ダートトライアル

  • Twitter
  • Facebook
2020-06-26
JAF公認競技会が、北海道から再開!

 

国内モータースポーツの再開を告げるイベントが、6月21日、北海道で開催された。競技会当日は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた様々な取り組みが行われた。

 

2020年JAF北海道ダートトライアル選手権第3戦/2020年JMRC北海道Winmaxダートトライアルシリーズ第3戦/2020年JMRCオールスター選抜
THIBAULT DIRT ATTACK

開催日: 2020年6月21日
開催地: オートスポーツランドスナガワダートトライアルコース(北海道砂川市)
主催: THIBAULT

 

 

 

 再開第1号となったJAF公認競技会は、北海道砂川市のオートスポーツランドスナガワで開催されたJAF北海道ダートトライアル選手権。今年、全7戦が組まれる同選手権は、1月下旬に、お馴染みのスノーイベント、糠平湖氷上トライアルで開幕したが、4月26日に予定されていた第2戦は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて8月23日へ日程を変更。続く第3戦も当初は5月17日に組まれていたが、約1ヵ月延期し、今回の6月21日にリスケジュールされていた。

 

 JAF公認競技会の開催については、5月27日に、JAFより、「国内モータースポーツ活動再開に係る対応について」と題するリリースが出された。そこでは、「開催環境構築状況により6月以降段階的にご対応いただき、全日本選手権等の全国的な競技会は7月以降段階的にご対応いただく」という一文とともに、「基本的な感染対策のあり方の例」が示されていた。

 

 今回、競技会が開催されたオートスポーツランドスナガワでは、5月より個人による練習走行が再開されたが、同コースを委託管理するJAF公認クラブであるAG.MSC北海道は、当初から感染拡大防止に向けた諸対策をHPで公開し、参加者への周知徹底を図った。

 

 加えて、JMRC北海道は、6月1日、AG.MSC北海道は6月4日に、新型コロナウイルス感染防止対策へ向けた具体的な取り組み例を示す「“新北海道スタイル”安心宣言」をHP上で公開した。これは国が提唱した“新しい生活様式”を受けて、北海道がその実践モデルとして掲げた「新北海道スタイル」で示された「マスク着用や小まめな手洗いに取り組む」、「健康管理を徹底する」などの7項目について、モータースポーツ界として何を行っていくかを記載したもので、併せてその習慣化に努めることを宣言した内容となっている。

 

 今回の一戦では、オートスポーツランドスナガワで独自に実施されてきた感染防止対策に加え、この「“新北海道スタイル”安心宣言」と、JAFが示した「基本的な感染対策のあり方の例」が指針として盛り込まれた、具体的な感染予防策が随所で採られた。

 

 まず参加者は、事前に競技会のホームページに掲載された「ダートトライアル競技会開催に関して 新型コロナウイルス感染防止対策」と題する、A4版5ページの文書を必読することが求められた。そして競技会当日は、この文書で予め示された競技会の流れに沿って運営された。

 

 まず入場ゲートでは、入場者全員へ検温と手の消毒が行われ、北海道が独自に行っている感染者追跡システムである「北海道コロナ通知システム」への携帯電話などでの登録が求められた。また同様に直近2週間の健康状態などを申告する確認票の記入も必須とされた。

 

 その後、参加者は公式受付に進み、運転免許証と競技ライセンスを提示の後、公式プログラム、ゼッケン、ブリーフィング資料を受け取った。入場からここまでの行程はすべて車両に乗ったままで行われた。さらに、参加者は受付後そのままパドックには向かわず、車両に乗ったままで当日のコースを辿るコース下見が行われた。

 

 これはJAFの「基本的な感染対策のあり方の例」で推奨されている「競技会の開催期間・時間は可能な限り短く設定」という指針に沿ったもので、公式車検も、いわゆる出張車検ではなく、基本的にドライバーが車両から降りることのない、ドライブスルー方式が採られた。また走行後の表彰式も、新型コロナ感染防止対策を優先し、楯などを手渡しする事なく、写真撮影のみを行った。

 

会場への入場の際には、入場者全員を対象として、検温と手指の消毒がまず行われた。

 

入場者には北海道が独自に展開している「北海道コロナ通知システム」への登録が求められた。

 

直近の健康状態等を申告する確認票の提出も入場者の義務となった。

 

公式車検はドライブスルー方式で実施された。車検担当オフィシャルはフェイスシールドを着用して車検に当たった。

 

ソーシャルディスタンスも徹底され、掲示板への立ち入りは1名に限定された。

 

表彰式は表彰対象者のみが呼ばれるなどソーシャルディスタンスが図られた。ブリーフィングは行われず、参加者はブリーフィング資料を熟読することが求められた。質問のある場合は、大会本部前のインターホンか大会事務局へ直接電話することとされた。

 

慣熟歩行もソーシャルディスタンスを確保した上で行われた。

 

大会運営側も限られたスペースの中で、感染防止に努めた。

 

 

通常とは違うコース設定に、各選手が悪戦苦闘

 

 当初から2ヵ月遅れでのグラベル開幕戦となった今回の一戦だが、前述の通り、すでに何回か練習走行が開催されたこともあって、場所によっては路面も締まってドライバーのダイナミックな走りを受け止めた。ただ直前に雨が降ったため、天候こそ晴れたものの、場所によっては水たまりも残り、通常のスナガワ地区戦と同様、ウェットタイヤが勝負タイヤとなる一戦となった。

