離の確保や密集を避ける工夫が採用された。
2位の山下選手は記者会見には同席せず、キャンピングカーからオンラインで参加した。
サーキットの入口で体調確認が行われ、リストバンド装着で確認状況の共有がなされた。
感染拡大防止策を徹底し、ソーシャルディスタンスを確保しながら観戦するギャラリー。主催者によれば、土曜は3500人、日曜の決勝では4800人の動員があったと発表された。

フォト/石原康、JAFスポーツ編集部 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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