JAF東北ジムカーナ選手権がSUGOで開幕!

レポート ジムカーナ

2020年7月27日

7月12日、JAF東北ジムカーナ選手権が、宮城県のスポーツランドSUGO西コースで開催され、約3カ月遅れで2020年のシリーズが開幕した。

2020年JAF東北ジムカーナ選手権第4戦・第1戦
2020年JMRC東北ジムカーナシリーズ第6戦・第1戦
2020年JMRC東北オールスター選抜第4戦・第1戦
ENDLESS CUP ジムカーナ

開催日: 2020年7月12日
開催地: スポーツランドSUGO西コース(宮城県村田町)
主催: SSC

 この日はまず、当初から当日に開催が予定されていた第4戦が午前中に開催され、当初4月5日開催予定だった第1戦が午後に行われるというダブルヘッダー方式が採られた。当日は第4戦、第1戦とも35台がエントリー。大半のドライバーが2戦連続してエントリーした。

 ダブルヘッダーという措置を採ったことについて、主催者SSC(菅生スポーツクラブ)の大谷保志代表は、「新型コロナウイルスをめぐる状況は収束とは言い難く、まだ不透明な部分もあります。3戦の成立を以てシリーズ成立という地区戦の規定に沿って、できるだけ早くシリーズ成立の見通しをつけたかったんです」とその理由を説明する。

 「もし結果的に残るシリーズ戦が中止になったとしたら、“最初のあの1戦は何だったんだ”、と思う参加者もいるかもしれない。でも、そういう状況は作りたくなかったんですよ。今回、2戦成立したことで、あと1戦成立すればシリーズは成立します。参加者の方々には希望を持って今後もエントリーしてほしいですね」と大谷代表。西コースは、スポーツランドSUGOのレーシングコースの最終コーナーの内側に位置する。当日はSUGOの2輪のサーキットシリーズであるSUGOロードレースも開催され、エキゾーストノートが久し振りに行き交う賑やかな一日となった。

 天候は前日夕方に降った雨が残るウェットコンディションでスタート。午前の第4戦は霧雨の中、スタートするも後半から本降りとなり、終盤には一部、深い水溜まりができるほどに悪化した。このため、午後の第1戦については大幅なコース変更等も検討されたが、主催者は著しく雨が溜まった箇所をポンプで汲み上げて排水することを決定。このため、第1戦の決勝スタートはディレイとなったが、その間、雨が止んだこともあって、第4戦はセミウェットでの激戦が展開された。

 随所で新型コロナウイルス感染対策も図られた。SUGOの場合、入場ゲートでまず検温があり、今回の大会の参加者には問診票の提出が求められた。ソーシャルディスタンスをキープしての慣熟歩行が呼びかけられたほか、オフィシャルもマスク着用に加え、フェイスシールドも身に着けるなど、競技会関係者一丸となった感染予防対策が採られた。

 注目のコースレイアウトは逆走を基本とし、スタート直後にタイトな8の字をクリアする設定。この8の字は2戦とも同じ順路となったが、午後の第1戦に入っても苦戦する選手が多く、最大の難関となった。こうしたセクションはやはり全日本にも参戦するドライバー達が優れたテクニックを披露して、PN1クラスの上野健司選手はじめ、NSA-2WDの宍戸政宏選手、SA-2WDクラスの小武拓矢選手、SCクラスの町田和雄選手らが実力を見せつけて連勝した。

 このほか、PN3クラスの藤原雄司選手、JMRC東北シリーズのクラス2木村文哉選手も2連勝を飾った。対してウィナーが入れ替わったのはSA-4WDクラス。第4戦は、第1ヒートベストの佐柄英人選手を逆転した齋藤幸二選手が優勝したが、第1戦は佐柄選手が第1ヒートのタイムで齋藤選手を振り切って第4戦のリベンジを成し遂げた。JMRC東北シリーズのクラス6では、第6戦は工藤将人選手が、第1戦では芦名政幸選手が優勝に輝いた。

