WRC日本ラウンドの「ラリーガイド1」公開、Rally Japan全ステージの概要が明らかに

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2020年8月7日

FIA世界ラリー選手権(WRC)の2020年第8戦(最終戦)として11月19日~22日に開催される予定の「Rally Japan」の「ラリーガイド1」が7月17日に発行。WRC日本ラウンドとしては10年ぶり、ターマックとしては初開催となるイベントの概要が明らかになった。

11月下旬に開催される予定の「Rally Japan」の「ラリーガイド1」が公開された。このラリーガイド1は、WRC日本ラウンドに参加する予定の競技者や関係者を対象とした開催概要なのだが、まず、注目したいのがラリーフォーマットだ。

ラリーの中心となる場所は、2019年に国際格式ラリーとして開催された「セントラルラリー愛知・岐阜2019」と同様に、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園「モリコロパーク」にヘッドクォーターおよびサービスパークを設定。

ラリーウィークは11月16日(月)の参加受付で始まり、17日(火)~18日(水)のレッキおよび公式車両検査、19日(木)の9時から12時30分にモリコロパークで行われるシェイクダウンを経て同日17時30分、名古屋市内、愛知県庁付近で行われるセレモニアルスタートで幕を開ける予定となっている。

本格的な競技は20日(金)に幕を開け、デイ1は豊田市および設楽町の周辺に3箇所のステージが設置され、サービスを挟んでループする構成を採用。昨年のセントラルラリーを見る限り、キャラクター的にはナローでツイスターなステージ構成だ。

しかし、11月下旬の大会では23.82kmの「Isegami’s Tunnel」が新設されたほか、昨年使用された「Inabu Dam」も14.63kmから21.38km、同じく「Shitara Town」も14.86kmからイベント最長となる31.64kmに延長されるなど初日から過酷な設定となっている。

一方、21日(土)のデイ2は、岡崎市を中心に4箇所のステージが設定され、サービスを挟んでループする構成となる。こちらも昨年の大会を見る限り、全体的に道幅が広いステージだが、「Nukata Forest」が13.58kmから20.63kmに延長されたほか、神社前でおなじみとなった「Lake Mikawa」も逆走になり、14.95kmから20.06kmに拡大された。

さらに、全日本ラリー選手権の新城ラリーで使用されている高速ステージ、鬼久保が7.65kmの「Shinshiro City」として追加されたこともデイ2の特徴と言えるだろう。1.5kmから1.2kmに短縮されたものの、ギャラリーステージの「Okazaki Central.Park」は健在で、ファンにとっては見応えのあるセクションとなるに違いない。

そして、最終日となる22日(日)のデイ3は、岐阜県の恵那市および中津川市の周辺に2箇所のステージが設定される。いずれも1ループのみの構成だが、21.47kmの「Ena City」、11.63kmの「Nenoue Plateau」ともに新設のステージとなっているだけに、全てのエントラントにとって未知の領域での戦いとなる。

このように11月下旬の大会は、スペシャルステージ19SS、距離にして307.78kmで、14SS、136kmで争われたセントラルラリーに対して規模が拡大。リエゾンを含めた総走行距離は1023kmで、世界最高峰シリーズにふさわしいダイナミックな構成となる予定だ。

今大会でタイトルが掛けられているのは、FIA世界ラリー選手権のドライバー&コ・ドライバー、マニュファクチャラーで、FIA WRC2選手権はドライバー&コ・ドライバー、そしてチーム、FIA WRC3はドライバー&コ・ドライバーを対象としている。

参加台数は60台上限で、クラス設定は多彩だ。ワールドラリーカーを対象にしたRC1クラスのほか、FIA RALLY2車両を中心とするRC2クラス、FIA R-GT車両を対象にしたRGTクラス、FIA R3車両を対象にしたRC3クラス、FIA RALLY4車両を対象にしたRC4クラス、FIA RALLY5車両を対象にしたRC5クラスと様々なクラスが設定されている。

このほか、ナショナルクラス車両として「2020年FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条で定められた安全要件を完全に満たしており、また2020年WRC競技規則で定められた関連する全ての条項(タイヤ、バーコード、燃料、再スタート規定等)に合致した車両」も参加可能となる予定。

 全ての競技参加車両はFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条14項で定めるFIA公認の安全燃料タンクの装備が義務付けられていることから、全日本ラリー仕様車はそれに合わせた改修が必要となるものの、全日本ラリー選手権で活躍している日本人ドライバーも同じステージを走れる予定となったことも大きなポイントだと言えるだろう。

 なお、このナショナルクラスについては、排気量に応じて3クラスが設定されている。2000cc超のグループNR4車両(現在のN4車両)や1620ccまでのAP4車両、2000ccを超えるJAF RJカテゴリ車両を対象にした「JRC1クラス」に加えて、1601~2000ccまでのグループN4車両およびJAF RJカテゴリ車両を対象にした「JRC2クラス」、1600ccまでのJAF RJカテゴリ車両を対象にした「JRC3」クラスを設定。

 このように10年ぶりに開催される予定のWRC日本ラウンドは、国内最大級のターマックラリーとなる予定で、海外のトップドライバーだけではなく、国内のトップドライバーも集結できることが明らかとなっただけに、彼らの激しいバトルにも期待したい。

ヘッドクオーターとサービスパークは愛・地球博記念公園「モリコロパーク」に設置される予定。
セントラルラリーでは”神社前”として象徴的な場所となった三河湖ステージ。今大会では逆走を予定。
セントラルラリーではオープニングステージとなった額田ステージ。林道区間は密かな難関でもある。
岡崎中央公園にはギャラリーステージを設定予定。ステージの走りを複数箇所で俯瞰できるスポットだ。

フォト/小竹充、JAFスポーツ編集部 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

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