F1第5戦「70周年GP」でフェルスタッペン選手が今季初勝利。角田裕毅選手はF2初優勝!

レポート レース

2020年8月18日

8月8日~9日、英国のシルバーストーン・サーキットで開催されたF1第5戦「70周年記念GP」にてマックス・フェルスタッペン選手が今季初優勝。さらに同時開催のFIA-F2選手権第5戦「イギリス2」では、レース2で角田裕毅選手がF2初優勝を獲得した。

FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)第5戦「70周年記念グランプリ」
FIAフォーミュラ2選手権(FIA-F2)第5戦「イギリス2」

開催日:2020年8月8~9日
開催地:シルバーストーン・サーキット(英国)

マックス・フェルスタッペン選手が今季初優勝。アレクサンダー・アルボン選手が5位、ダニール・クビアト選手が10位で、Hondaパワーユニット搭載の3台がポイントを獲得した。
自身9回目、ホンダ&レッドブルでは4回目となる勝利を挙げたフェルスタッペン選手。

 F1世界選手権第5戦「70周年記念GP」にて、ホンダの主力チーム、アストンマーティン・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手が今季初優勝を獲得。また、FIA-F2選手権の第5戦「イギリス2」のレース2では角田裕毅選手がF2初優勝を獲得するなど、日本のレースファンにとっては記念すべき週末となった。

 まず、F1のシリーズ第5戦「70周年記念GP」は、前週の第4戦「イギリスGP」から続く“シルバーストーン2連戦”の2戦目で、ホンダ勢は苦戦の展開を強いられていた。

 8日の予選でアストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が4番手に付けたものの、チームメイトのアレクサンダー・アルボン選手が9位に留まる他、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手が7位、チームメイトのダニール・クビアト選手が16位で終わっていた。

 しかし、決勝では唯一ハードタイヤを装着したフェルスタッペン選手が素晴らしい追走を披露。スタートで3番手に浮上すると26周目には2番手に浮上。更に、レースをリードしていたルイス・ハミルトン選手が最後のピットストップを行っている間にトップへ浮上すると、そのままコンスタントな走りでポジションを守り抜いてみせた。

 その結果、「チームとして最高の結果を出せ、素晴らしい1日になりました。ハードタイヤで予選Q2を走る戦略が功を奏したと思います」と語るように、フェルスタッペン選手が今季初優勝を獲得。チームメイトのアルボン選手が5位入賞を果たすなど、ホンダ勢にとっては嬉しいリザルトとなった。

 一方、F1と同時開催で争われたFIA-F2選手権の第5戦「イギリス2」では日本人ドライバーの角田選手が素晴らしいパフォーマンスを見せていた。

 FIA-F2もシルバーストンを舞台に2週連続でレースが開催されており、今季より同シリーズに参戦する角田選手は先週の第4戦「イギリス1」のレース1で怒涛の6台抜きで3位入賞を果たし、今季2度目の表彰台を獲得。しかし、翌日のレース2では1周目の接触でリタイアするなど明暗が分かれていた。

 それだけに連戦の2週目となる第5戦ではどのような戦いを演じるのか、角田選手の動向に注目されていたのだが、8日の予選では、角田選手が「自分のドライビングとしてはいいフィーリングでしたが、思ったよりタイムが伸びなかった」と語るように、10位に留まる事となった。

 それでも角田選手は「レースに向けては周りの状況を見ながら落ち着いていきたいと思います。改善点もあるので、その辺りを上手くこなして上位を狙います」との言葉を実践するように、「フィーチャーレース」と呼ばれるレース1では冷静な走りを披露。スタートこそ出遅れたものの、早めのピットインでペースアップを果たして、角田選手は6位に入賞した。

 そして「スプリントレース」と呼ばれるレース2はリバースグリッドとなるため、角田選手はレース2の3番手グリッドを獲得。そして、翌9日に行なわれるレース2で待望の瞬間が訪れる事となった。

 スタートでポジションをキープした角田選手は、その後も三つ巴の状態でトップ争いを展開していたか、残り3周となる19周目に予想外のハプニングが発生。

 第6コーナーでトップを争っていた2台が接触した事から、その間に角田選手が一気にトップへ浮上。こうして首位に躍り出た角田選手は、厳しいタイヤをマネジメントしながらそのままチェッカーを受け、待望のFIA-F2初優勝を獲得する快挙を成し遂げた。

「前の2台が接触してポジションを上げたことはラッキーでしたが、こちらのペースがいいことは分かっていたので、最後は勝負できると思っていました。今回、タイヤマネジメントも上手くいき、優勝できたことは嬉しいですし、今後についても大きな事だと思っています」と喜びを語る角田選手。

 ドライバーのポイント争いでも日本人ドライバーの最高位となるランキング6位に浮上しただけに、後半戦でも角田選手の躍進に注目したい。

 なお、2020年のFIA-F2には角田選手のほか、松下信治選手、佐藤万璃音選手ら2名の日本人ドライバーが参戦しており、第5戦「イギリス2」のレース1は、松下選手が11位、佐藤選手が17位でフィニッシュ。レース2では佐藤選手が17位、松下選手が18位に止まる事となった。

 そして、続く8月15~16日にスペイン・カタルニアサーキットで開催されたFIA-F2第6戦スペインGPでは、MPモータースポーツから参戦する松下信治選手がレース1で優勝。予選18番手という苦しいスタートだったが、最後の最後に大逆転。今季初勝利を挙げている。

残り3周で起きたアクシデントを好機に代えてトップに躍り出た角田裕毅選手が優勝。
第5戦でFIA-F2初勝利を挙げたルーキー角田裕毅選手。ランキング6番手にアップした。

フォト/本田技研工業 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

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