2020年近畿ダートラが京都で開幕。新規定の「スタンディングスタート」を採用!!

レポート ダートトライアル

2020年4月14日

2020年のJAF近畿ダートトライアル選手権が京都コスモスパークで開幕。この大会では今季から変更された「スピード競技開催規定」による新しいスタート方式が採用され、ラリーさならがらのスタンディングスタートに、選手たちは一喜一憂することになった。

2020年JAF近畿ダートトライアル選手権第1戦/JMRC近畿ダートトライアルチャンピオンシリーズ第1戦/JMRC全国オールスターダートトライアル選抜第1戦/JMRC近畿ダートトライアルジュニアシリーズ第1戦「オサムファクトリーグラベルアタック2020」
開催日:2020年3月29日
開催地:京都コスモスパーク(京都府京都市)
主催:T・O・F

 全日本ダートトライアル選手権が開幕した2週間後の3月29日、同じ京都コスモスパークで近畿ダートトライアル選手権が開幕した。主催者は感染拡大防止策を施し、参加選手や関係者も感染機会を減らす工夫を徹底した上での開催となった。そして、今大会では2020年「スピード競技開催規定」で変更された規則を利用した、新たな試みも行われた。

 これまでのスピード競技、特にジムカーナ/ダートトライアル競技は、スピード競技開催規定により、スタート方式が「ランニングスタート」と規定されていた。しかし、2020年のスピード競技開催規定では、カテゴリー毎に定められていたスタート方式が、共通の内容に改められ「スタンディングスタート、またはランニングスタートのいずれかとする」という内容に統一された。

 今大会の主催はラリーに精通したクラブということで、ラリーのスペシャルステージで採用されている「スタンディングスタート」を採用。特別規則書に定めた「スタート位置よりエンジンを始動した状態で、スタート合図が出された瞬間において、車両が静止した状態で計時が開始されるスタンディングスタートとする」という手順で競技が行われた。

 ちなみに「ラリー競技開催規定」の細則「スペシャルステージラリー開催規定」においては、「スペシャルステージのスタートは、スタンディングスタートとする。参加車両はエンジンのかかった状態でスタートライン上に停止し、スタートの合図を受ける」と規定されている。

スタート位置の前方に置かれたカウントダウンの電光表示をスタート合図としていた。
今大会はウェット路面ということもあり、同じ場所を2度走らないレイアウトを採用。

 コースは前日まで降り続いた雨の影響で、各所に水溜まりのあるウェットコンディション。そのため第2ヒートが勝負であることが明らかとなった。スタート形式については、計測装置等のトラブルや、フライングなどのペナルティを受ける選手はいなかったが、第1ヒートでスタンディングスタートの感触を試し、第2ヒートにかけるという一戦だった。

 地方選手権のRWDクラスには3台がエントリー。昨年のチャンピオンが欠場する中、シリーズ2位だった千賀達也選手がきっちりと優勝をもぎ取った。「チャンピオンがいないので勝たないといけないプレッシャーの中、勝ててホッとしています。走りに関しても気持ち良く走れたので良かったです」と笑顔だった。

RWDクラス優勝はSW20 MR2「キャッツYH・MR2」を駆る千賀達也選手。

 AN・PNクラスは10台のエントリー。注目の選手は、北海道から1年ぶりに帰ってきた坂本英彦選手だ。第1ヒートではノートを駆る富澤慎一郎選手を約3秒離すベストタイムをマークする。第2ヒートでも2番手だった大野吉弘選手を約1秒離して優勝を飾った。

 優勝した坂本選手は「久しぶりにコスモスを走って楽しみました。北海道では全日本選手に勝てなかったのですが、揉まれたことが今日に繋がって良かったです。今回のスタート形式は、自分はラリー経験もあるのに遅かった……。でも、面白い取り組みなので今後もやって欲しいです」と喜んでいた。

 AN・PNクラス2位の大野選手は「1本目は約3秒、2本目で約1秒差の嬉しい2位です。3秒離されたので大人げなく踏みました。怖かったけど」と苦笑いだった。3位は若手の田中淳平選手。親子Wエントリーで、後走の田中泰弘選手は駆動系トラブルでリタイアとなったが、「私がクラッチ使い切ったのですね。何とか保ってくれて良かった。目標にしていた”打倒33スイフト”も果たせたので良かったです」と本人はニッコリしていた。

AE・PNクラス優勝はZC31Sスイフトスポーツ「BOOBOWスイフト」を駆る坂本英彦選手。

 N1クラスはディフェンデングチャンピオンの一宮頼人選手が貫禄の優勝を果たした。走りはヒヤヒヤものだったようで「勝ててホッとしてます。正直、スタート形式については迷ってますね。うまくいかなかったし。慣れの問題もあるでしょうが、今までの方が良いですね」と渋い表情だった。2位の執行信児選手は一宮選手と約コンマ5秒差。「スタートでフライングしたと思って一瞬アクセルを抜いたんですよね。そのまま走っていたら……と思うとちょっとショックです。次で頑張ります」と前を向いていた。

N1クラス優勝はDB8インテグラ「YHフレイムFAインテグラ」を駆る一宮頼人選手。

 N2クラスはチャンピオン不在。2018年までチャンピオンを連覇していた辰巳浩一郎選手が、後続の清水孝憲選手に1秒以上の差を付けて優勝。「自分はラリーもやっているので、もっとスタートがうまくいくと思ってたんですが、遅かったことが悔しいです。走りは楽しかったし、優勝できたので嬉しいんですが、腕でカバーしたということですね」と語った。2位の清水選手は「スタートはフライングギリギリを狙ってうまくいきましたが、ショートカットの鋭角ターンで失敗したのが悔やまれます」と反省の弁。

