ラリー

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2020-07-14
「FIA基金助成によるJAFラリー安全訓練講習」、まずは座学講習がオンラインで開催

 

FIA世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンドの2020年開催が7月2日に改めて明らかにされ、国内ではWRC開催の機運が高まってきたが、日本のASNであるJAFはこれらに先んじて、ラリー運営の安全性向上を目的とした、主催者を対象とした講習会が再スタートした。

 

「第1回FIA基金助成によるJAFラリー安全訓練講習・オンライン講習会」
開催日:2020年6月27~28日
開催地:オンライン
主催:JAF(運営:AG.MSC北海道)

 

 6月27~28日、「第1回FIA基金助成によるJAFラリー安全訓練講習」の講習会が実施された。これは国内ラリー競技の安全性向上を目指したJAFが主催する取り組みの一環で、年間約80回開催されている国内ラリーおよびFIA国際ラリーのレスキューに係る競技団のスキルアップを目指したものだ。

 

 JAFはアジア地域のFIAリージョナル・トレーニング・プロバイダー資格を有することもあり、今回はモータースポーツ安全性向上策の取り組みに関する助成について、2019年6月にFIAからの活用要請を受けて、国内ラリーのセーフティトレーニングに関する申請を行った結果、適用を受けることになった。

 

 この安全訓練講習は、国内ラリー競技会競技役員等を対象とした座学と実技の2種類で構成される講習会で、今回は座学講習が行われた。このような国内ラリー関係者を対象とした安全講習は、2月8日に全日本選手権のオーガーナイザーと対象としたセミナーがすでに行なわれており、実は、JAF全日本ラリー選手権第2戦新城ラリーの前後において、第1回のラリー安全訓練講習が行われる予定だった。

 

 しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策のために、3月の新城ラリー周辺における講習会の実施は見送りとなり、今回は仕切り直しでの開催となった。しかし、6月下旬でも感染に関する状況は予断を許さない状況となっており、感染拡大防止対策は継続され、第1回講習のの座学講習はオンライン会議形式で実施されることになった。

 

 一連の安全訓練講習には、日本初のWRCやFIAアジア・パシフィックラリー選手権を主催してきた国際格式ラリー主催のオーソリティであるAG.メンバーズスポーツクラブ北海道(AG.MSC北海道)が協力。2月8日のオーガナイザーセミナーを含めて、今回も講師としてオーガナイズのノウハウの国内横展開に尽力してくれることになった。

 

 今回の第1回は、国内ラリー競技会競技役員約50名を対象とした講習会となったが、前半にあたる座学講習はオンライン講習会として開催。AG.MSC北海道の田畑邦博氏を始めとした講師陣は、北海道から講義を提供し、参加者はそれぞれのインターネット環境において、土曜に3時間、日曜に4時間30分というスケジュールで受講することになった。

 

 座学講習の内容は、FIA国際競技規則付則H項および、2020年FIAラリー安全ガイドラインを教材として、AG.MSC北海道がこれまでに国際格式ラリーを主催した独自のノウハウをふんだんに盛り込んだ内容が提供され、安全策全般および競技中に発生した事故を想定した救出作業全般といった実践的な講義内容となった。

 

 具体的には、ラリー競技におけるセーフティの考え方や競技役員の責務、選手やマーシャル、オフィシャルの安全といった基本的な要素に始まり、観客やメディアの安全、TIV(Technical Intervention Vehicle/緊急出動技術車両)やMIV(Medical Intervention Vehicle/緊急出動医療車両)等の装備解説や運用方法、緊急時のヘルメットの脱がせ方、KED(Kendrick Extrication Device)やバキュームスプリント(共に要救助者固定具)の使い方といったように、現場のオフィシャルが有事で役立つ内容となっていた。

 

 この講習会には今季からJAFラリー部会の部会長を務める松本洋氏や、ラリー部会の七田定明氏や高桑春雄氏らが監修し、JAFメディカル部会やラリー部会が評価委員として名を連ねた。座学講習の最後にはオンラインによるペーパーテストも行われ、この講習会の後半にあたる実技講習会は、7月中旬に愛知県内で行われる予定となっている。

 

 スペシャルステージラリーにおける安全性向上は必要不可欠で、どのレベルの大会運用においても真摯に取り組む課題だ。今季の全日本ラリー選手権は全7戦(再編後に6戦)で行われ、11月下旬にはWRC日本ラウンドが開催される国内ラリー界において、オーガナイザーをはじめとした運営サイドの、安全なラリー作りの再確認が始まっている。

 

座学講習会の講師陣は、田畑邦博氏が率いるAG.MSC北海道のメンバーが担当。オンライン講習会ながら、講師陣に対する感染拡大防止対策もしっかり施しての開催となった。

 

国内ラリー競技会競技役員ら約50名を対象とした今回の講習会。まずは座学が行われ、付則H項やFIAラリー安全ガイドに則ったAG.MSC北海道オリジナルの講義が提供された。

 

受講者はオンラインで紙資料の内容を確認しながら講義を視聴。適宜、質疑応答の時間が設けられ、2日間に渡る座学講習会の最後にはオンラインによるペーパーテストも実施。

 

2月8日には東京都内で「全日本ラリー・オーガナイザーセミナー」が実施され、国内ラリー主催関係者を対象に、ラリーの安全な運用に関する概論を学ぶ機会が提供された。

 

フォト/加藤和由、中島正義、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部