九州ラリー地区戦が開幕。藤本大典ランサー、16年ぶりのタイトル奪還に向け、好発進!
2020年4月21日
九州地区のラリー地方選手権が今年も3月21日、福岡県で開幕。38台がドライターマックでの全開バトルに臨んだ。
2020年JAF九州ラリー選手権第1戦/2020年JMRC九州ラリーチャンピオンシリーズ第1戦/ JMRC九州ラリーチャレンジ部門第1戦/TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2020 Joint cup 九州シリーズ 第1 戦/TRD RALLY CUP by JBL 2020第1戦 MCA CAPRICCIO 2020
開催日:2020年3月21~22日
開催地:福岡県
主催:MCA
2020年のJAF地方ラリー選手権は、北海道と東北の2地区が1月にスノーラリーでシリーズをスタートさせたが、全国的にはやはり春の訪れを待ってシリーズインする所が多く、その先陣を切る形で九州地区の地方選手権が3月21~22日に福岡県で開幕した。またこの一戦に併せて、2年目を迎えるTRD RALLY CUPも開幕した。
ラリーのHQが置かれたのは、福岡県東部の上毛町(こうげまち)にある道の駅しんよしとみ遺跡前。隣接する「大ノ瀬官衙遺跡」駐車場がスタート、フィニッシュそしてサービス会場となった。
ラリーはHQから西へ向かい、舗装のステージを走る設定。SSのメインとなるのは6.14kmの東大平線で、午後の第2ステージで3回走る。午前中の第1ステージはこの東大平線の途中に合流する支線を使い、支線のスタートからジャンクションに上り、左右それぞれに方向を変えて東大平線の下りの途中でゴールするSSを4.20kmと4.16kmを2本ずつ計4本を走行。トータル7本、35.14kmのステージで争われた。
エントラントは21日午後にレッキを行い、翌22日の日曜8時30分に大ノ瀬官衙遺跡駐車場をスタートするというスケジュール。22日の天候は午後から雨の降る予報があったものの、何とかフィニッシュまで持ち応えて、最後までドライコンディションで行われた。
7台がエントリーしたRH-1クラスは、昨年このラリーを制した松尾薫/平原慎太郎組がマシントラブルでスタートできないという波乱の中、始まるが、SS1では2番手スタートの藤本大典/岡崎辰雄組が城戸新一郎/橋口由衣組を5.3秒差で下すベストを奪取。両者の差は1.2秒、1.0秒とSSをクリアするごとに縮まるが、いずれも藤本組がベストを奪ってリードを広げる。
そしてSS4では「一矢報おうとベストを獲りに行った」城戸組だったが、痛恨のタイヤバーストを喫してタイムロス。城戸組は3番手に後退し、昨年のチャンピオン、福本浩人/西高志組が2番手に浮上するも、藤本組との差は26.4秒と大きく、藤本組の独走を許してしまう。藤本組は午後の3SSもすべてベストと手綱を緩めず圧勝。鬼神の追い上げを見せた城戸組は最後、0.3秒差まで福本組との差を詰めたが及ばず、3位に終わった。
「いつも出だしが悪いので、今日のSS1は気合い入れて踏みました」という藤本選手は、「思った以上にマージンを作れたので、その後はオフの間にやった改良点を確認しながら、走らせ方とかを変えてみたりしました」。昨年は僅か1ポイント差でタイトルを獲り逃しただけに、「今年は丁寧に色々と考えながらラリーを走って、しっかり獲りたいです」と意欲を見せた。
12台が参加し、今回、最大の激戦区となったRH-2クラスは、今年から86でシリーズを追う鶴田健二/松尾圭介組が6SSでベストを奪う快走を見せて優勝し、幸先の良いスタートを切った。地元開催のTGRラリーチャレンジ唐津ラウンドでは3連覇中という、隠れた実力者の鶴田選手は、「今日の道は唐津の道に似ていたので、同じイメージで走れたのが良かったと思います。コ・ドライバーとも初めてコンビ組んだんですが、レッキが2回できたのも大きかったです。距離も長いし、凄く楽しめました」と地区戦の印象を語った。このクラス、2番手にも鶴田組のチームメイトである今村俊之/多久島裕憲組のMR-Sが最後、3速ギアを失いながらもフィニッシュを果たして入賞。夫婦で参戦の枝光展義/枝光祐子組が3位に入った。
RH-3クラスでは後藤章文/河嶋康史組が、RH-4クラスでは川中天兵/土谷英治組がいずれも第1ステージで作った大量マージンを守って快勝。AT/CVT車等を対象として人気がジワリジワリ上がっているRH-5クラスは、全日本組の中西昌人/豊田智孝組が0.6秒の僅差で白??辰美/津野裕宣組を振り切って優勝を決めている。JMRC九州ラリーチャレンジ部門では林大河/横手孝稀組が全SSベストの速さを見せて快勝した。
TRD RALLY CUPでは、シリーズチャンピオンを狙う2年目の吉原將大/佐野元秀組がCUP-2クラスで優勝。CUP-1クラスではピエール北川/漆戸あゆみ組が第1ステージのリードをさらに広げて逃げ切り、ピエール選手はラリー初優勝を飾った。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部