N2クラス優勝はM312SブーンX4「DLブーボ-スーパーブーン」を駆る辰巳浩一郎選手。

 S1クラスは、昨年の覇者・上土井康朗選手が3位に終わる波乱の展開。「途中まで完璧だったのに奥のヘアピンでミスして……。タラレバですね」と惜敗。2位の今村太亮選手は「2本目のスタートで気合いを入れ過ぎて、タイヤを回し過ぎました。これで前に出なかったのがもったいないです。路面も走りやすく、走りも良かったので……」と、こちらも悔しがる。してやったりは眞砂徳亮選手。見事なロケットスタートを決めての優勝だ。「一か八かのスタートでした。フライングにならなくて良かったぐらい。ラインが狭かったので、丁寧に道を選んで走ったのが優勝に繋がりました」と笑顔だった。

S1クラス優勝はEK9シビック「ファイナリストM5シビック」を駆る眞砂徳亮選手。

 S2クラスの大本命は、2週間前の全日本で優勝を決めている矢本裕之選手だ。しかし、第1ヒートは藤本隆選手から遅れること約2秒という状況。「1本目は、アグレッシブに攻めの走りをしたら2秒も負けてました。2本目はフライングができないプレッシャーがあってキツかったですが、同じ走りをしても勝ち目はないですし、走り出せばいつもの操作をするだけですから。180度違った、トラクション重視の丁寧な走りに切り替えた結果が良かったです」と、逆転で優勝を果たした。

 S2クラスで第1ヒートトップだった藤本選手は3位にドロップ。「S字からのストレートで流れ過ぎたのが大きなミス。これがなければ2位は行けたかな」と悔しがる。「全日本選手の次の2位なんでおこがましいぐらい。コンマ8秒差は悔しいんですけどね」と上田悟選手が2位表彰台を獲得した。

S2クラス優勝はCT9Aランサー「河童ZEALヤッコYHランサー」を駆る矢本裕之選手。

 Dクラスは「ウェットで、まっすぐ走らない難しい路面にてこずりました。ミスが多かったけれど何とか勝てました」と語る小川浩幸選手が優勝。2位には岡田誠選手が入賞。「コンマ3秒差だったので、奥のコーナーで外にはらんだのが悔やまれる」と語りながらも2位表彰台の獲得に満足した表情だった。

Dクラス優勝はCT9Aランサー「小川自動車ガルフYHランサー」を駆る小川浩幸選手。

 併催されたJMRC近畿ジュニアシリーズ。J1クラスは11台出走で、昨年度のチャンピオンは出場できない規則となっている。そのためシリーズ2位だった執行翔太選手が本命だったが、第1ヒートでトップタイムをマークしたものの、第2ヒートでは駆動系トラブルトラブルからゴールできず4位に終わった。

 J1クラスを優勝したのは第1ヒートで2番手タイムだった増田拓己選手。「初コスモスで緊張したけれど、2番手タイムが出ました。車載カメラや外撮りのビデオを見て走りを修正できたのが優勝に繋がりました。大学を卒業して社会人2年目ですが、JAF公認競技初出場で初優勝できて嬉しいです。今年はこのまま行きたいです」とニッコリしていた。

 J1クラス2位は「1本目で走らない、曲がらない、止まらないと苦戦しましたが、2本目は路面を選んで走りました。前走車のトラブルで再出走となり、練習できたのも大きいです」と語る中西城治選手。3位はこの大会2連勝中だった川口晴彦選手で、「今年は上の人が速かった」と悔しそうだった。

ジュニアシリーズのJ1クラス優勝はCJ4Aミラージュアスティを駆る増田拓己選手。

 J2クラスは先日の全日本ウイナー・矢本裕之選手の塾生、中村清二選手が両ヒートともベストタイムの優勝。「慣熟歩行で矢本さんから、このコーナーはこう攻めると教えてもらいながら歩きましたが、1本目は路面の状態もあってその通りには走れませんでした。スタートも緊張しましたし。2本目は教えてもらった通りの走りがかなりできたので優勝できました。矢本さんからも『良かったよ』って言ってもらえましたし。反省点もありますけど(笑)。今まではシリーズを完全に追ったことがなかったので、今年はチャンピオンを狙います」と目標を語ってくれた。

 J2クラス2位は「5年目にして初表彰台で嬉しい。コントロールを重視して走ったのが良かった」と語る田中潤選手だ。クローズドクラスにはジムニーシエラがエントリー。松本智重選手が優勝し、Wエントリーでオーナーの角清隆選手が2位でワンツーを飾った。松本選手は「オートパーク今庄で開催されているジムニーワンメイクのダートレースは走ったことありますが、近畿で走れる場所があると聞いたので今回は参戦しました。コスモスパークは初めてでしたが楽しく走れて良かったです」と松本選手。2位の角選手は「私のクルマを貸した人に負けたのがとても悔しいです」と落ち込んでいた。

J2クラス優勝はCT9Aランサー「TOF河童こむぎたんランサー8」を駆る中村清二選手。
7名参加のクローズドクラスはJB43Wジムニーシエラで挑んだ松本智重選手が優勝。

 先日の全日本ダートラ開幕戦でも行われたが、今大会のドライバーズブリーフィングでは、昨年12月に急逝した人見雅子選手に対する黙祷を捧げ、ご主人の人見浩三選手から一連のお礼の言葉が述べられた。また、同じく昨年亡くなった近畿ダートラ部会員でもあり選手でもあった北野匡秀氏の追悼コーナーも設けられていた。

近畿ダートラ部会により、両選手を悼むオリジナルステッカーが制作された。
今大会は全日本ラリー選手権JN1を戦う福永修選手が率いるT・O・Fが主催を務めた。

フォト/山口貴利 レポート/山口貴利、JAFスポーツ編集部

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