感染拡大防止策の一環でB-SportsがオンラインでBライセンス講習会を実施

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2020年8月7日

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の一環で非対面方式が推奨されているJAF競技ライセンス講習会。関東のJAF公認クラブ「ブレインズモータースポーツクラブ(B-Sports)」では、7月8日にいち早くオンライン講習会を実施。ここではその様子を報告する。

B-Sports主催JAF国内Bライセンス講習会
開催日:2020年7月8日
開催地:B-Sports事務局(オンライン)
主催:B-Sports

B-SportsのBライセンス講習会は、平時なら東京都目黒区にある同クラブの事務局で行われている。
今回はオンライン講習会ということで、講師である事務局長の三城伸之氏がWEBカメラの前で講義した。

 JAF競技ライセンスを取得するためのアプローチは、国内Bライセンスおよび公認審判員B3級については「Bライセンス講習会」を受講するか、JAF公認クローズド競技に参加して「完走印」をもらうか、JAF公認クラブなどの推薦を受けるといった方法がある。

 これらの中で最も一般的な方法は、JAF本部および地方本部ならびに支部や、JAF公認/加盟/準加盟クラブおよびJAF公認/加盟団体が主催するBライセンス講習会を受講することで、JAF公認モータースポーツ参加に欠かせない”始めの一歩”として知られている。

 しかし、モータースポーツ参戦に必須のJAF競技ライセンスの取得にあたっては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、2月20日付け厚生労働省からの声明を受けて、JAFが主催するBライセンス講習会は中止もしくは延期が2月21日に発表された。

 そして、JAFお知らせとして4月3日に発表された「新型コロナウイルス等防止対策に係るお願い(2020年4月1日版の更新版)」では、JAFメディカル部会の助言に基づき、催事等に起因した感染リスクを防止するため、すべての日本選手権競技会をはじめ、JAF公認競技会、JAF認定ライセンス・公認審判員講習会等について、延期等とする感染防止対策を講じることがお願いとして発表されることになった。

 その後は、このお願いに呼応したJAF登録クラブが、公認競技会および各種ライセンス講習会が延期や中止の措置を採ることになったわけだが、5月1日には新たなJAFお知らせの中で、この措置が6月30日まで延長されることに加えて、「JAF認定ライセンス・公認審判員講習会等で通信講習やWebセミナー等の方式により講習が可能な場合、当面の間、当該方式による特例措置を講じさせていただきます」といった内容が発出された。

 さらに、5月27日にはJAFから「国内モータースポーツ活動再開に係る対応について」というお知らせが発表され、「JAF認定ライセンス・公認審判員講習会については6月以降段階的に」対応する由の内容と共に、「Bライセンス講習会およびカート国内Bライセンス講習会は、通信教育やWEBセミナー等の非対面方式でご対応いただくことを強く推奨する」ことが発表された。

 5月27日の発表には、四輪国内Bとカート国内Bライセンスの「オンライン講習会要項」が添付され、「講習会主催者がWeb会議アプリを使用し、Webセミナーを実施すること」や「主催者が用意するビデオ教材等によるeラーニングや郵送等による通信教育を行う」といった、講習会の具体的な開催方法が記されていた。

 これらの情勢を踏まえてブレインズモータースポーツクラブ(B-Sports)では、定期的に実施しているBライセンス講習会を非対面のオンライン講習会として再開することを決定。7月8日に久々のBライセンス講習会が行われることになった。

 この講習会はB-Sports事務局がある東京都目黒区の一室で講義が行われ、講師は事務局長の三城伸之氏が担当。18時からスタートする約2時間のスケジュールで、WEB会議アプリはZOOMを使用し、指定教材の「モータースポーツハンドブック」を事前に受講者へ送付して、オンラインでの受講するスタイルとなった。

 回線状況は良好で、B-Sportsがこれまで行ってきたBライセンス講習会の手順に基づいて講習会がスタートし、JAFが準備するビデオ教材を併用しながらの講義となった。講義内容を示す紙資料はデータ化され、ビデオ教材の映像もWEB会議アプリ上で共有。ヘルメット等の装備品の説明は実物をウェブカメラに示しながらの解説を行い、受講者からの質疑応答をはさみながら、指定の約2時間の講義が終了した。

 今回の講師を担当したB-Sports事務局長の三城伸之氏は、同クラブでは初開催となったBライセンス講習会のオンライン開催について以下のように総括してくれた。

「これまで感染拡大防止策の一環としてライセンス講習会を延期や中止としてきましたが、この度、JAFさんの方から非対面で開催していいことになりましたので、開催させていただきました。また、ZOOMやTEAMSなどのツールがコロナ禍において当たり前の存在になってきてますし、それを活用して講習会を行うことは時代的にも求められていることだと捉えてますので、この機会にということでチャレンジさせていただきました」。

「カメラを通した講習会は、目の前に受講者がいるわけではないので、ナマで見ているのとは距離感があり、受講者の表情や仕草が少し分かりにくかったところもありました。普段の講習会では、そういった反応を見ながら、講習内容を少しずつ変えていくんですけど、そういう意味では、掴みにくかったところもありました。こういったコミュニケーションの取り方については、今後も改善の余地がありそうですね」。

「今回はZOOMというオンライン会議のソフトを使いましたが、最近ではおそらく普段のお仕事でも当たり前のツールになってきていると思いますので、受講者の方々も普通に使いこなしてましたから、思った以上にスムーズに講習会を進めることができました」。

「機材選びには気を使いましたね。WEBカメラも明かるさを考えたり、広角のものを選んだり、マイクについても、今どきのノートパソコンにはマイクが付いてますが、それだと受講者の方に聞きづらいことがあります。無線も考えましたが、途中でバッテリーが切れることも予想されましたので、現状では有線のピンマイクを付けて対応しています」。

「このオンライン方式は、コロナ禍において接触を避けられるのでメリットは大きいですね。実は、ウチの競技会において、ドライバーズブリーフィング等については、すでにオンライン方式を導入してるんです」。

「それはコロナ対策という面もあるのですが、モータースポーツの会場は広いですから、ブリーフィングのために部屋に集まって、その後すぐに出走の準備に取り掛かる、という流れは参加者の方々にとって負担になっていると感じるところもあったんです」。

「パドックのクルマの側で、スマホ一つあればブリーフィングに参加できるという、オンラインシステムがあれば、これらの負担を解消できるような気がしています。そういった利便性において優位な面がありますので、今後も継続する可能性があるかも知れません」。

「モータースポーツは最新の道具を使った最先端の粋を集めたスポーツです。なので、競技の内容についても最新の技術を採り入れていきたいですよね。私は新しいことをポジティブに捉えるタイプなので、こういった新しい取り組みには積極的に実施していきたいと考えております」。

Bライセンス講習会の指定教材である「モータースポーツハンドブック」を事前送付して講義が進められた。
WEB会議アプリのZOOMを使用し、背後のプロジェクターに資料を写し込んで受講者と情報を共有した。
ヘルメットやHANS等の装備品や信号旗等については、実物をWEBカメラの前に掲示しながらの説明に。
Bライセンス講習会は2時間以上と定められている。受講が完了するとBライセンス取得の申請を行える。

フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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