F1活動再開2戦目のオーストリア・シュタイアーマルクGPでホンダ勢が好スタート

レポート レース

2020年7月17日

ホンダF1久々の優勝の地、オーストリアで活動再開したF1グランプリ。レッドブルリンクで連続開催された2戦目のシュタイアーマルクGPで、マックス・フェルスタッペン選手が3位表彰台を獲得。F2昇格初年度の角田裕毅選手もいきなりF2表彰台を獲得した。

FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)第2戦シュタイアーマルクGP
開催日:2020年7月10~12日
開催地:レッドブルリンク(オーストリア)

 FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)が7月3~5日、オーストリアのレッドブルリンクを舞台としたオーストリアGPで開幕した。

 F1は3月のオーストラリアGPで開幕する予定だったが、参戦チームのスタッフに新型コロナウイルスの感染者が出たことから、開幕当日にレースをキャンセル。以来、各グランプリの中止や延期が相次ぐなど、活動休止の状態となっていたのはご存知の通り。

 開幕戦で幸先の良いスタートを切ったのは、メルセデスAMGペトロナスのバルテッリ・ボッタス選手で、ポール・トゥ・ウインにより開幕戦を制覇。予選7位に出遅れていたスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール選手が2位、予選4位につけていたマクラーレンF1のランド・ノリス選手が3位で表彰台を獲得したことは記憶に新しい。

 これに対して注目を集めていたホンダの主力チーム、アストンマーティン・レッドブルは、マックス・フェルスタッペン選手が予選で3位につけながらも決勝は電気系のトラブルでリタイア。予選で5位に留まったチームメイトのアレクサンダー・アルボン選手もレース中盤で3番手に浮上したが、他車に接触され13位に低迷。開幕戦ではスクーデリア・アルファタウリのピエール・ガズリー選手の7位がホンダ勢の最上位となった。

 そして7月10日~12日、レッドブルリンクで2週連続で開催された第2戦のシュタイアーマルクGPでは、ホンダ勢が素晴らしいパフォーマンスを披露することになった。

 第2戦の予選でトップタイムをマークしたのはメルセデスAMGペトロナスで、ルイス・ハミルトン選手がポールポジションを獲得した。それに続いたのが、アストンマーティン・レッドブルで、開幕戦を悔しいリタイアで終えていたフェルスタッペン選手が予選で2位につけてフロントローに並んだ。

 決勝でもフェルスタッペン選手は終盤まで2番手をキープするものの、フロントウイングにダメージを受けたことで3位に後退。結局、ポール・トゥ・ウィンを果たしたハミルトン選手、予選4位から2位入賞を果たしたボッタス選手に続いてフェルスタッペン選手は3位に惜敗した。

 フェルスタッペン選手は「また表彰台に上がれたことは良かった。望んだ位置はもっと上なので優勝争いをしたい」と語るように、自身およびホンダにとって今季初となるポディウムフィニッシュを達成。さらに予選で7位に出遅れていたアルボン選手も4位入賞を果たした。

 「先週のリタイア原因の解析および対策を行い、セッティングの最適化を行ってきました。大きな問題もなく、ホンダパワーユニット搭載車が完走を果たしました」とホンダのF1テクニカルディレクター、田辺豊治氏が語るように、アストンマーティン・レッドブルがコンストラクターズ部門でも多くのポイントを獲得しただけに、今後もトップフォーミュラに挑むホンダ勢の動向に注目したい。

 一方、F1の直下に位置するFIA-F2もF1と同時開催で開幕を迎えている。

 同シリーズには松下信治選手、角田裕毅選手、佐藤万璃音選手と3名の日本人ドライバーが参戦しているが、7月5日にオーストリアのレッドブルリンクで開催された第1戦では予選22位の佐藤選手がマシントラブルによりレース1をスタート前にリタイアしたほか、同大会でデビューを果たした予選12位の角田選手も他車との接触により18位に低迷。

 そのなかで日本人最上位につけたのが、予選21位の松下選手で、粘りの追走によりレース1を9位で完走を果たした。レース1のリザルトをスタートグリッドとする5日のレース2では松下選手が6位に入賞。角田選手が11位、佐藤選手が17位と日本人トリオが徐々に調子を上げていた。

 そして、その勢いは翌週の7月10日~12日に開催された第2戦でも健在だった。

 中でも素晴らしい飛躍を果たしたのが、今季よりFIA-F2に参戦する角田選手だった。佐藤選手が11位、松下選手が14位にとどまるなか、角田選手が予選でトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得した。

 11日のレース1は雨に祟られ、4周に渡るセーフティカーランを経て5周目よりレースがスタート。ポールポジションの角田選手が順位をキープし、そのままトップでレース前半を折り返すものの、無線のトラブルでピットインが遅れてポジションダウン。

 それでも角田選手は安定した走りを披露し、「優勝できる可能性があったので少し悔しいですが、それでもF2で初めて表彰台を獲得できたのでうれしい」と語るように角田選手がレース1で2位に入賞。佐藤選手は16位で、松下選手が17位で完走を果たした。

 このように角田選手が参戦2大会目にして表彰台を獲得しただけに、12日のレース2でも日本人ドライバーの躍進が期待されたのだが、7番手グリッドからスタートした角田選手が10周目にマシントラブルでリタイアしたほか、16番手からスタートした佐藤選手もレース序盤でマシントラブルに祟られてリタイア。

 17番手からスタートした松下選手の11位が日本人ドライバーの最上位となったが、3名ともに著しい成長を見せているだけに、FIA-F2では彼ら日本人トリオの活躍に注目したい。

オーストリア連戦の2戦目、F1シュタイアーGPでマックス・フェルスタッペン選手が3位フィニッシュ。昨年の13年ぶりのホンダF1優勝の地で再び表彰台を獲得した。
今シーズンからFIA-F2に挑戦する角田裕毅選手。昇格初年度の2戦目にして、いきなり予選トップタイムをマークして、ポールポジションを獲得する快挙を成し遂げた。
レース1では無線のトラブルにより想定したピットタイミングを得られなかった角田選手。惜しくも2位に留まったが、優勝を狙える実力と、F2での大きな可能性を示した。

フォト/本田技研工業 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