グラベルシーズンの到来を告げるJAF九州ダートトライアル選手権が開幕。濱口親子がダブルウィンの快挙達成!
2020年4月16日
九州地区のダートトライアル地方選手権が今年も2月23日、スピードパーク恋の浦で開幕した。九州の地区戦は例年、2月末には初戦が開催され、グラベルイベントのシーズンインを告げる一戦として知られている。当日は天候にも恵まれ、開幕を待ちわびたドライバー達が元気な走りを見せた。
2020年JAF九州ダートトライアル選手権第1戦/2020年JMRCオールスター選抜第1戦
RASCAL DIRT TRIAL2020
開催日:2020年2月23日
開催地:スピードパーク恋の浦(福岡県福津市)
主催:RASCAL
参加10台と今回最多のエントリーを数えたのはPN1+クラス。昨年の全日本恋の浦をDC2インテグラで制した濱口雅昭選手がZC32Sスイフトに乗り換えて参戦したほか、元全日本ラリーチャンピオンの原口真選手がデミオでエントリーするなど、エントラントの顔触れも注目された。
ヒート1は濱口選手がスイフトのデビュー戦ながらベストをマーク。しかし0.03秒差に中国地区のトップランカー山谷隆義選手のフィットがつけ、予断を許さない展開だ。ヒート2に入ると今回のファーストゼッケンの原口選手がいきなり、濱口選手のタイムを1.2秒更新し、山谷選手がさらに1.5秒、そのベストを塗り替える。
しかし続いて出走した濱口選手は2秒以上も山谷選手のタイムを縮める1分51秒803をマーク。圧巻のベストタイムで後続を寄せ付けず、優勝をさらった。 「まだ広島のタカタで1回、テストしただけです。インテのように横向けて減速するような運転はできないので、タイミングがまだ掴めないですけど、まだまだ行けると思います」と濱口選手。スイフトでのデビューウィンに手応えを感じた様子だ。
続くN1クラスでは濱口選手の父親である濱口龍一選手が、ただ一人、1分50秒の壁を破って優勝。親子でダブルウィンを飾った。ZC33Sスイフトで3年めのシーズンを迎える濱口選手は、「このクルマはリアのセッティングがポイントなんでオフの間も色々、試して、ドライタイヤではかなり良くなってきたんです。今日は2本ともウェットタイヤですけど、タイヤに合わせたというより、頑張って走ったら、それなりのタイムが出たという感じですね。息子と一緒に勝てて嬉しいです」と笑顔を見せていた。
S2000、MR2、86の3台が三つ巴のバトルを見せたRWDクラスは、橋本英樹S2000がヒート1で暫定ベストを奪取。ヒート2ではMR2を駆る大下哲選手がそのタイムを更新するも、橋本選手が再逆転。開幕戦を制した。
S1クラスは九州地区期待の若手の一人、中村凌選手がCJ4Aミラージュで2WD総合ベストタイムとなる1分47秒372を叩き出して初戦を制した。「足回りを変えたのでテストも兼ねての走りでしたが、思った通り、狙ったところに行けたので、いい感じで走れました。納得の走りはできたと思います」と中村選手。悲願のチャンピオン獲得に向けて、幸先の良いスタートを切った。
S2クラスは全日本のトップランカーでもある岸山信之選手と、井上博保選手によるエボX対決が火花を散らしたが、ヒート2できっちり1秒の差をつけた井上選手が初戦を制した。N車両の岸山選手に対して、井上選手はSA車両での参戦。「クルマの差を考えたら、これくらいは差をつけないと。でも1秒もちぎれたのは正直、気持ちいいです」と井上選手。
1分40秒038のタイムは今回の総合ベストだが、「ギャップで飛ばされても、頑張ってアクセル踏みました・けど、もうちょっとタイムは縮められたかな。40秒は切れたかもしれません」と振り返った。今年も全日本も地区戦と並行して追う予定。激戦区のクラスだが、健闘を期待したい。
Cクラスは、全日本恋の浦ラウンドに向けて、テストも兼ねて敢えてドライタイヤで走った岩下幸広選手が、ヒート2で僅差ながら逆転を果たして優勝。地元での全日本制覇に向けて弾みをつける1勝をもぎ取った。またDクラスは江川博選手が優勝。江川選手は競技会終了後、今季、全日本に投入するNEWマシン、カローラでのシェイクダウンも披露、関係者の注目を集めた。なおOPクラスは、高田雄二選手が優勝を飾った。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部
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