JMRC中部ジムカーナ東海シリーズが4カ月ぶりに再開!

レポート ジムカーナ

2020年7月31日

JMRC中部のミドルシリーズのひとつ、東海シリーズが、約4カ月のインターバルを経て、7月19日、愛知県のキョウセイドライバーランドで再開した

2020年JMRC中部ジムカーナ東海シリーズ第4戦
M-Iサマーアタック2020

開催日: 2020年7月19日
開催地: キョウセイドライバーランド(愛知県岡崎市)
主催: M-I

 JMRC中部のジムカーナシリーズは、JAF中部ジムカーナ選手権と併催となるJMRC選手権のほかに、東海、北陸のふたつのエリアでミドルシリーズが開催されている。東海シリーズは、3月9日に美浜サーキット クニモトで開幕したが、新型コロナウイルス感染拡大により、4月5日に開催予定だった第2戦は8月30日に延期されることになった。

 そして6月7日に幸田サーキットYRP桐山で予定されていた第3戦は残念ながら中止を余儀なくされることに。しかし7月19日に予定されていた第4戦は、当初のスケジュール通りに、岡崎市のキョウセイドライバーランドで開催されることが決定。このまま行けばシリーズ5戦中4戦が成立する見通しとなっている。

 キョウセイドライバーランドは、企業を始めとする団体に安全運転技能に関する研修を行うキョウセイ交通大学内にあるコースで、その性格上、公道を想定して作られたコース内には信号機なども完備するなどユニークなコースになっている。

 しかしながらモータースポーツ競技のコースとしても魅力に富んだダイナミックなコース設定が可能で、全日本ジムカーナ選手権も数多く開催してきた実績を持っている。今回の一戦も、技能講習用に作られたセクションの間を縫いながらリズミカルに走ることが求められる、走り甲斐のあるコースが用意された。

 当日は入場時の検温をはじめとして、接触・対面を避ける受付場所の設定、間隔を維持したままでの慣熟走行などソーシャルディスタンスを徹底。JMRC中部ジムカーナ部会が作成した感染予防対策に沿った試みが実践された。

 開幕戦は雨に祟られてしまった今年の東海シリーズだが、今回は終始、ドライ路面での勝負が展開された。86/BRZがエントリーできるRPN3クラスは、東海シリーズでも人気が高く、今大会最多の16台がエントリーした。ヒート1のベストはただ一人、1分20秒の壁を破る1分19秒718を叩き出した川田優選手。川田選手はヒート2でも、0.037秒、タイムを落とすも再び1分19秒台をマークして後続の選手の走りを待った。

 しかしヒート2では、誰一人として1分20秒台に乗せることさえ叶わず、結果、川田選手がヒート1のタイムで大差で逃げ切った。川田選手は昨年のJMRC中部北陸シリーズのチャンピオン。「北陸シリーズも始まったし、ともかく実戦を走りたかった」と石川県からエントリーした。

 「コースジムカーナ的な要素の強いキョウセイは、今までは苦手でいつも撃沈してたんですけど(笑)、今回は前日の練習会から参加して、路面やタイヤグリップを確認できたことが大きかったですね。今日もイメージ通りに走れました」と快心の走りを振り返った。

 上位6台をND5RCロードスターが占めたRPN1クラスも、RPN3クラス同様、1分20秒台を巡る攻防となった。優勝を飾ったのはヒート1で1分19秒204の暫定ベストを奪った須貝圭司選手。ヒート2では19秒188までタイムを詰めたが、ペナルティで幻のベストタイムに終わり、ヒート1のタイムが優勝タイムとなった。このヒート2で19秒728までタイムを詰めた小野圭一選手が2位に入った。

 一昨年、シリーズ本格参戦1年目で東海シリーズチャンピオンを獲得し、注目を集めた須貝選手。昨年途中から、NCECロードスターからND5RCロードスターに乗り換え、地区戦に挑戦したが、まったく上位に絡めず、「また一から出直したい」と今年はシリーズに戻ってきた。

 「走っている時は満足できて、自分の走りができたと思いましたが、外撮りの動画を見直したら、まだまだ甘いですね。今回、講師役で走って頂いた森嶋さんは17秒台で走ったと聞きましたから、課題は多いです」と須貝選手。開幕2連勝と最高の結果を残したにも関わらず、気を引き締め直していた。

受付や参加確認の際には、ソーシャルディスタンスが徹底されるなど、密を回避する対策が採られた。
慣熟歩行の際には一定の間隔を置いて歩くことが求められた。また掲示板前での密を防ぐため、リザルト速報も配信された。
ドライバーズブリーフィングでは、ドライバーが自らパドックで参加できるよう、放送での周知を充実させた。
RPN1クラスは須貝圭司選手がヒート1のタイムで優勝を飾った。
RPN1クラス表彰。左から2位小野圭一、優勝須貝圭司、3位水越康支、4位佐藤公彦の各選手。
RPN3クラスは北陸から参戦の川田優選手が優勝。
RPN3クラス表彰。左から2位久保敦嗣、優勝川田優、3位奥山友貴、4位鈴木省三の各選手。
RA1600クラスはヒート1では2位だった長畑年光選手が逆転で優勝をゲット。
RA1600クラス優勝の長畑年光選手。
RA1クラスは昨年の全勝チャンピオン、森下弘之選手が、今回もヒート1のぶっちぎりのタイムで優勝した。「1本目はうまくまとめられました。開幕から間が空いた分、今年から新しく履くタイヤとのマッチングを詰められたことが大きかったと思います」。
RA1クラス表彰。左から2位岡田和規、優勝森下弘之、3位加藤道則の各選手。
第1ヒートから大接戦となったRA2000クラスはヒート2で1分18秒台にタイムを乗せた高橋誠選手がライバルを振り切った。
RA2000クラス表彰。左から2位松山充利、優勝高橋誠、3位三橋健の各選手。
ヒート1で0.1秒の間に上位3台がひしめくホットバトルが展開されたRA2クラスはヒート2でベストを奪った渡邉將選手が優勝を飾った。「勝てはしましたが、最低でも17秒台には入れないとダメですね。周りの方からも、“走りがぬるい”と言われました。次は2WD最速目指して頑張ります」
RA2クラス表彰。左から2位伊藤雄二、優勝渡邉將、3位寺田大祐、4位大須賀義外の各選手。
RA3クラスはヒートともベストをマークした山下篤選手が東海シリーズ初優勝を達成した。
RA3クラス表彰。左から2位井上寛之、優勝山下篤、3位太田明の各選手。
SA1クラスはヒート1でミスコースに沈んだ表和之選手が起死回生の走りで逆転優勝を達成。「1本目は気合いが空回りしてしまって。2本目は何とかうまくまとめられました」。
SA1クラス優勝の表和之選手。
CL1クラスは2ヒートとも安定したタイムを刻んだ牧田祐輔選手が優勝。
CL1クラス表彰。左から2位小林幹弥、優勝牧田祐輔、3位榊原康人の各選手。
Women'sクラスでは鈴木利英子選手が優勝を飾った。
Women'sクラス表彰。左から2位河合豊美、優勝鈴木利英子の各選手。
EXクラスは全日本ドライバーの土手啓二朗選手が優勝。
EXクラス優勝の土手啓二朗選手。
当日のコース図。コースジムカーナとパイロンジムカーナがうまくミックスされた設定となっている。

フォト/谷内寿隆 レポート/JAFスポーツ編集部

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