スーパーGTが2020シーズンの開催日程を変更。感染対策のためのロードマップ・ガイドラインを策定

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2020年6月8日

新型コロナウイルス感染拡大によりシーズンの開幕が延期されていたスーパーGTが、日程を変更した最新カレンダーを公開。また感染防止のためのロードマップ・ガイドラインも公開した。

 本来なら4月中旬に岡山国際サーキットで開幕予定だったスーパーGT2020シーズンだが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、シーズン前半の開催を見送っていた。しかし緊急事態宣言が全面的に解除されたこともあり、7月からのレース開催に向けて本格的に動き出すことになった。

 当初は国内6サーキット、海外2サーキットでレースが行われる予定だったが、競技参加者等の移動中の感染リスクを低減させるために、岡山国際サーキット、スポーツランドSUGO、オートポリスでの今季開催を見合わせることにした。なお2021シーズンは全サーキットでの開催を目指して準備を進めていくという。

 これにより国内でのレースは富士スピードウェイ(静岡県小山町)、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催することとなった。当初、富士スピードウェイは東京オリンピック/パラリンピック開催に伴い、6月から9月ごろまで全面的に使用できなかったのだが、同大会も延期が決まったため、現状では第1戦、第2戦、第5戦と合計3回の開催を予定している。鈴鹿サーキットは8月の第3戦と10月の第6戦の2回を予定。ツインリンクもてぎは9月の第4戦に加えて、11月の第7戦で行われることになっている。

 また海外ラウンドについても変更が出た。マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットについても今季からカレンダーに加わる予定だったが、渡航等に制限がかかっている状況。現地プロモーターと協議をした結果、今年のカレンダーから外れることとなった。

 一方、タイのチャン・インターナショナル・サーキットは12月26~27日に第8戦として開催を目指して調整中だが、富士スピードウェイの日程(11月28~29日)も代替え候補として挙がっている状況だ。なおサポートレースの編入については調整中とのことだ。

 そしてシーズン前の公式テストに関しては6月27~28日に富士スピードウェイで実施されるが、こちらも無観客で行われる。

■2020 SUPER GT 公式テスト

Rd. 日程 開催サーキット 備考
6月27~28日 富士スピードウェイ 無観客開催

■2020 SUPER GT シリーズ
(FIA/JAF申請予定)

Rd. 日程 開催サーキット 備考
第1戦 7月18~19日 富士スピードウェイ 無観客開催
第2戦 8月8~9日 富士スピードウェイ 同上
第3戦 8月22~23日 鈴鹿サーキット 同上
第4戦 9月12~13日 ツインリンクもてぎ 同上
第5戦 10月3~4日 富士スピードウェイ 今後の感染状況、社会情勢を踏まえ開催方式を検討
第6戦 10月24~25日 鈴鹿サーキット 同上
第7戦 11月7~8日 ツインリンクもてぎ 同上
第8戦 11月28~29日 富士スピードウェイ 同上

 今回は最新のカレンダーに加えて、この状況下でも安全かつ円滑にレースを開催していくために「公式イベント開催に向けたロードマップと感染防止対策ガイドラインを策定し、公式ホームページで公開した。

2020 SUPER GT 公式イベント開催に向けたロードマップについて

 まずは観客と関係者の感染リスクを低減するために、2020シーズンは全戦で無観客開催を想定したカレンダーでスタート。このうち第4戦までは無観客での開催が決定しているが、第5戦以降に関しては感染収束状況や社会情勢を踏まえて段階的に見直していく可能性もあるという。

 サーキットに入場する関係者は可能な限り最小限に抑えられ、チームの人数はもちろん、メディアの人数も厳しく制限される。さらに入場予定者は全員事前に申告する必要があり、対象者は当該イベントの14日前から症状や行動履歴を確認する問診票と、毎日の体温や風邪症状等を確認する症状記載フォームの提出が義務付けられる。なお、健康チェックに関してはイベントが終了した後も14日間にわたって行われる。

 さらにチームや各組織内で「健康管理者」を選任し、スタッフの健康状態を毎日チェックしてGTアソシエイションに報告。万が一感染者が発生した場合の情報連絡の役割も担うことになる。

 サーキット場内および各チーム等の事務所内での感染拡大やクラスター発生を未然に防ぐために「入場・活動禁止ガイドライン」を策定し、感染の疑いがある者に関しては事前にサーキットへの出張禁止を通達するほか、日常業務の活動停止等が要請される。

 もちろん大会期間中も万全の対策が施される。イベント当日は自宅や宿泊先からサーキットへ出発する前に健康状態を確認する「症状確認フォーム」を提出。ここで感染の疑いがある場合はサーキットへの入場が禁止される。

 入場ゲートでもサーモメーターや非接触型体温計で検温し、ここで発熱症状が認められた場合は入場を禁止される可能性がある。サーキット場内では3密を回避し、関係者同士の接触も厳しく制限されるとのことだ。

 緊急事態宣言が全面解除されたとはいえ、新型コロナウイルスの脅威が完全になくなったわけではないため、かなり厳しいロードマップとガイドラインと言えよう。それでも、これまで見通しが全く見えなかった国内レースに、ようやく開催の目処がついたということで、SNS上では関係者やファンの間からは安堵する声が続々と挙がっていた。

フォト/© GTA レポート/吉田智弘、JAFスポーツ編集部

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