今シーズンの富士チャンピオンレースシリーズがついに開幕
2020年7月16日
長い歴史を持つ伝統のシリーズ、富士チャンピオンレースシリーズ。7月4日、腕っぷしに自信のあるアマチュアレーサーたちが富士スピードウェイに集結して待望の開幕を迎えた。併催となるインタープロトやKYOJO CUPと同じく無観客開催となったが、雨天の中、ハイレベルなレースを終始展開した。
富士チャンピオンレースシリーズ第1戦
開催日:2020年7月4日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、TMSC
7月4日、富士チャンピオンレース開幕戦が新型コロナウイルスの影響で2か月遅れての開催となった。緊急事態宣言が解かれて初開催となるこのレース、開催にはレースの前にも見えないウイルスとの戦いも強いられた。
どのような対策をしているのか富士スピードウェイに聞いたものをまとめると、まず無観客で行い、エントラント、関係者といった当日入場できるすべての人たちは事前申請のもと、健康状況や体温などの問診票をオンラインで配布して回答を求め、当日はゲートでの体温測定を実施。入場してからも各所受付カウンターなどは飛沫感染を防ぐためにすべてビニールシートでガード。もちろんマスク着用も協力要請された。
参加受付やドライバーミーティングなども席を離してソーシャルディスタンスを保つ方法が採られていた。表彰式も普段なら表彰台裏で待機するところだが、ブリーフィングルームでの一旦待機、プレゼンターからのトロフィー他の受け渡しやシャンパンファイトの中止など、至る所でできる限りの感染防止対策を行った。
また、今回に至るまでも他のサーキットとともに情報をいつもより密に取り合い、意見や提案等の交換、さらにエントラントとも以前に増して情報交換などをするようにして開催を迎えた。
厳戒態勢で始まった今シーズンの開幕、最初のレースはFCR-VITAの第1戦。朝一番の予選では開始直後にも雨が降っていたが、途中からかなりの暴風雨となってコースオフするマシンも続出。最後は赤旗中段のまま終了となってしまったが、そのコンディションの中で6ラップ目にトップタイムを出したのが#55 RaiseUP Vita01の小西岬選手で2分30秒879。2番手は#38 LHG Racing YLTの三浦愛選手で2分32秒432、3番手に#2 ワコーズ“EDニルズ”MPVITAのイノウエケイイチ選手が2分33秒106のタイム順で決勝のグリッドが決まった。
10時35分スタート予定の決勝は各マシンがグリッドに並んだころからどんどん雨が酷くなりSCスタートに変更。そしてSCの先導のもとレースが開始された。雨が小康状態になってきた3周目でSCがピットに入りレースが始まると#55小西選手は逃げる体制。前半ではその後ろで2番手争いを#38三浦選手、#2イノウエ選手と7番手スタートの#13 ORC VITAの遠藤浩一選手がバトル。
雨量が刻々と変わりコースオフするマシンも多くなってきた中で、8周目に#13遠藤選手が表彰台圏内の3番手に上がり、9周目にはファステストラップの2分23秒394を出すものの2番手には届かず。10周の決勝は優勝が#55小西選手、2位に#38三浦選手、3位#遠藤選手の順でチェッカーを受けた。
シルビア・アルテッツァ/MR2/NA1600/AE86/AE111第1戦、こちらも雨の予選で各クラストップタイムを出したのはAE111クラス#18 遠心ACRE塩岡スピードレビンの塩岡雅敏選手で2分12秒320。NA1600クラス#37 四季の森歯科IDIウイナー86の秋元優範選手は2分14秒622、シルビア・アルテッツァクラス#15 S15シルビアの山崎浩明選手は2分15秒974、AE86クラス#240 ガレージアネックス・μ・レビンの山口崇選手は2分17秒668、MR2クラス#78 ダイエーモータースDXLMR2の谷田伸之選手は2分25秒205といった結果となった。
スターティンググリッドはマシンの特性によりNA1600が先頭になるのでポールポジションはNA1600クラス#37 秋元選手と#31高橋賢一選手が並び、10グリッド開けてシルビア・アルテッツァクラストップの#15山崎選手のシルビア勢とAE111クラス、その後ろでは6グリッド開けてAE86クラス#240山口選手のAE86勢とMR2勢というグリッド順になっている。
雨の決勝ではスタート直後のTGRコーナーで#37秋元選手がトップで進入、その先のコカ・コーラコーナーで#15山崎選手が先頭に立つ。1周目を終えてストレートに各マシンが戻ってくるころにはストレート上はかなりの雨量になってきた。その中を快走する#15山崎選手は徐々に後続のマシンとの差を広げていく。
3周目には2番手にAE111クラス#18塩岡選手がポジションを上げてくるが、トップの#15山崎選手は後半になるにつれて周回ごとにファステストラップを叩き出し、さらにどんどん差を広げる。11周の決勝レースの最終ラップにもファステストを更新した#15山崎選手は、2位に52秒の大差をつけて総合優勝で開幕戦を飾った。
フォト/石原康、中村たみ子、JAFスポーツ編集部 レポート/中村たみ子、JAFスポーツ編集部