 

 今回の設定で注目を集めたのは1コーナー(下図参照) 。普段はスタート後、直線を踏み切って一番奥の緩い左コーナーに飛び込むのがスナガワの定番だが、今回はその手前のふたつの島の間を左に切り込むレイアウトとなった。数年前、全日本戦の公開練習時に一度、使われたが、地区戦でも、ごく稀に採用されるレイアウトだという。

 

 4WDのAT車を対象としたAT2クラスは、インプレッサスポーツハイブリッドで5年めのシーズンを迎えた中村卓司選手がヒート1のタイムで逃げ切った。昨年の暮れに特注のダンパーと、LSDを新たに装着したという中村選手は、「コーナーの立ち上がりの動きが全然良くなりました」と、その成果を実感した様子。このクラス、参加は2台だったが、2位の古川雅徳選手のPROBOXとの差は僅か0.25秒。今後も接戦が続きそうだ。

 

 RWDクラスでは全日本の上位ランカーでもある和泉泰至選手が両ヒートともベストを奪う貫禄勝ちを見せた。「86にとっては、下の段に降りてからの左回りから、上の段に戻るセクションがポイントでしたね。左回りのコーナリングで速度を維持しないと、その後の上りに影響するんです。自分としては納得の走りはできたつもりですが、いつもよりFFの人達にタイムを離されてしまいました。まぁRWDにはちょっと厳しいレイアウトだったかもしれません」と振り返った。

 

 FF-1クラスはヒート1で叩き出した自らの暫定ベストを、ヒート2で2秒以上も縮めた田丸豪選手が快勝。ただし本人は「狙ったラインは外したし、全体的に攻め足りなかったです」と反省の弁。「目標にしていた人達とのタイム差も開いたし、決まったと思っていたセッティングも満足できなかった。今回見つかった課題を何とかしたいですね」と次戦を見据えていた。

 

 続くFF2/4WD1クラスは、昨年秋、スナガワで開催されたJMRCオールスターで優勝し、健在ぶりを見せつけた北海道の“生けるレジェンド”原宴司選手のストーリアが、道内の並みいるFFスペシャリスト達を抑えて優勝した。復活2年めのシーズン初戦を快勝した原選手は「今日は1コーナーの左からの、右、左と続くセクションでしょうね。僕は初めて走ったけど、最初の入りを失敗すると、その後の走り全体のリズムにも影響しかねない難しいセクションでした。ただ、土手から見てた(宝田)ケンシロー君に、自分が一番うまくコーナーを抜けていたと言われたんで、それなりには走れたんでしょう(笑)」と振り返った。DC2インテグラの川口昭一選手がFF勢最上位の2位に入賞した。

 

 4WD-2クラスは、ヒート1から上位5台が0.4秒の間にひしめく大接戦となった。暫定首位は1分20秒248を叩き出した小林茂則選手のCT9Aランサーで、0.01秒差でGDBインプレッサを駆る古沢聖樹選手が続いた。しかしヒート2に入ると、「1分17秒台に入れないと勝てないと思った」と振り返った昨年のチャンピオン、島部亨選手が有言実行の走りで、ただ一人、1分17秒台に叩き入れて、見事な逆転勝ちを飾った。

 

 昨年のシーズン終了後にエンジンをオーバーホールしたため、今季のスノーイベントはパスしたという島部選手は、「走ったのは昨年のJAFカップ以来なんで、1本めは勘が戻らなかった。一年中走れる北海道にいて、こんなに長く競技車に乗らなかったのは自分でも記憶にないです(笑)」。勝因は要所要所での抑えた走りだったと振り返った。「アウトのフカフカの土がいつも以上に重たかったので、オーバースピードでの進入はやめて、いい路面を外さずに走りました。やっぱり今日は1コーナーでしょうね。3つめの左コーナーを抜けるところまでをイメージする、繋ぎの走りを意識して走りました」。2番手には、ヒート1で3位だった五十嵐貴右選手がひとつ順位を上げて入賞した。

 

 

AT2クラスは北斗市在住の中村卓司選手のインプレッサスポーツハイブリッドが優勝した。

 

AT2クラス優勝の中村選手。

 

RWDクラスは、全日本でも活躍する和泉泰至選手が貫禄勝ちを見せた。

 

RWDクラス入賞の皆さん。

 

FF-1クラスではZC31Sスイフトでチャンプ獲りに挑む田丸豪選手が優勝。

 

FF-1クラス入賞の皆さん。

 

FF2/4WD1クラスは、全日本ダートラのトップドライバーとして長く活躍した原宴司選手が往年の名マシン、ストーリアX4で優勝。

 

FF2/4WD1クラス入賞の皆さん。

 

2リッター4WDターボマイスターが居並ぶ4WD-2クラスは島部亨選手が逆転で優勝し、タイトル防衛に繋がる貴重な1勝をゲットした。

 

4WD-2クラス入賞の皆さん。

 

賞典外クラスはアキマただゆき選手が優勝した。

 

スナガワのコースとしてはアベレージスピードは低めの設定となった。ロングストレートから左に切り込む1コーナーをポイントにあげるドライバーが今回は多かった。