ダートトライアル中国地区戦は、高速コース、テクニックステージタカタで開幕!
2020年4月16日
2020年の中国地区のダートトライアル地方選手権は3月8日、同地区の主戦場である広島のテクニックステージタカタで開幕。7クラスで熱い戦いが今年も始まった。
2020年JAF中国ダートトライアル選手権第1戦/2020年JMRC中国ダートトライアルチャンピオンシリーズ第1戦/JMRCオールスター選抜第1戦 クルマスターカップ CCNエキサイトダート
開催日: 2020年3月8日
開催場所: テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催: CCN
全国屈指の高速コースとして知られるタカタだが、『肩慣らし』の意味合いも強い開幕戦とあって、今回は、アベレージスピードも低めの『大人しい』コースレイアウトが用意された(下図参照)。ポイントになったのは地区戦ではしばしば設定されるフルパイロンターン。今回はモンテカルロコーナーから下った先、車速が乗るストレートからのフルターンということで、ここでの大きなミスは命取りとなった。
PN1+クラスは2台のフィットが優勝を争ったが、全日本ドライバーの藤原祐一郎選手がヒート2、逆転に成功して勝利をさらった。昨年10月以来のダートドライビングだったという藤原選手は、「1本めは同じフィットの山谷さんに2秒もちぎられたので、2本めは頑張りました」とひとこと。ライバルのタイムが長いオフからの覚醒を導いたようだ。
9台が参加したN1+クラスは、CJ4Aミラージュを駆る坂本幸洋選手が排気量で上回るインテグラ、ヴィッツターボといったライバル勢を抑えてヒート1、トップに立つ。「2本め勝負になると思ったので、1本めは楽しく走りました」と語ったそのタイムはただ一人、2分の壁を切る1分59秒32で、2番手を3秒以上も突き離した。
しかし坂本選手の予想通り、ヒート2に入るとまず九州から遠征してきた良本海選手がベストタイムを更新。さらにインテグラの恩田淳選手が1分57秒74までタイムを詰めて最終走者の坂本選手の走りを待った。「1本めで楽しく走り過ぎた分、逆にプレッシャーがかかった」という坂本選手だったが、結果は0.4秒弱、恩田選手を上回って再逆転。幸先の良い勝利をあげた。
「今日はパワー差がつきにくいコースレイアウトだったし、フルターンもミラージュの方が絶対有利だったので、行ったろー、と気合い入れました(笑)。昨年までシリーズ1位と2位を獲った同じクラブのドライバーもいなかったので、絶対、勝たなきゃという気持ちでしたが、実はミラージュでタカタで優勝するのは初めてなんですよ。このクルマでインテグラに勝つという目標でやってきたので最高に嬉しいです。今まで支えてくれた家族に感謝したいです」と坂本選手は喜びを爆発させていた。
SA1クラスでは、昨年まで坂本選手と同じクラスで戦いシリーズ2位に入った川本圭祐選手がクラス移籍初戦を制した。全日本を見据えて今年はインテグラをSA仕様に変えた川本選手は、新仕様でのダート初走行の一戦となったが、「何とか2本めでSA車両の感触が掴めてきました。クルマ全体のバランスも見直したので、去年、最後に走った時より明らかに動きがよくなりました」とシェイクダウンの一戦を振り返った。
一方、RWDクラスでは、86でダブルエントリーした臼井幹夫選手が、昨年のチャンピオンでカリーナを駆る、横山修二選手を抑えて優勝を飾った。続くNS1クラスでも西田ツカサ選手が、ヒート1でトップだった2019年王者、川戸惟寛選手をヒート2でかわして優勝をさらった。「オフの間に梶岡(悟)さんの所でデフを3つともOHしてもらって、クルマの動きが格段に良くなったのが勝因です」と西田選手は同じ中国地区の大先輩に感謝しきりだった。
中国地区では、激戦区として知られるSCD1クラスは11台がエントリーと今回も最多を数えた。ヒート1は、FTOを駆る山下貴史選手がベストを奪うが、当然のごとく、ヒート2は仕切り直し。インテグラの小川英二選手がまず1分53秒台に叩き入れると、ヒート1はドライブシャフトのトラブルで完走できなかった重松良輔選手がさらにコンマ4秒詰める。
続く山下選手は53秒台に入れるも重松選手には及ばず、昨年のチャンピオン一柳豊選手も大幅なタイムアップは果たせず。結果、重松選手が逆転を決め、「前半区間はあまり突っ込み過ぎないように立ち上がり重視で、後半は車速が乗るので怖がらずに頑張って踏みました。フルターンは絶対ミスらないように集中しましたけど、バッチリ決まりました」と快心の走りを振り返った。
大会のトリを飾るSCD2クラスでは、昨年の全日本タカタを制した田口勝彦選手が開幕を1週間後に控えた全日本戦の最終テストも兼ねて参戦。ヒート1は車両のトラブルで10番手に沈んだが、復調したヒート2では1分43秒台まで総合ベストタイムを吊り上げて優勝した。敗れたとは言え、ミラージュのD車両をドライブした藤田宏明選手が、約1秒差で食らいつき、全日本のトップレベルと遜色ない走りを見せた。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部
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