レーシングカート

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2020-08-25
佐藤こころ選手がジュニア選手権で女性初の快挙!

 

8月22~23日、酷暑の神戸スポーツサーキットで、全日本カート選手権とジュニアカート選手権の西地域第3戦が開催された。ジュニア選手権FP-Jr部門では、佐藤こころ選手(チームナガオ)が女性ドライバーとして同選手権で初の優勝を飾った。

 

2020年JAF全日本カート選手権FS-125部門/FP-3部門 西地域第3戦
2020年JAFジュニアカート選手権FP-Jr部門/FP-Jr Cadets部門 西地域第3戦

開催日:2020年8月22~23日
開催地:神戸スポーツサーキット(兵庫県神戸市)
主催:KSC

 

 全日本/ジュニアカート選手権の西地域は、これが2020シリーズの折り返し点となる。本大会、厳しい暑さの中でレースを戦い抜いて表彰台に上った選手たちには、うれしい高額賞金が贈呈された。この大会の最上級カテゴリーとなる全日本FS-125部門のウィナーは、優勝賞金10万円にサーキット賞とスポンサー賞を合わせて15万円を手にすることとなった。

 

 ジュニア選手権FP-Jr部門では、佐藤選手が予選ヒートをトップでゴールしたものの、レース中の接触に対してペナルティが課され、佐藤選手の決勝グリッドは出走5台中最後尾の5番手となった。

 

 しかし、20周の決勝がスタートすると、佐藤選手は一気に3番手へ浮上し、5周目にはさらに1台をかわして先頭を行く落合蓮音選手(Ash with Hojust)を追った。

 

 佐藤選手はこの部門初参戦ながら、昨年フル参戦していたFP-Jr Cadets部門では4度の表彰台に立った実力の持ち主。走り慣れたホームコースでファステストラップをマークしながら周回すると、やがて落合選手のテールを捕らえ、8周目の4コーナーでオーバーテイクを綺麗に成功させてトップに躍り出た。

 

 だが、開幕戦のウィナー落合選手も佐藤選手の背後に食らい付き、相手のリードを0.5秒以上に広げさせない。2台の手に汗にぎる神経戦は最後まで続いたが、佐藤選手は背後のライバルにアタックの機会を与えることなく走り切り、右手で高々とナンバー1サインを掲げてフィニッシュした。これは佐藤選手のジュニア選手権初勝利であると同時に、同選手権初の女性ドライバーによる優勝だった。

 

 落合選手は逆転優勝こそならなかったが、2位でゴールして開幕戦以来の表彰台へ。3位には、1周目の最下位後退から挽回した宮本颯斗選手(TEAMぶるーと)が入った。

 

 また、今季最多の14台が出走したFP-Jr Cadets部門では、金子准也選手(ラムレーシング)がレース中盤から独走、ポール・トゥ・ウィンで初優勝を飾った。金子選手の後方で繰り広げられた2台によるバトルは、楠本誠真選手(ERS with SACCESS)が競り勝って2位を獲得。タイムトライアルでトップの田邊琉揮選手(TAKAGI PLANNING)が2戦連続の3位となった。

 

アグレッシブな走りを見せた予選では接触してしまい、決勝は最後尾グリッドからのスタートとなった佐藤こころ選手だが……。

 

「決勝のグリッドは最後尾になったけれど、1台ずつ丁寧に抜いていこうと思ってスタートしました。終盤はペースが落ちてきて不安もありましたが、ブロックは最終ラップまでしないで、後ろを気にせず走ろうと思っていました。優勝できてとてもうれしいです」と、佐藤選手は優勝の喜びを語った。

 

FP-Jr部門西地域の表彰式。左から2位の落合蓮音選手、1位の佐藤選手、3位の宮本颯斗選手。

 

この神戸大会で優勝して西地域のポイントリーダーの座をしっかり固めた金子准也選手は「決勝はスタートで失速して、かなり焦りました。田邊選手は2コーナーですごく攻めてくるので、そこさえ抑えればイケると思っていました。初優勝できて、めちゃめちゃうれしいです」と喜びを噛みしめた。

 

FP-Jr Cadets部門西地域の表彰式。左から2位の楠本誠真選手、1位の金子選手、3位の田邊琉揮選手。

 

 全日本FS-125部門では、予選ヒートで鎌苅一希選手(Ash)が津野熊凌大選手(Scuderia sfida)の追走を振り切って自身初の決勝ポールを獲得した。

 

 そして26周の決勝が幕を開けると、津野熊選手はこのコースで不利とされるアウト側グリッドからうまくスタートして、まずはきっちり2番手をキープ。すると間を置かず攻勢に転じ、2周目に一発で鎌苅選手をパスしてトップに立ち、レース中盤にはリードを1秒弱にまで広げた。

 

 鎌苅選手も意地を見せて1秒以内のギャップで津野熊選手を追うが、そのテールを捕らえるところまでは接近できない。結局、津野熊選手は堂々たる快走で開幕3連勝。鎌苅選手は悔しい2位に終わるも、3年目の全日本で初の表彰台登壇となった。

 

 3番グリッドからスタートした岡本信彦選手(Scuderia sfida)は、背後に貼り付いた山口大耀選手(HRS JAPAN)の執拗なチェイスをミスのない走りで封じ込めてポジションを守り切り、9位という自己最上位を大幅に更新する3位でフィニッシュ、全日本参戦5戦目で初の表彰台に立った。

 

 全日本FP-3部門の決勝では、セカンドグリッドの森岡泉美選手(Formula Blue Ash)がスタートで8番手までポジションダウンしてしまう。一方、ポールの土志田洸彰選手(GRIZZLY RACING with ARBOL ALDEA)は、そんな事態を意にも介さず自分の走りに集中し、2番手以降をじりじりと引き離してフィニッシュ。ホームコースで完勝を遂げた前戦に続き、今度は未経験のコースで2戦連続のポール・トゥ・ウィンを果たした。

 

「僕は(ローカルレースを主戦場とする)SLカーターなんで」と語る土志田選手は、西地域のポイントリーダーに立ちながら、次戦以降の出場予定がないというのが残念だ。

 

 土志田選手の後方では、レース終盤に竹本優月輝選手(TAKAGI PLANNING)と坂上真海選手(TAKAGI PLANNING)の接近戦が勃発。ここは竹本選手が逃げ切って自己最上位の2位、坂上選手が2戦連続の3位という結果になった。

 

開幕3連勝と勢いに乗っている津野熊凌大選手。「このコースではSLレースに2年出ていたんですが、その時とエンジンが違う全日本では走り方が違うので、難しいレースになると思っていました。だから、勝ててすごくうれしいです。3連勝できて今はすごく自信を持って走れています」とコメントした。

 

FS-125部門西地域の表彰式。左から2位の鎌苅一希選手、1位の津野熊選手、3位の岡本信彦選手。

 

「金曜日にトップタイムが出ていたので、これはセットさえ決まればイケるなと思っていました。決勝は後ろを気にせず、自分の走りに徹すればいいんだと思って走りました。ただ、SLカーターの自分には、26周はちょっと長かったですね」とレースの感想を述べた土志田洸彰選手。

 

FP-3部門西地域の表彰式。左から2位の竹本優月輝選手、1位の土志田選手、3位の坂上真海選手。

 

フォト/遠藤樹弥、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部