新型コロナウイルス感染予防対策が図られた今回の一戦。競技会役員もマスク着用で終始、運営に当たった。
オフィシャルもマスクやフェイスシールドを着用し、コース判定を行った。
当日、アナウンサーを務めた地元宮城の全日本ジムカーナドライバー、工藤典史氏もしっかりとマスクを着用して業務をこなした。
PN1クラスは全日本ドライバーの上野健司選手が2戦連続で快勝。「去年の全日本選手権のレイアウトに似ていたので、全日本組には有利だったと思います。タイヤが新しくなってウェットで走るのが初めてだったので、その性格を掴むために、セッティングは変えずにドライビングのアプローチを4本とも微妙に変えて走りました。収穫が多かった一日でした」。
PN1クラス第4戦表彰。左から2位善方広太(第1戦も2位)、優勝上野健司(第1戦も優勝)の各選手。右はSUGOレースクィーンの芙夏(ふうか)さん。
PN3クラスでも秋田の藤原雄司選手が連勝。第4戦は市川公司選手に0.5秒差まで詰め寄られたが、第1戦は1分39秒台に乗せるぶっちぎりのタイムを叩き出した。「第4戦は納得の走りができなかったけど、(39秒台に入れた)第1戦の1本目は合格点かな。今日はやっぱり最初の8の字を“回せた者勝ち”だったと思います。8の字はグリップの良さを見越して入っていくのは分かってましたが、ウェットということもあって難しかったですね」。
PN3クラス第4戦表彰。左から2位市川公司(第1戦は3位)、優勝藤原雄司(第1戦も優勝)、3位佐藤宏明(第1戦は2位)の各選手。
NSA-2WDクラスは全日本での優勝経験もある地元宮城の宍戸政宏選手が、2戦とも、きっちり2秒のタイムアップを果たしたヒート2のタイムで連勝した。「第1戦の1本目は8の字のタイミングが合わなくて、暫定トップでしたけど生タイムでは負けてしまったので厳しかったですね。何とか2本目は落ち着いて走れたのが勝因だと思います。もうインテグラは26万kmですが、2年前にボディをリフレッシュしたら元の動きに戻ってくれました」。
NSA-2WDクラス第1戦表彰。左から2戦連続2位の清水直人、連勝の宍戸政宏、3位の久連山義人選手。
SA-2WDクラスは、学生時代にSUGOで腕を磨いた全日本ドライバー小武拓矢選手が2戦とも断トツのタイムで優勝した。「全日本に向けて試合勘を取り戻したかったということもあって走りました。8の字など序盤にプレッシャーがかかるセクションがあったレイアウトも高い集中力が求められたので良かったと思います。午後の第1戦の1本目が、8の字も一番うまく決めることができて、路面にも合わせ込めた走りができたので、今日の中ではベストの走りでした」。
SA-2WDクラス第4戦表彰。左から2位安井洋介、優勝小武拓矢、3位田中心の各選手。
SA-2WDクラス第1戦表彰。左から2位合田尚司、優勝小武拓矢、3位安井洋介の各選手。
勝者が分かれたのはSA-4WDクラス。第4戦は齋藤幸二選手が第2ヒートで1分38秒台に叩き込んで優勝した。「4WDには非常にシンドイ設定でしたね(笑)。最初の8の字はウェットだったんで回せた感じです。2本めはリアの減衰力を変えて270度をうまく走れたのがタイムアップに繋がったと思いますが、もうちょっと攻められた。37秒台は行けたと思います。午後の第1戦は路面が乾くと思わなかったので、第4戦のセットのままで行ったのが裏目に出ましたね」。
SA-4WDクラス第4戦表彰。左から2位佐柄英人、優勝齋藤幸二、3位渡辺弘の各選手。
SA-4WDクラス第1戦は佐柄英人選手が優勝。「第4戦は久々の走行だったので気負ってしまいました。2本目は縁石に乗ったら結構滑ったので、午後の第1戦はその辺を修正して走ったのが良かったと思います。タイム的にはまあまあかな。ただちょっと今回はグリップの感じがいつものSUGOとは違ってましたね。そこでどう路面を読み切るかの勝負だったと思います」
SA-4WDクラス第1戦表彰。左から2位齋藤幸二、優勝佐柄英人、3位天野明夫の各選手。
SCクラスは東京から参戦の全日本のベテランドライバー町田和雄選手が4WD勢を抑えて2連勝を飾った。「昨年のJAFカップの後にセッティングを大きく変えたので、色んなコースを走って動きを確認したいと思って参戦しました。今日は路面のコンディションが変わっていっても、いい感じで走れたので、クルマの乗りやすさがタイムに繋がった印象です。タイヤを太くしなくともタイムを狙えるクルマになったので全日本でも頑張りたいですね」。
SCクラス第4戦表彰。左から2位菊池巧悦(第1戦は3位)、町田和雄(第1戦も優勝)、3位佐藤英樹(第1戦は2位)の各選手。
JMRC東北シリーズのクラス2は青森から遠征してきた木村文哉選手が連勝し、昨年のシリーズチャンピオンの貫禄を見せた。「今日のレイアウトは小さいクルマの自分には良かったです(笑)。何とか4本とも集中力保てました。1本目のタイムで逃げ切れそうだと思っても、1本1本、自分のベストを尽くして走ろうと集中しました。その意味でも最後の1本(第1戦の2本目)で今日のベストの走りができたことは良かったと思います」。
クラス2第6戦表彰。左から2位遠山敏之、優勝木村文哉の各選手。
クラス2第1戦表彰。左から2位宮本和彦、優勝木村文哉の各選手。
JMRC東北シリーズ・クラス6第6戦はこの一戦のみエントリーした工藤将人選手が第2ヒートのタイムで優勝した。
JMRC東北シリーズ・クラス6第1戦は山形のベテラン、芦名政幸選手が第1ヒート、脱輪に沈むも、第2ヒートのタイムで優勝を飾った。
第4戦コース図。
第1戦コース図。

レポート&フォト/JAFスポーツ編集部

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