鈴鹿初上陸のインタープロト&KYOJO CUP。阪口晴南選手が連勝し、三浦愛選手が初優勝!

レポート レース

2020年8月4日

インタープロトシリーズの第2大会が7月25~26日に鈴鹿サーキットで行われ、阪口晴南選手が第3戦でシリーズ初優勝、第4戦もトップチェッカーを受けた。また併催のKYOJO CUP第2戦では三浦愛選手が初優勝を飾った。

インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer 第2大会
KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM 第2戦

(2020 鈴鹿クラブマンレースRound.4)
開催日:2020年7月25~26日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:ARC、SMSC

 これまで富士スピードウェイで開催されてきたインタープロトが、鈴鹿サーキットで初開催となった。前回の第1大会・富士は無観客だったが、第2大会・鈴鹿では新型コロナウイルス感染防止対策が講じられた上で、グランドスタンド等での観戦が可能となり、来場者も普段は鈴鹿で見ることができないインタープロトの走りに釘付けとなった。

 この第2大会はいつも通りの2DAY開催に戻され、予選は25日に行われた。サーキットは朝から雨模様となっており、プロフェッショナルレースの予選時も雨がパラついている状況で、ウェット宣言が出された中でのセッションとなった。

 セッション序盤から速さを見せたのは阪口晴南選手で、セッション後半で2分10秒878をマークしてトップを奪う。このまま阪口選手がポールポジションかと思われたが、福住仁嶺選手が最後のタイムアタックでコンマ06秒上回り、逆転でポールポジションを獲得。2番手に阪口選手、3番手に坪井翔選手がつけた。

 決勝レースは26日、第3戦&第4戦ともに7周(もしくは17分)で争われる。雨が強く降っていた影響でセーフティカー先導のもとスタートとなった。3周目に入るところでグリーンフラッグが振られると、1コーナーでは早くもサイドbyサイドのバトルが展開された。

 2番手の阪口選手が福住選手のインをついてトップに浮上する。この週末に好調な走りを見せていた阪口選手がフルウェットのコンディションでもライバルを徐々に引き離していった。福住選手もマシンコントロールが難しい路面コンディションの中でしっかりとコース上に留まる走りに集中。その後方に開幕2連勝を飾った坪井選手がつけた。

 5周終了時点で福住選手の0.2秒後方に迫った坪井選手は、シケインで仕掛けようとするも、ギヤトラブルでスピン。一気に表彰台圏外まで後退してしまった。坪井選手はなんとかピットまで戻ったが、そのままリタイヤとなった。

 レース序盤にセーフティカー先導があったこともあり、先に上限の17分が経過。そのため6周完了時点でチェッカーフラッグが振られ、阪口選手がインタープロト初優勝を飾った。2位に福住選手、3位に中山雄一選手が入賞した。

 1周のクールダウンラップ後、各車両がグリッドに再整列し、第4戦に向けたスタート進行が始まった。雨脚も依然として衰えることがなく、このレースもセーフティカー先導で開始。2周目から本格的にスタートが切られることとなった。

 このレースでも阪口選手が速さをみせ、後続を寄せ付けない走りを披露。4周目には2分28秒821のファステストラップも記録した。一方、2番手争いは福住選手と中山選手の戦いに。序盤から1秒を切る攻防戦が続いていたが、5周目のスプーンでやや攻め過ぎてしまった中山選手がコースオフ。幸いポジションを落とすことなく復帰を果たしたが、福住選手から大きく遅れをとってしまう。

 後方での争いを後目に、安定した走りを続けた阪口選手が2連勝を達成。2位に福住選手、3位に中山選手と、第3戦と同じ顔触れが表彰台を占める結果となった。

 またCCS-Rは、スポット参戦の山内英輝選手がポール・トゥ・ウィンの2連勝。2位には石浦宏明選手の猛攻をしのぎ切った片岡龍也選手が入った。

優勝した阪口晴南選手は「インタープロトでのヘビーウェットはすごく難しく、少しでも気を抜くとコースオフにつながってしまうので、とにかく無理はしないようにと心がけました。普段は富士での開催ばかりですが、こうして鈴鹿でレースができたことで、新しい刺激も得られて良い機会だったと思います」と語った。
インタープロトIPプロフェッショナルの表彰式。左から2位の福住仁嶺選手、1位の阪口選手、3位の中山雄一選手。
CCS-Rクラスは山内英輝選手がスポット参戦ながら鈴鹿で2連勝を飾った。

 KYOJO CUPもインタープロト同様、初めて三重県の鈴鹿サーキットで開催された。9台のエントリーの中には、KYOJO CUP設立時から活躍し、優勝経験もある小泉亜衣選手が1年ぶりに参戦を果たすなど、見どころの多いレースウィークとなった。

 公式予選のセッション前半でトップに立ったのは猪爪杏奈選手。その後は三浦愛選手と山本龍選手がトップタイムを塗り替え、このふたりがポールポジション争いを展開した。どちらも区間ベストタイムを出す走りを見せていたが、最終ラップのアタックで三浦選手が全セクターでベストタイムをマークし、2戦連続でポールポジションを獲得した。

 決勝レースはスタート前から強い雨に見舞われ、セーフティカー先導で開始された。4周目に入るところでグリーンフラッグが振られたが、雨は依然として降り続いており、また初めてとなる鈴鹿開催ということもあり大荒れの展開となった。

 セーフティカーが解除された直後の1コーナーで7番手スタートだった星七麻衣選手がコースオフでリタイヤ。さらに3番手スタートの猪爪選手も序盤から攻めていく走りをみせたが、ダンロップコーナーを立ち上がったところでスピンを喫し順位を落とした。

 ポールポジションからスタートした三浦選手は堅実なドライビングをみせトップを死守。2番手に山本選手が続いたが、5周目の1コーナーでコースオフしてしまい、翁長実希選手の先行を許してしまった。何とかタイムロスを最小限にしてコースに復帰した山本選手だが、直後のS字コーナーで接触してしまいスピン。この隙に3番手には小泉選手が浮上したが、彼女も6周目の1コーナーでスピンしてしまい戦線離脱を余儀なくされた。

 レース後半になってさらに雨脚が強まったことを受けて、6周目の途中で再びセーフティカーが導入された。本来は8周で争われる予定だったが、先に上限の25分を経過したためセーフティカー先導のまま7周終了時点でチェッカーフラッグが振られた。これにより三浦選手がKYOJO CUP初優勝を飾った。2位に翁長選手が入り2戦連続の表彰台、3位に猪爪選手が初表彰台を獲得した。

「今回はドライコンディションの予選でポールが獲れて、決勝では苦手としていたウェットで勝つこともできましたし、ファステストラップも記録できました。まだ100点と言えるような内容ではないですが、結果としては満足しています」と優勝の三浦愛選手。
KYOJO CUPの表彰式。左から2位の翁長実希選手、1位の三浦選手、3位の猪爪杏奈選手。

フォト/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局 レポート/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局、JAFスポーツ編集部

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